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70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 18:19:52.35 8yDiMtuN0

「なんか足がスースーするんだが」
「諦めろ」

俺とこいつはいわゆる「少年だった少女」、
16歳の誕生日までに初体験を迎えられなければ身体が女性のそれになってしまう病気。
ここ数年で流行りだして、最近では発症する事例も多いそうだ。
彼女にするなら腹黒い純正の女より、男の気持ちがわかる女体化した娘の方が良い、とはよく聞かれる話だ。
「元男」だと理解していても、身体が女ならどうしても女で、男と女は惹かれあう、人間だ。

「というかもう秋だぜ、さすがにこの足の出しっぷりは寒いぞ、色んな意味で」
「諦めろ、そんなに寒いのならスカートの下にジャージでも履けばいい」


俺は半年前に誕生日を迎え、この病気を発症していたが、横にいるこのバカはつい先日誕生日を迎え、発症した。
その日の事は、携帯電話の着信音で起こされたのを皮切りに、殆ど記憶している。
俺は丁度28回目の着信で目を覚まし、36回目の着信で電話に出た。早朝6時だった。

「もしもし」
「なんか女になってるんですけど」
「誕生日おめでとう」
「ありがとう」


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 18:20:47.56 8yDiMtuN0

聞いた話だが、この病気が発症する確立は1/10らしい、
17歳の童貞を10人集めれば一人は女、という寸法だ。
なんでこいつが女体化の神、いや、悪魔に選ばれたのかは知らないが、
こいつは俺が女になった後、事あるごとに「お前は女っ気がない」だの「女になったんだからもっとこう、あるだろ?」
などと散々ほざいていたので復讐するには良い機会だ。

「これからどうするんだ?」
「助けてください、お願いします」
「女になったんだからもっとこう、あるだろ?」
「・・・、前から思ってたけど、お前って結構鬼畜だよな」
「お前には女っ気がない」
「・・・」
「・・・」
「助けて・・・?」
「しょうがないな、今からそっちに行けばいいのか?」
「とりあえず下着とか制服の予備あったら頼む」
「わかった、それじゃあ」
「あ「プツッ」

電話を切る時は、相手が切るまで待つなんていう事を俺はしない。
気遣いの心と、電話代と、もどかしい気持ちの無駄遣いだからな。
たまに切る直前に何か話しかけられる事もあるが、そんなものは無視だ。
そんなに大事な用ならまた相手からかけなおしてくる、してこないならどうせくだらない話だろう。

俺はリュックサックに下着だけを突っ込み、暖かい格好に着替え、まだ寝ている家族の目を盗んで外に出た。
秋の早朝なのでまだ空が若干暗いし、寒い、俺は冷える身体を揺すりながら自転車に乗った。
予備の制服なんて物は無い、制服というのは中々に値の張るコスチュームで、
2着も持っているなんてのは発育の著しいお子さんを持つ家庭にしかないんじゃないだろうか。
女になってから胸のサイズも身長もまったく変わらない、普通の身長にほぼ平らな胸。
そんな俺が制服を二つも持つなんてのは、ちゃんちゃらおかしい話だった。


72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 18:22:08.62 8yDiMtuN0

あいつのマンションまでの距離は約1km、自転車で急げば10分もかからない。
早朝の透明で冷たい空気を掻き割って進む、早朝のサイクリングは気持ちが良かった、
体感5分もかからないうちにあいつのマンションの前に着く。
高校生の一人暮らしにはもったいない、新築の大きなマンションだ。
なんでも「オートロックやらセキュリティやらがあってすごいらしい」らしい。

「あけろ」

端末に部屋番号を入力し、はっきりと言う。
短い語句を言って正常に伝わらないのは非常に苛立つから、はっきりと、朝なので声量は控えめに。
10秒ほどして自動ドアが開く、エントランスの脇にあるエレベーターを使い8階へ、まっすぐ8番目の部屋。
808号室のチャイムを押すと、ほどなくしてオートロックのドアが開き、おずおずとあいつが出てきた。
俺とは対照的なショートカット、スレンダーな体系で身長は同じくらい、はっきりとは解らないが胸も俺と同じくらいか。
明らかにサイズの合わないTシャツとジーンズを履いている、ジーンズなどは手で押さえてないとずり落ちそうだ。
格好だけ見ればなんだか「兄の服を内緒で着てみた妹」という風情だが、
ちゃんとした格好をしてちょっと日に焼けれ、ば一年生エースの陸上部員か水泳部員といった風情になるだろう。


「おはよう」
「とりあえず入れよ」


女性化については科学で証明できない事が多い。
まず、普通の男性が一晩で生理まで起こる完璧な女性の身体になる事があり得ない。
髪も伸びたり、骨格が変わったり、スタイルが激変する事もある。
あいつもそうだ、小学生の頃から空手をやっていて、筋骨隆々とまではいかないが中々良い体つきをしていた。
それが今じゃ可愛らしい少女だ、これが人類の神秘というやつなのだろうか。
少年から少女へと、骨がバキバキと音を立てて変形する様を想像すると朝食を食べる気がなくなった。


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 18:22:39.97 8yDiMtuN0

「痛くなかったか?」
「・・・?」

聞かずにはいられなかった。
だがこいつは何の事言ったんだかわからない様子だ、当たり前の話だが。

「いや、なんでもない」

質問を撤回し、俺は部屋にあがった。
性格とは裏腹にこいつの部屋はいやに綺麗だ、CDはCDラックへ、本は本棚へ、食べ物は冷蔵庫へ。
あるべき所にあるべき物があり、さっぱりしている。
俺の予想では彼女でも出入りしているのではと思ったが、この様子ではただ几帳面なだけなんだろう、意外な事だ。

「お前、やっぱり驚かないんだな」

唐突にそんな事を言われる。
これでも充分驚いているんだが、こういう事は言われ慣れている。
俺は大げさに感情を表現するのが苦手なんだ。
自分が女になってしまった時も、両親やクラスの奴等に同じ様な事を言われた記憶がある。
一度で良いから、目の前にいるこいつのように、手を叩きながら「ウヒャヒャヒャ」と笑い転げてみたいものだ。

「驚いて欲しかったのか?」
「別にそういうわけじゃないんだけどな。ああ、下着と制服持ってきてくれたか?」
「あいにく家には予備の制服なんて無いんだ、下着だけ持ってきた」

リュックサックに直接入れた下着を放り投げる、自分が普段使っている物なので恥ずかしい部分はあるが。
俺のパステルイエローの上下セットの下着を手に取ったこいつは、
あろう事か「へぇ・・・、これがパンツとブラジャーか」などとのたまい、俺の下着を弄くり始めた。



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 18:23:40.67 8yDiMtuN0

「おい」
「結構布厚いんだな、というかこれをお前が使ってるのか・・・」
「・・・今すぐ着けるか今すぐ返すかどっちかにして欲しいんだが」

出来うる限りめいっぱいドスを聞かせた声で言う、だが男の時ならいざ知らず、
今の声質では仁侠映画をふざけて物真似した女子中学生の域を脱していない。
だが気持ちはわからないでもない、俺も女になった直後、近所のデパートで下着を買い求めた時はひどく緊張したし、
手にとってみると否が応にもテンションは高まるというものだ。
だが、だからといって自分の下着をいいように蹂躙されて良い気分にならないのも事実だ。

「あ、ああ、じゃあ、つけてくるぜ」

俺の必死さが伝わったのか、多分物凄い形相でもしていたんだろう。
あいつはそそくさと、ジーンズのベルトを抑えながら洗面所に入っていった。
落ち着いたフリはしているが、内心女になった事に焦っているんだろう、所々に身体をぶつけている。
しばらくすると窮屈そうに顔を顰めたあいつが戻ってきた。
まさか。


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2006/10/19(木) 18:24:19.24 8yDiMtuN0

「結構窮屈だな、これ」

大きすぎるTシャツの所為か、目測を見誤ったらしい。あいつの胸は予想より遥かに大きいようだ。
あいつの胸が気になりはするが、もう時刻は6時30分に指しかかろうとしている、あまり時間を食うと学校に遅刻する。

「貸してやっただけ有り難いと思え」
「いやでもこれ、かなりきつ
「それはそうと、学校はどうするんだ?」
「あ・・・、ああそうか、どうしようか、おい」
「自分で考えろ」
「さすがに行けないかもな、服とか買わないと」
「両親に連絡はしたか?」


こいつにとって両親について聞くのはタブーだ、だが聞かないわけにもいかないだろう。
俺が言わないと、向こうに気付かれるまで内緒にしておくつもりなんだろうからな。
両親とは仲が悪いわけではないらしい、ただ、共働きで常に前線で活躍している両親の邪魔をしたくないと言う。
親の心子知らずと言いうが、やはりこいつの両親も息子から何の連絡も来ないのは寂しいんじゃないだろうか。
そして、さすがに女性化ともなると言わないわけにはいかないだろう。
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