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あさき 90 70の中の人」(2006/10/21 (土) 13:22:39) の最新版変更点

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*** 90 名前:70の中の人 投稿日:2006/09/05(火) 14:14:34.01 diOvdz540 殴り飛ばす音一つ。殴り飛ばされる音一つ。俺の目の前に、倒れる男が一人。 浅城「終わりか。」 男「チッ・・。てめぇ!」 だが、立ち上がる瞬間に、もう一度、足でそいつの腹を蹴り飛ばした。それで終わりだ。 見下すようにして、相手を見下ろす。 男2「ま、待て!浅城!」 声がした。そういえば、もう一人。仲間らしき奴がいるらしいが、そんな事を知る由も無いし、興味も無い。 ただ、睨みつけるだけで終了だ。相手は竦みあがって、動けなくなるはず。 あぁ、それでももし、立ち向かってくるのなら。 ─鈍い音。 男2「ぐぁっ・・・」 そいつの顔面を思い切り、殴り飛ばした。 浅城「こうなるだけだ。」 俺の名前は、「明日葉 浅城」(あしたば あさき)。 学生だ。年齢は15歳。 後、─不良。 先ほども喧嘩を吹っかけてきた奴を殴り飛ばした。 この地域では結構、強い方だと思われている。実際に、勝てた回数の方が負けた回数より大きい。 家族構成は、父、母、妹で俺を含めて四人家族だ。最も家なんかに殆ど帰らないが・・・。 浅城「ん?」 ボーっと歩いていれば、懐が震えている。どうやら、携帯電話が原因のようだ。俺は、携帯電話を取り出せば、その画面を見た。 画面の名前は知り合い。いや、友人の一人。友人といえるほど親しいかはわからないが。 *** 91 名前:70の中の人 投稿日:2006/09/05(火) 14:15:27.95 diOvdz540 浅城「誰だ?」 友人A「浅城さん!大丈夫ですか!?」 いきなり、何を大丈夫といわれても何の事かさっぱりだ。 浅城「何がだ?」 友人A「え?あぁ、路地裏で数人に囲まれてたって・・・」 あぁ、そのことか。その事なら、ついさっき終わったばかりだ。 だから、在るがままに言葉を告げる。 浅城「終わった。」 友人A「え?!終わっ・・・・」 ─プツッ 言い終われば電話を切った。相手が何を言いたかったのかわからないが、言う前に切ってしまったのでもう関係ない。 まぁ、興味も無いが。 こんな俺だが、今、重大な人生の機転を迎えようとしている。一般の男子から言わせればの話だがな。 それは、16歳の誕生日が明後日である事、 ─俺が童貞であるという事だ。 どうやら、最近、TS症候群というのがあるらしい。詳しくは知らないが、16歳までに、童貞を捨てないと、 自分の体が女体化してしまうって言う馬鹿げた症状らしい。 浅城「女体化ねぇ・・。」 正直、俺は男であろうと女であろうと気にもしない。あまり、人間関係というものにも興味がなかったから、友達も少ないわけで、 自分の体がどちらであろうと、俺自身は、きっと変わらないだろうと思っていた。 実の事を言えば、俺は、男という今までの体から、女に変わる事なんて、心の底では信じていなかったのだ。 それに、本当に成るかどうかは、明後日に分かる。 浅城「帰って寝るか。」 俺はこの時、あまり気にはしていなかった。自分の体が本当に女になる事なんて、全く気になっていなかったからだ。 *** 394 名前:91の不良 投稿日:2006/09/06(水) 02:41:01.25 kNCCgAom0 投下します。 ─帰宅。家に帰ってきた。今日は帰る気になったからだ。家のドアを空ける。 浅城「─ただいま」 無言で入ろうとしたのだが、なぜか、声に出てしまった。 正直、会話するつもりなどない。だが、目の前に居る人物を見れば、そうは言っていられない。 尊「あ、兄貴─?」 浅城「・・・あぁ、御前の兄貴だ」 何故、こんな台詞が第一声なのかはわからないが、まぁ、別に何を言おうと俺の勝手だ。 ちなみに、目の前にいるのは「明日葉 尊(あしたば みこと)」。血の繋がった妹だ。 尊「昨日ぶり─?」 浅城「そうだったか?」 何時帰ってこようが、俺の勝手だと思う。そう思いながら、妹を見下ろした。 妹は俺より身長が低い。別に低いから何だと言ってしまえば終わりだが・・。 尊「そういえばさ」 浅城「あ?」 妹との会話も、面倒くさくなってきたので早く切り上げようとしたら、妹は俺に対して、変な事を聞き出した。 尊「兄貴って童貞?」 何故、今聞くのか。それを考えてみる。多分、思い当たるふちは一つだけだ。 ──そういえば、誕生日近いんだっけか。 *** 395 名前:91の不良 投稿日:2006/09/06(水) 02:43:33.06 kNCCgAom0 浅城「あぁ」 俺はあっけなく答えた。隠す必要も無い。 尊「え?!あ、そうなんだ」 妹が驚いている。 俺は女と付き合っているようにでも見えたのだろうか? 浅城「別に付き合ってるやつなんか居ないからな」 尊「え?!居ないの!?」 俺と付き合おうと思う奴なんているのだろうか。いや、俺自身が付き合おうという気が無い。 実際、女子と話すことも無い。男子ですらあまり話さないんだから、それも当たり前だ。 尊「あのさ。兄貴って・・。誕生日、近いよね?」 浅城「まぁな」 尊「このままだと、やっぱり、女になっちゃうのかな?」 浅城「さぁな」 うちの家族は、女体化に対して、あまり意識が無いのだろうか。家族も心配するような事は無いと思う。 目の前にいる妹の視線も、少しだけ興味津々のように見える。 それに、実際にクラスメイトでも女になった奴はいるらしいが、俺にとって、そんな事は─。 浅城「どうでもいい。俺は寝るぞ」 尊「え?!あ、うん。でも寝る前に、えっと、お父さんに会わなくていいの?」 浅城「親父?別にいいだろ」 *** 396 名前:91の不良 投稿日:2006/09/06(水) 02:46:09.08 kNCCgAom0 俺の親父は、俺のことを好ましく思っているのか思っていないのかすら、わからない人間だ。 昔から、俺にも尊にも干渉しなかった奴だ。仕事も何をしているのか。俺は知らない。 俺は、尊と会話を終わらせれば、自分の部屋に入る。家族に結局、挨拶はしなかった。 部屋に入っても、電気をつける事はしなかった。部屋の手取りは、窓からの少しの光で、大体、把握できる。 やることも無いので、寝巻きに着替えて、ベットの上に寝転がった。 誕生日が近い。それと同時に俺の体は女になる。 実際、女になったところで、何が変わるのだろうか。おれ自身、男という事に関して何も思っていないので、 女になったところで同じだろうと。今はただ、そう、思っていた。 そんな事を考えながら、俺は目を閉じた。眠りはもうすぐだ。

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