夏輝 「笑顔の欠片」 夏輝(74)の人

    

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77 名前:74 投稿日:2006/09/18(月) 01:43:21.68 CM27lF+O0

えーと、それでは投下します
ですが、あまり期待はしないでください。

初夏。

梅雨も明け、眩しい陽射しが容赦なく襲う季節。
外は既に赤い世界に覆われており、直に夜が来る事を知らせていた。
そんな陽射しを背に受けながら、俺達5人は、他愛もない話をしながら、帰路についている。

「そういえば明日だね~」
「何がだ?」

今までの話題を打ち切って、突然そんな事を言う俺の親友、速水 晃(はやみ ひかる)。
突然の言葉に訳も分からず、とりあえず思いつく事を口にしてみる。

「明日ってバイトのシフト入ってたっけ?」
「僕のは入ってるけど・・・って違うよ!全くもう」

相変わらず鈍いんだからっと言われてしまう。
えーと、バイトじゃあないんなら後は・・・・・

「明日学校で何かあったかなあ」


78 名前:74 投稿日:2006/09/18(月) 01:43:52.30 CM27lF+O0

んーっと首を傾げる俺。
明日・・・・明日・・・
駄目だ、何も思いつかん、明日って何かあったっけか?

そんな俺を見て、4人は深い深い溜息をつく。
        • 呆れている様に見えるのは、気のせいだろうか?

「あのね、夏君。」

明日何があるのか、どうしても思い出せない俺に呆れたのか、
幼馴染、七海 千夏(ななみ ちなつ)が溜息混じりに口を開く。

「な、なんだよ?」

そんな態度を見たからか、少し後ずさってしまう俺。
うう、皆知ってて俺が知らない事って、なんだろうか。
何だが、自分が凄く馬鹿に見えてくるから、不思議だ。

千夏は、後ずさった俺を見て、少し口を開くのを躊躇ったが、意を決したように喋った。

「明日はね、夏君の誕生日なんだよ」


79 名前:74 投稿日:2006/09/18(月) 01:44:29.81 CM27lF+O0

「・・・・・・誕生日?」

──誕生日。

誕生日とはある人・モノが誕生した日のこと。
または一年の内でその人・モノが生まれた月日を指す。
生まれた年月日については、生年月日と呼ばれる。

多くの場合は人間について使われ、その人が生まれた日、または出生届が役所に提出された日を指す。
誕生日には家族や知人・友人などが集まりこの日を祝福する行事が行われることも少なくない。

また、高齢者が誕生日を迎えた際は、地方公共団体から祝いの品等が届く場合がある。
特に長寿の場合、地方公共団体の長などが直接自宅を訪れ祝福したり、広報や地域新聞などで報道されたりもする。

因みに年齢には、異称、賀寿っと呼ばれる名称があり、10歳ならば辻髪、15歳男児なら・・・・。

ってんな事考えてる場合じゃないな。

「そうか、明日は俺の誕生日だったのか、すっかり忘れてたよ」

思い出させてくれてサンキュー、っと付け加えて礼を述べる。
だけど・・・・。



81 名前:74 投稿日:2006/09/18(月) 01:45:19.58 CM27lF+O0

「明日が俺の誕生日だから何なんだ?別に思い出さなくても、いい事じゃあないのか?」

別に明日、俺の目の前に死神が現れたり、突然バファリンの全てが、優しさに変わる訳じゃあるまいし。
そんな俺の言葉に、一同はますます深い溜息をつく。

「・・・・・お前今何歳だ?」

唐突に、そんな事を聞く俺の親友A、里島 竜太(さとじま りゅうた)。

「な、なんだよいきなり」
「いいから、答えろ」

竜太は、少し強い口調で答えを迫ってくる。
いきなり何歳と言われても、どうしてそんな事を聞くのだろう?

色々疑問は浮かんだが、俺は渋々質問に答える。

「15だ、お前も知っているだろう?」
「では、さらに質問だ。お前か明日で何歳になる?」

      • 一体さっきから何なんだ、俺の年齢に何か意味でもあるのか?
俺が明日何歳になろうがお前達には、関係ないだろうに。


82 名前:74 投稿日:2006/09/18(月) 01:47:02.78 CM27lF+O0

「どうした、さっさと答えろ」

ますます強い口調で迫る竜太。
何でそんなに強く迫ってくるんだよ!

「だー!明日で16になるよ!それがどうした?お前達には関係ないだろうがっ!」

思わず怒鳴ってしまった俺に少しばかり怯む一同。
が、それも一瞬俺の返答にますます呆れている。
            • これは。

「もしかしなくても俺、地雷踏んだ?」

そんな俺の質問に全員、呆れながらもうんうん、っと頷いてくれる。
昔から地雷踏むの得意だなあ、俺。
もしかして才能があるんじゃなかろうか。

「夏輝、お前まだ未経験なのだろう?」

竜太は意味ありげに、言葉を紡ぐ。
そんな言葉に当て嵌まると言えば一つしかない。


83 名前:74 投稿日:2006/09/18(月) 01:48:34.61 CM27lF+O0

俗に言うどうて・・・・・・

「あ」
「やはりか」

少し驚愕が混じった俺の声を聞いて、悟ったのだろう、一同はまたもや深い溜息をつく。
しまった忘れてた、どうして忘れていたのだろう。
思い出した途端、俺を困らせるもの。
それは女体化と言う、15-16歳まで性経験が無ければ、女の子になってしまう男性特有の病気だった。

今日は此処までです、まだ続き書いてないので。
早く主人公女体化させなきゃなあ・・・グダグダだよ・・



197 名前:74 投稿日:2006/09/18(月) 13:41:53.38 CM27lF+O0

195
一体何が女の子っぽい名前なのか・・・
ついでだから登場人物投下してみる。
────

月代 夏輝(つきしろ なつき)
主人公。春桜高等学校の1年生。
バイトをしていて、兄と義姉が居る。
月代家で唯一、まともな人物。
少し女顔なのが悩みの種。
家では家族のボケの現実逃避担当。もしくは突っ込み。

速水 晃(はやみ ひかる)
何処がボケボケしている夏輝の親友A。
双子の妹の緋佳梨とは中が良い兄妹。
優しいが怒ると怖い人。

速水 緋佳梨(はやみ ひかり)
晃の双子の妹。
バレンタインデーに後輩の女子からチョコを貰うタイプ。
主に晃の突っ込み役。

里島 竜太
夏輝の親友B。
唯の馬鹿、けど成績は良い。されど馬鹿、だけど馬鹿。

七海 千夏(ななみ ちなつ)
夏輝の幼馴染。夏輝の事を夏君と呼ぶ。
料理が得意。



229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2006/09/18(月) 15:53:27.00 CM27lF+O0

誰も居ない、グダグダ文投下するなら今の内

83の続き

いや、病気と言っていいのかどうかは微妙だが。
昔とあるテレビで、どっかの学者が遺伝子的な不具合とか何とか言ってたし。
って今はそんな事はどうでもいい。
にしても、女体化か。

今までの俺には無縁の話、だけど今となってはそうもいかない。
突然男から女になってしまう。今まで忘れていた俺にとっては、癌を宣告されたようなものだ。
だが、宣告された時にはもう手遅れ。体の隅々病原菌に犯されている。
冤罪の裁判で、死刑を言い渡された様なものだな。

思わず自分自身を嘲笑う。何をやっているのかと。
俺の家では、女体化の話題とかは無かったからな。そのせいで忘れていたのかもしれない。
そんな俺を見て、千夏と緋佳梨が心配そうに俺の顔を覗き込んでいる。


230 名前:74 投稿日:2006/09/18(月) 15:54:20.28 CM27lF+O0

229
「夏君、大丈夫?」
「ちょっと、大丈夫なの?」

二人揃ってそんな事を言う。
全く、こんな時だけは息が合うんだな、二人共。
少し、心が暖かくなった感じがした。

「っで、どうするんだ?お前は」

そんな事を考えていた時に、竜太の言葉が降り掛かる。
その問いに答える前に、聞かなければならない事があった。

「それに答える前に、聞いておきたい事があるんだが。いいか?

ふざけた質問かもしれないが。俺にとってはある意味、重要な事。
聞かなければならない事でもないが、俺はどうしても気になる事。
竜太は俺の言葉に、少し思考を巡らせる仕草をした後に。

「いいぞ、まあ大方察しはつくがな」

こう、答えた。
こいつは馬鹿だが頭の回転は速い、この流れで俺がどんな質問するか、見当はつくのだろう。
千夏や緋佳梨の視線が気になるが、このさいどうでもいい。
俺は意を決して、俺にとってある意味重要な言葉を投じた。


231 名前:74 投稿日:2006/09/18(月) 15:54:52.65 CM27lF+O0

「二人共、もうヤったのか?」

そんな、冗談の時にでも使う言葉。
普段の時は阿呆が、とでも言われて一蹴されてしまう言葉。
けど今、この場ではある意味重要な言葉。

因みに千夏と緋佳梨は驚愕に満ちた顔で、口をパクパクさせている。
さらに千夏は、顔を紅潮させたりもしている。
まあ、当然と言えば当然か。
普通は女の子の前で、こんな話はしない。

「い、いきなりそんな事・・・えーと」
「あまり堂々と答えたくない質問だな」

いきなりの質問に、困惑する晃ともっともな事を言う竜太。
まあ普通、こんな話は滅多にしないからな。
ついでに言うと晃と竜太は、もう既に16の誕生日を過ぎている。
っと言う事は稀にいる、16になっても女体化しない体質か、既に経験済みのどっちかである。

俺の予想では二人共後者だと思うのだが、実際はどうなんだろうな。
そんな事を考えている内に、まずは晃が質問に答えてくれた。


232 名前:74 投稿日:2006/09/18(月) 15:55:26.15 CM27lF+O0

「まあ、僕には緋佳梨ちゃんが居るからね~」

満面の笑みでそう、言い放つ晃。緋佳梨は今の言葉で、完全にフリーズしている。
いや、なんつうか。
その発言は誤解を生むと思うんだ、晃。
千夏は驚愕した顔で晃と緋佳梨を交互に見比べている。

「あの日の緋佳梨ちゃんは凄かったよ、皆が見たら卒倒するぐらい。」

満面の笑みを崩さないで、言葉を続ける晃。
冗談だと分かっていても、晃の言葉から色々と想像してしまう。
上気し、紅潮している頬、小さながらもしっかりと強調されている胸。
そして隠しながらも、しっとりと濡れている・・・・ああ!見てえ!。

晃の言葉に翻弄され、悶々としている俺。
晃と緋佳梨の顔を見比べる千夏、そして呆れて溜息をつく、竜太。緋佳梨はまだフリーズしている。
        • だけど心なしか緋佳梨からどす黒いオーラが出ているのは、気のせいだろうか?



233 名前:74 投稿日:2006/09/18(月) 15:56:37.99 CM27lF+O0

それよりも、まだ聞いていない奴がいる。
俺はその聞いていないもう一人に目を向ける。

「それで、竜太はどうなんだ?」

竜太はいきなり言われるとは思っていなかったのか、少し遅れて返事が返ってきた。

「ん?ああ、俺もヤったぞ」

そして、疲れたような顔をしながら。

「っと言うか晃と俺は一緒に捨てたんだがな」


「はあ?」

突然の発言に、呆けた様な返事しか返せなかった。
竜太と晃は一緒に童貞を捨てた?
っと言う事はまさか。



234 名前:74 投稿日:2006/09/18(月) 15:57:08.99 CM27lF+O0

「って事は3P、グハァ!」

突然緋佳梨が俺の言葉を遮る様に、俺の鳩尾に拳をフィットさせてた。
痛い、かなり痛い。半端なく痛いぞ緋佳梨の今畜生!。
そして、俺にこんな痛みを体感させた本人は──

「あーごめん、手が少し滑った。」

などとのたまわっている次第である。

「手が滑った、じゃねえよ!どうみても狙ってただろうが!」
「今のは夏輝がいけないよ、3Pだなんてそんな不純な事・・・」

いや、お前があんな事言ったのが原因だと思うぞ、晃。
そしておもむろに晃の首に手を回し、締め上げる緋佳梨。

「晃も!あんな嘘八百を並べないでよっ!」
「ぐ・・・・ぐが・・ひか・・ちゃ・・・・はい・っ・て・あぐ・・・」

晃の呻き声が聞こえる。
さらばだ、我が友よ骨は犬にでもくれといてやる。
アーメンっと心の中で繰り返し晃の冥福を祈る。

「質問には答えた。それで、お前はどうするんだ?」


235 名前:74 投稿日:2006/09/18(月) 15:57:49.16 CM27lF+O0

唐突な竜太の、2回目の問答。
あーそうだった、馬鹿やってる場合じゃあなかったな。
明日までに童貞を捨てなければ、女になるかもしれない。
けど、今からではどうする事もできないだろう。
俺は・・・・・・・どうするんだろうか。

場に、重苦しい沈黙が流れる。
竜太と緋佳梨は俺をじっと見つめ、答えを待っている。
千夏は、俺を見つめながらも、空に視線を移したりしている。

答えが見つからない。
このまま明日になれば、恐らく女になる。
だができるなら、男で居たい。
でも今更、どうにもならない。
だけど、男で居たい。

唯の我侭が、俺に答えを言わせるのを躊躇わせる。
重苦しい沈黙が続く、誰も責めていないのに、責められている様な感覚に陥る。
この奇妙な重圧に、これ以上耐えられなくなり、逃げ出そうとした時だった。

「あ、あの・・・・」

千夏の言葉が、重苦しい沈黙を破ったのは。


553 名前:夏輝(74)の人 投稿日:2006/09/21(木) 12:50:40.50 BNG8ErAg0

皆の視線が、一斉に千夏に集まる。
その視線に千夏はビクッと体を震わせ、少し後ずさった。
因みに晃はさっきのスリーパーホールドで、完全に気絶している。

「どうした?千夏」

千夏はさっきからモジモジとしていて、落ち着きがない。
つまりは挙動不審、一体どうしたのだろうか。もしや、生理中なのか?

「あの・・・・・ね・・・・」

心なしか前より声が小さく、震えている。
まあ・・・この雰囲気じゃ無理もないか。俺だって逃げ出そうとしたし。

「そんなに怖がるな、誰もお前を責めてる訳でもないんだから。」

できるだけ、優しい声で問いかける。
できればスマイルも付属したいが生憎、俺にはそんなの似合わない。
俺の言葉で少し、緊張が解れたのか少しずつ言葉を紡いでゆく。

「あの、ね・・・夏君が嫌じゃ、なきゃ・・・・」

黙って言葉を聞いている。元より、遮るつもり等微塵もない。
それは竜太も緋佳梨も同じようで、千夏の言葉を黙って聞いている。
だが、

「私を・・・・・抱い・・・・て?」

こんな化学兵器並の言葉を、誰が予想できただろうか。


554 名前:夏輝(74)の人 投稿日:2006/09/21(木) 12:55:00.05 BNG8ErAg0

もうプロローグを無理矢理終わらせて、さっさと本編に突入してしまおうか。

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」

この場の時が止まる。おのれDIO、いつのまに時を止めた。
まさか、千夏がこんな事を言うなんて思わなんだ。
しかし今日に限って大胆だ、一体千夏の中で何が起こった。

「ち・・・・なつ?」

ようやくそれだけを、声に出す。
正直、頭の中がグチャグチャだ。まともな思考ができない。
願ってもない言葉、千夏は抱いて、と俺に抱かれてもいいと言った。
だったら抱けばいい、それだけで、俺は男で居られる。

「夏君は男の子のままで、居たいんだよね?だったら・・・・」
「ッ・・・・・・・」

だけど。
俺は・・・・



「駄目だ、それはできない。」

俺は、千夏の提案をはっきりと拒絶した。


963 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 16:25:35.80 f6aBxmMM0

では、投下します
554の続き
「え・・・?」
「な・・・・」
「ば・・・・」

全員驚愕の声色で俺を見ている、と言うより硬直してるな。
それもそうか、俺は男でいたいと──言ってはないが、雰囲気で分かるのだろう。
そして千夏は、俺に抱いて、と言った。
それなのに、俺は千夏の提案を拒絶した。
これで驚くなというほうが無理な話か。

「な、なつく・・・・」
「ば、馬鹿か夏輝!折角千夏がその・・して・・って言ったのに!それを断るなんて!」

いつのまに硬直から解けたのか、千夏が何か言う前に、緋佳梨が俺に向けて怒号を飛ばす。
途中は小さくて聞き取れなかったが、どうやら怒っているようだ。

「何故お前がそんなに怒る、断ろうが何だろうが、俺の自由だ」
「ッ!確かに、断るのは自由だけれど、夏輝は男で居たいんでしょ!?」
「・・・ああ、俺は男で居たい。」
「だったら!何で千夏の申し出を断るんだよ!」


964 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 16:27:14.74 f6aBxmMM0

ああ、何だろ。
何だかもう、頭が冷めきってるよ。
さっきまでは混乱してたって言うのに何で、今起きている事が、他人事に感じられるんだろうか。

「お前にその理由を話し必要はないよ。」
「ッ!この!」

冷たく言い放す俺に、緋佳梨の腕が胸倉を思い切り掴む。
心なしか、胸倉を掴む腕が、震えているように見えた。

「・・・・・・・」
「答えろ夏輝!何で断るんだよ!」
「・・・・・」
「夏輝!」

さらに強く掴まれる。
そんなに理由が知りたいか。そんなに人の気持ちが知りたいか。
必死に理由を問う緋佳梨を見て、そんな怒りを感じていた。

「そんなに理由が知りたいのか、そんなに人の心を覗き見たいのか。」
「えっ?」
「何でそんなに人の心を知りたがるんだよ、あの事は自分だけが知っている、と優越感に浸りたいのか?」
「わ、私は別にそんな・・・・・」
「だったら何でそんなに必死なんだよ、お前と俺は赤の他人だろ?他人に自分の心を話すと思うか?」
「・・・・・・」

無言で胸倉を掴んでいる、緋佳梨の腕を振り払う。
そして踵を返し、逃げるように家へと走った。


965 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 16:28:39.69 f6aBxmMM0

文章がグチャグチャだな・・・。

「だだいま。」
「おかえり、夏輝。ん?どしたの暗い顔して。」
「・・・・別に」

義理の姉である月代 薫(つきしろ かおる)の質問に、曖昧な返事を返す。

「別にって・・・そんな事はないでしょうが、そんな顔して。」

どうやら心配してくれているらしい。
だけど。

「何でもないって」

今はそんな心配が居た堪れなくなって、姉さんの脇を通り抜け、階段を上がる。

「あ、ちょっと!夏輝!?」

後ろから姉さんの呼ぶ声が聞こえるが、そんなのは気にならなかった。
今はただ、一人になりたかった。


966 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 16:30:02.32 f6aBxmMM0

クソッ!」

自分の部屋に入るなり、鞄を投げつける。
鞄が窓に当たり、ガラスの窓に皹が入ったが、今は気にならない。
制服の上着だけ脱いで、ベットに転がる。

「はぁ・・・」

何をやってるんだろう、俺は。
別に緋佳梨は興味本位で聞いてきた訳でもないのに、あんな事を言ってしまって。
第一、俺は千夏が抱いてと言った時に、何を期待したんだ。
千夏は昔からの幼馴染。妹みたいなもの。
それに────を抱くなんて、馬鹿じゃないか。
千夏は俺にとって妹みたいなもので、俺は千夏にとって兄貴みたいなもの。

それ以下でも、それ以上でもない。昔からの関係。
ずっと変わらない、埋まる事のない溝。
ずっと変わる事のない、今の関係、日常。
それを崩したくはない、今のままで良い。

「・・・・寝よ。」

寝れば、少しは気分も晴れるだろう。
俺は目を瞑った。
やがて気だるい感覚が全身を襲う。
俺はその感覚に、身を任せ。
深い闇に、落ちていった。


967 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 16:33:42.33 f6aBxmMM0

「ん・・・・?」

物音に目が醒める。
もう既に日が落ち、夜になっているようだった。
そうか・・・結構、寝てたんだな。
ベットから上半身だけを起こし、うーんと伸びをする。

「ん?」

ふと、人の気配を感じた。
何だろ?と思い、気配がした方に視線を巡らせると。

「あ、起こしちゃった?」

姉さんが笑顔で俺を見ていた。

「ご飯出来たから呼びにきたんだけど、寝てたから。」
「あ・・・・」
「それにしてもどうしたの?窓に皹が入ってるけど・・・・って夏輝?」
「え?」

あまりにも突然の事だったので、少しばかり放心してしまった。
姉さんの方を改めて見ると、何やら心配そうな顔つき。

「どうしたのさ、姉さん」
「どうしたのはこっちの台詞だよ、夏輝・・・・・あんた、何で泣いてるの?」


969 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 16:35:47.51 f6aBxmMM0

「へ?」

言われて頬に手を添える。
確かに涙の跡があった。

「あれ?何で、だろ」

別に悲しくもないのに何で、涙なんか・・・。

「ふう、夏輝・・・。」
「!?」

そんな俺を見ていた姉さんが、いきなり俺を抱き寄せてくる。
いきなり過ぎて訳が分からない。

「ちょ!姉さん!?」
「いいから、黙ってジッとしてなさい。」

珍しく優しい声。
そんな声で言われては、どうする事もできず、大人しくジッとしていた。


970 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 16:37:22.48 f6aBxmMM0


こうしてジッとしていて、どれくらい経っただろうか、不意に姉が口を開く。

「あんたに何か知らないけど、私は何も聞かないから」
「・・・・・」
「だからせめてあんたを、こうして抱きしめてあげたいの、駄目かな?」
「駄目じゃあ・・・ないけど」

どうして?っと問いたい。
どうして、俺に何かあったのか分かるのかと。
そして、何でこんなにも暖かいのだろうと。

「考えてる事は大体分かるよ。あんたが帰ってきた時に、何か変だなって思ったからね。」

相変わらず鈍いね、っと笑われる。
そうかな、と思うけどそうかもしれないな。


971 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 16:39:36.38 f6aBxmMM0

「・・・・ご飯、居る?」
「ううん」

今は、食欲がなかった。
第一に、早く眠りたい。

「お風呂は?」
「今日は・・・いいや」
「あらあら」

再度、クスクスっと言う笑い。
なんだが、その会話が母親とその子供に思えて、凄く暖かかった。

「じゃあ、もう寝なさい。」
「・・・分かった。」

言われて、ベットに横になる。
そしてその上に毛布がかけられる。

「おやすみ。」
「お休み。」

言って、姉さんは部屋を出て行った。
俺は再度目を瞑り。
深い闇へと身を投じた。


972 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 16:40:36.92 f6aBxmMM0

チュンチュンチュン。

「ん。」

朝の陽射しに目が醒める。

「よいしょっと、んー」

ベットから起き上がり、伸びをする。
不意に、視界に皹が入ったガラスを収めた。

「・・・・どうしよ、ガラス。」

あの親父なら怒りはしないだろうが、色々理由を追求されそうな気がする。
面倒だけどまあいいか、と思い部屋を出ようとした時。

「ん?」

気のせいだろうか、声が少し高い気がする。

「・・・・・・」

少しの間思考する。

「・・・・・・」

まあ、いいか。
気にせず部屋出て、階段を下りる。


975 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 17:11:03.01 f6aBxmMM0

───畜生め、ああ舐めてたよ女体化を。

「おはよ夏輝く・・・・・」

朝からハイテンションな親父の声が、途中で止まる。
おまけに箸も、ポロリと地面に落ちる。

「どうした親父、俺の顔になんかついてるか?」
「いや、どうしたはお前の方だと思うぞ、夏輝。」

兄貴の浩介が、珍しく驚愕の面もちでこちらを見ている。
よく見ると姉さんも固まっている。

───軽く見てたよ、だからこうなったのさ。

「?どうしたよ、変だな皆。」

言いつつ、食卓について朝食にありつこうとすると。

「・・・・夏輝あんたまさか、気づいてない?」
「?何がさ」


976 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 17:12:10.82 f6aBxmMM0

姉さんにそんな事を言われ、自然と足が止まる。
今日は皆変だな、俺がどうかしたのだろうか。

「夏輝夏輝。」

何処からか取り出したのか、姉さんの手には手鏡が握られている。
───だから、ああなった。

「自分の顔、見てみ。」
「?」

首を傾げつつ、鏡を覗いてみると───

───だから。

「・・・・・・・」

───そこには、綺麗な顔立ちをした、女の子が映っていた。

「・・・・・」

一瞬の硬直、そして。

「なんじゃこりゃああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

早朝に鳴り響く、絶叫。

───あんな事に、なっちまったんだ。


979 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 17:19:22.29 f6aBxmMM0

保守ついでに登場人物晒してみようと思う。
追加設定してる所もあるけれど・・・。

月代 夏輝(つきしろ なつき)
高校一年
バイトをしている。
兄と義姉が居る。
月代家で唯一、まともな人物。家事もそことなくやっている。
少し女顔なのが悩みの種。
家では家族のボケの現実逃避担当。もしくは突っ込み。

朝倉 耀二(あさくら ようじ)
高校1年
主人公と同じクラスに転校してくる。

月代 浩介(つきしろ こうすけ)
高校三年
彼女が居る(周囲曰く「バカップル」とのこと)
夏輝の事を気に入っている。
天然ボケ担当。

月代 薫(つきしろ かおる)
高校三年
浩介と同じクラス。
人をからかうのが好きで、ある意味夏輝の天敵
浩介と同じで夏輝の事を気に入っている。
月代家の家事全般をやっている人で、家計簿もこの人がつけている。(夏輝曰く「似合わねえ」)
家ではボケと突っ込み両方に徹している。

980 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 17:21:16.86 f6aBxmMM0

父親
月代 清人(つきしろ きよひと)
ちょっと人格が壊れていたりする不思議人。
つーかはっちゃた人で主に家族のボケ役。
明るく暗さを見せない人で、家族を大切にしている。
仕事の内容は企業秘密らしい。
何気に知り合いが多い。

母親
月代 夏海(つきしろ なつみ)
五年前に脳梗塞で他界。
旧姓は「空菜」(そらな)。

七海 千夏(ななみ ちなつ)
夏輝の幼馴染。
夏輝の事を夏君と呼ぶ。
料理が得意。

速水 緋佳梨(はやみ ひかり)
晃の妹。
バレンタインデーに後輩の女子からチョコを貰うタイプ。
主に晃の突っ込み役。

速水 晃(はやみ ひかる)
何処がボケボケしている夏輝の友人。
双子の妹の緋佳梨とは中が良い兄妹。
優しいが怒ると怖い人。


982 名前:夏輝(74)の人 本日のレス 投稿日:2006/09/22(金) 17:23:55.84 f6aBxmMM0

里島 竜太(さとじま りゅうた)
唯の馬鹿、けど成績は良い。
されど馬鹿、だけど馬鹿。
だが、結構頼りになる良い奴。人の心を読むのが巧い。
従姉に和服が普段着な人が居るとか居ないとか。

神成 龍司(かんなり りゅうじ)
色々な所で夏輝と出会う、変な人物。
結構な美男子だが、素性が知れない。

夏輝達の教師
月詠 真(つくよみ まこと)
優しくて明るい、けど黒い所もある二面性な人。
性格は清人と共通点が多い。
そっちの気があり、隙在らばと夏輝を狙っている。
拳法とか習ってて結構強い。

夏輝のバイト先の店長。
有人 瀬流彦(ゆうじん せるひこ)
乱暴な所もあるけれど、基本的に面倒見が良い善人。
だが、ムカツク相手には容赦がない。
喫煙しているが、別にヘビースモーカーと言う訳でもなく、何となく吸っているとの事。
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