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*** 11 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 投稿日:2006/10/01(日) 22:33:32.76 FQN8XmUt0 『 女体化生徒の日常 ~柚樹編~ 』  [1]  教室の一番後ろの窓際、そこが俺の席になっている。 そしてココは俺のお気に入りの場所の一つでもある。 空を眺められるし、今の時期は暖かくてとても居心地が良い。 ぼ~っと空を眺めている俺に先公の声なんて届いてるわけがない。 いや届いてはいるんだけど、片耳から入って片耳から抜けていってる。 届いているんだけど……ねぇ、ようするに全然聞いていないってことだ。 左手でペン回しながら、頬杖を突いて窓の外を眺める。最高。 どうでもいいことだがペン回し体得すると結構ハマるよな? 「ゆず、おいゆず…!」 人が折角良い気持ちになっていたところを、偶然隣の席に座っていた親友が肘で小突いてきた。 俺は振り向かずに返事をしてみる。 「何だよ、俺の至福の一時を邪魔するな」 「先生が……え、あ…おkわかった、俺はもう何も言わない」 お、諦めがいいな。 そんなことを思いながら、俺は気を取り直しまた窓の外を眺め―― ――スパァンッ! 「いっつ…!! 誰だこの俺に教科書で叩………こほん、先生何が御用ですか?」 いつの間に俺の前に立ちはだかっていたのか巨乳先生こと桜庭 仁美先生に用件を聞く。 目の前に来るとこれまた物凄い迫力だぞ。皆も体験出来る機会があるなら、その機を逃すな。 (注:中の人にそんな機会はなかったし、おそらくこれからもないと思う) *** 12 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 投稿日:2006/10/01(日) 22:36:15.72 FQN8XmUt0 過疎ってるっぽいから 保守のために、速度は遅めでいきますよ >>11 「 お 前 打 ち 殺 す ぞ 。 な~にが至福の一時だこのドアホッ!!1」 そういって桜庭先生は現国の教科書を振り上げ、思いっきり振り下ろした。 ――ゴッ! しかし俺は避ける。 いやだってよ、教科書の角だよ角。痛いなんてもんじゃないって。 一回やられてる俺が言うんだから間違いない。やられなくてもわかると思うけどね。 窓を背にして俺は心の中で叫ぶ、――…くそっ、俺が何をしたってんだ! 「お前、私の授業がそんなにつまらないのか?」 「すみませんごめんなさい俺が悪かったです許してくださいそしてどうかその振り上げた教科書をゆっくり下ろしていただきたい」 第一波は直撃、第二波は避けられたが、流石に二発も喰らう事になると死ぬかも。 身の危険を察知した俺はとにかく謝罪の言葉を述べる。その間約二秒。 でも先生は身動き一つしないまま、俺を睨み続けている。…流石に怖いな。 「お前、今度やったらタダじゃ済まないからな」 「どうなるんでしょうか」 「聞きたいか?」 「……遠慮しておきます」 先を聞くのが怖かったから、それ以上は何も聞かないことにする。 とりあえず先生が教壇のほうへ戻ってくれて、俺は一安心だ。 「お疲れさん」 と、親友から労いの言葉が掛けられた。 うん……あれだね、親友の言うことはキチンと聞いたほうがいいよな。 *** 15 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 投稿日:2006/10/01(日) 22:40:10.21 FQN8XmUt0 >>12  [2]  俺の名前は西園寺 柚樹-サイオンジ ユズキ-。 VIP高校に通う高校二年生。年齢は明日で17歳を迎えようとしている16歳。 趣味は2ch。いろんな意味で終わっている俺。 彼女いない暦=年齢、顔は並、頭の中身は下の中、身体能力はちょっとだけ自信あるな。 「よう、パン買いにいかねぇの?」 こいつは俺の親友、高杉 太一-タカスギ タイチ-。 同じクラスで高校二年、こいつも近いうちに17歳になろうとしてる16歳。 身長高め、成績優秀、スポーツそこそこで微妙にイケメン。 中学の頃に一度彼女が出来たけど、あまり続かないまま終わってしまったらしい。 まぁ厨房なんてそんなもんだろうと思ってる俺はおかしいか? 「あ、今日は俺弁当だから」 「なに? 貴様この俺を差し置いて弁当だとぉ!?(ピキピキ)」 「兄貴、落ち着いてくだせぇ!」 とりあえず兄貴、いや太一を宥める。 今購買部に行ったところでもう手遅れだ、あそこは今戦場と化しているだろう。 あんな人ごみの中掻き分けてパンにありつけるわけが無い。そんなわけで… 「分けてやるよ」 「おう、持つべきものは親友だな」 とりあえず弁当箱の蓋に飯半分、おかず半分を乗せて太一に渡してやる。って箸がねえじゃねえか。 どうするか考えていると、太一は筆箱を取り出して鉛筆を二本とりだした。 「お前、まさか」 「大丈夫だ、芯とは反対側の部分使うから。それともお前はこれを手づかみで食えと?」 鉛筆を箸を持つようにして、おかずを取る。まぁ手掴みよりは、いいか? …いいよな?? *** 16 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 投稿日:2006/10/01(日) 22:45:26.91 FQN8XmUt0 >>15 「ところでゆず、お前明日が誕生日なんだろ。そろそろ例のアレが来るんじゃないのか?」 「ん、ああ。女になったらなったで別にいいんじゃね?俺は女にモテるわけでもないし、別に構わねぇよ」 いつから始まったかは判らない、女性化症候群。TS症候群とも呼ばれている。 小・中学で習うんだけど、17歳までに性交を済ませていなければ女体化するっていう病気がある。 少子化がどうのこうのとか、子孫を多く残すためとかなんとか言われてたけど、よく覚えてない。 病気とは違うかな? なんつーか人類も進化してるのかねぇ。 そんなことよりも、俺も気になる事が一つ。 「お前こそ、あと二週間しないうちに誕生日だろ。どうすんだ?」 「さてね、俺も相手いないからなぁ。いっそ二人で女体化しちまうかwww」 俺の両親はこれについてはうるさくいったりはしない。 自分のことなんだから自分で決めろ、と父の充が言っていたな。 太一の両親も似たようなもんだ。 まぁ、女になって困ることもないし……太一が言うように二人で女になって、二人で馬鹿やるのもいいかもな。 「ごちそうさん」 太一はご飯粒のついたちょっとベタベタした鉛筆をおいて、手を合わせる。 全く礼儀正しい奴。……普段はやらないけどな。 「やっぱ分けると量少ないな~。ま、晩飯までは持つか?」 太一から蓋を返してもらいながら呟く。 そんな俺を見て、太一はニヤリと変な笑みを浮かべて… 「今度からは量を多めに作ってくださいと、お前の母さんに頼んで欲しいけど」 「何様のつもりだ太一。ぶっ飛ばすぞ」 ――キーンコーンカーンコーン 「さて、残りの授業も頑張るか」 「お前ほとんどの授業聞いてないくせに」 *** 18 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 投稿日:2006/10/01(日) 22:48:58.49 FQN8XmUt0 >>16  [3] 「まさか、告白か?」  ――放課後。 太一が女子生徒に呼び出されてから30分が経過していた。 授業が終わり、さて帰ろうというところで一年生の女子生徒が俺たちを呼び止めた。 んで、太一に用があるとのことで……俺は教室で一人待っているわけだが…。 気になる……激しく気になる。 あいつらどこ行ったかな? ちょっと覗いてみるか…… というわけで俺は鞄を持って立ち上がり、教室を出る。 ――ドンっ! 「いっ!……って、太一か。用は終わったのか?」 「おぉ、お前まさか俺置いて帰るつもりだったのか!?」 「いんや、その逆。気になるからお前のところ行こうとしてただけだ。で、告白か? 告白だったのか!?」 俺は太一の胸倉を掴み問い詰める。何故だか知らんが腹が立つぜ。 いや、まぁ確かに格好いいからなコイツ。嫉妬なんてかっこわるいとは思うけど、やっぱりむかつく。 「ご名答。ま、断ったけどな。」 「何で?」 「話したことも無い女子とは付き合えないからなぁ、俺の場合」 う~ん、確かに。全然知らない子だったな。 しかしなかなか可愛いかったと思うがなぁ。勿体無い。 「ほれ、帰るぞ」 「へ~い」 俺達は教室を出た。 *** 19 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 投稿日:2006/10/01(日) 22:51:38.65 FQN8XmUt0 >>18 「――でさぁ、まぁ付き合うのは断ったけど。とりあえず友達から初めてだな――」 「――つまりある程度仲良くなってある程度どういう子か判ってから――」 「――…うん、まぁそういうことだな」 帰路につく俺達は先程の告白のことについて話していた。 つまりこいつがいいたいのは、話したこともないどういう人間かもわからないやつと付き合う気はない、と。 そういうことだろう。 付き合ってから色々知ればいいじゃないか、と思うやつもいるだろうけど……。 でも、全然知らなさ過ぎるからな。 「と、じゃあな太一。また明日な~」 「お~う。楽しみに待ってるぞ~」 T字路に差し掛かったところで、俺達は判れた。 さて、さっさと帰ろう。昼飯少なかったからもう腹減ってきやがった。 そのせいかさっきから妙にフラつく。ちょっとヤバイ……かな? 「ただいま~」 「おかえり~」 フラつきながらも俺は何とか家にたどり着き玄関ドアを開けた。 ただいま、というと奥のほうから母さんの声が返ってくる。 晩飯を作ってるみたいだ。良い匂いがココまで届いてきた。 でも…さっきまでかなり腹減ってたのに今は全然だ。むしろお腹一杯で飯は入りそうに無い。 *** 22 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 投稿日:2006/10/01(日) 22:54:14.61 FQN8XmUt0 >>19 「う~ん、どうしたんだ」 風邪とも違うこの変な症状。 少し思考を巡らせてみるが答えはすぐに見つかった。 女体化の兆候が出ているのかもしれない。 俺は靴を脱ぎ、足元をふらつかせながらも階段を上っていく。 危ないからもちろん手すりを掴みながらだ。 「母さ~ん、俺今日は晩飯いいわ~。食欲が無~い」 「あらあら大丈夫なの~?」 「多分アレのせいだと思うから大丈夫だと思うけどね、今日はもう寝る~」 階段から少し大きな声を出して、母にそう伝える。 わかったー、という母の言葉を確認すると、俺は再び階段を上がっていく。 それにしても、ちょっとしんどいな……。 これで階段から落ちたらシャレになんねぇよな。 などと考えながらも、俺は何とか階段を上りきった。 自分の部屋のドアを開け、何とかベッドまでたどり着く。 「うぁ~、だっり~。もうダメ…死ぬ~」 なんて本当に死んだら嫌だけどな。 さて、食欲は無し。異様な身体のだるさ、そして身体の感覚も麻痺してきてる。 頭もぼ~っとしてきて、なんだろ……急に眠気が………… まだ着替…て………な……………に。まだ、早い……だ…………………… *** 24 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 投稿日:2006/10/01(日) 22:57:39.94 FQN8XmUt0 >>22  [4] 「……ん、うぇ?」  俺が次に目覚めたのは次の日の朝だった。 外を見ると青空が広がり、時々数人のガキの声も聞こえてくる。 どうやら俺はあのまま眠ってしまったらしい。 制服を着たまま、鞄をベッドに放ったまま。やっべ宿題してねぇよ…… いやいやそんなことより… 「あ~あ~。……声高くなってる。つーか俺の声じゃねぇw」 ちょっと吹き出してしまう。だってこれ、もう完璧に女のこえじゃねぇか。 ついに俺もなってしまったみたいで、そうだ…顔確認してない。 俺はベッドから立ち上がり、机の引き出しを漁る。 「と、確かこのへんに……あったあった。どれどれ~?」 俺は鏡を覗き込んだ。 「……」 …絶句。 女体化したものは例外なく美人になる、とは聞いていたけど。これは予想以上だ。 元々短かった髪の毛は肩の辺りまで伸びてしまってて、ちょっと猫っ毛。 微妙に茶色が掛かってて、黒髪ではない。 目はぱっちりしていて二重瞼になり、少したれ目になっている。 とにかく自分で言うのもなんだが端整な顔立ちをしてて、はっきりいって可愛い。 自分見て顔赤くしてる俺キモイけど、鏡の向こうの女の子は可愛い。 うわ俺やっぱキモイ……。いや落ち着け俺。 机に置いた時計に目を向けると、時間はもうすぐ8時。 *** 26 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 投稿日:2006/10/01(日) 23:00:32.81 FQN8XmUt0 >>25 「制服は男子用だけど仕方ないよな。と、飯だ飯~」 俺は鞄を持って自分の部屋を出る。 途中兄貴と姉貴に出くわしたけど、まぁ同じ屋根の下で暮らしているからな。 二人は俺のあまりの変わり様に驚いていたみたいで、口をぽかーんとアホみたいに開けている。 「ふふん、どうだ兄貴、姉貴!」 「ふふん、私に似てなかなかの美人じゃないの。あとその喋り方なんとかなさい」 え、誰に似て美人だって? いやでも、姉貴は確かにモテるみたいだし。腰まであるロングヘアーがきれい。 しかしほんとうにさらさらしてそうだよなぁ。…さらさらしてるのか。 で、喋り方? 「あらわたくしとしたことが、失礼。このような口調はいかがかしら?」 「誰だよお前ww」 と、兄貴が笑いながら一言。姉貴はあきれてる。 だめか。うん、まぁ本当にこんな喋り方するわけないだろうに。では… *** 28 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 投稿日:2006/10/01(日) 23:01:58.35 FQN8XmUt0 >>26 「べ、別にお姉ちゃんに言われたから口調変えるんじゃないんだからね! その辺勘違いしないでよね!」 「馬鹿。」 姉貴の冷たい一言にグサリと来たけど、やめるつもりはない。 兄貴にいたっては腹を抱えて廊下を転げまわっていた。 じゃあ次は… 「ボクっ娘っていうのはどうかな、姉さん。」 「あ、あのねぇ…」 「もう、文句ばっかり。ボクのこと嫌いなの?」 兄貴は壊れかけていた。姉貴は深い溜息をついた。 次は何にしようかなぁ? 「じゃあ素直ヒート? アホの子クールがいい? ふふん♪」 「アホwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 「ところでアンタ、まさか学校行くつもり?」 「そのつもり。休む必要もないだろ、俺は学校いくよ?」 「ふぅん、落ち込んではなさそうね。ま…行くなら行くで別にいいけどね」 って、遊んでる場合じゃないだろ。時間がどんどん過ぎていく。 *** 33 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 投稿日:2006/10/01(日) 23:04:43.75 FQN8XmUt0 >>28 [5]  ――ガラガラ 「おはよ~」 教室の戸を開けて、教室を見渡す。 太一のやつはまだ来てないみたいだな。 ちょっと早く来すぎたか…? 教室にいるのはほんの六人程度だ。 とりあえず俺は自分の席につき、いつものように窓の外を眺める。 眺めるといえば俺は雨の日でもこんな感じだ。雨…というのもまた良い感じなのだ。 それにしても、さっきから視線を感じるなぁ… 「…ん?」 チラリと教室のほうを見ると、男子がチラチラとこっちを見てくる。 やれやれ……まぁ確かに、俺自身ここまで劇的に変わるとは思っても見なかったからなぁ。 ん、暇だしちょっとからかってやろうかな? 俺はとりあえず視線を教室内に泳がせる。そして一人の男子生徒と目が合った。 …少し手を振りながら、 「ふふ…♪(にっこり)」 「(///////////)」 やさしく微笑みかけてやると、そいつの顔は一気に赤くなって 慌てて視線を外して身体の向きを黒板のほうへ戻して俯く。 ふふふ、これはなかなか面白いな。 くすくすと笑っていると教室の戸が開かれる。 *** 221 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 本日のレス 投稿日:2006/10/02(月) 21:50:18.06 8Femk2wA0 >>219 あんたは汚れてる。汚れてるよっ! で、どういう内容だったかkwsk >>33続き 「お~す」 入ってきたのは太一だ。 さて、やつの反応はどんなものかな? とりあえず俺は声を掛けてみる。 「いよう、おはようさん」 「お…ゆず、今日は早……い………」 俺の姿を確認すると、奴は固まった。 「え、お前……すげぇな…」 「ふふん、自分でもびっくりした」 太一は俺の隣の席に腰掛ける。 結構ビックリしているようで、太一は俺から視線を外そうとはしない。 「お、おい……あんまり見るな、恥ずかしいだろ」 「う~ん……。胸、なかなか大きいな」 太一がそういうと男子生徒達が一斉にこちらを振り向く。 いや…お前ら。…まぁ俺が男だったら多分そんな行動をとるかもしれないけどね。 って、それより… *** 222 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 本日のレス 投稿日:2006/10/02(月) 21:52:57.51 8Femk2wA0 >>220 むしろほとんどがエロだったような >>221 続き 「揉むなよ」 「おうスマン」 姉貴にサラシを巻いてもらったけど…。 苦しい。カッターシャツのせいで余計に苦しい。 その時に自分の胸を確認してみたけど、そこらの女子より結構大きかったんじゃないかな。 って、それより… 「揉むなっつーに」 「おうスマン」 そういって手を離し、ピンと胸…というか乳房の中心部を指ではじく。 「んあっ!……ばか、なにやってんだよ(///)」 「ぷはは…!」 男子生徒達はいつのまにか向きを直し、前かがみになっていた。 ……元男の俺で勃たせてるんじゃねぇ。 といっても、もう身体は完全に女のものだからな。幾ら元男といっても、作りはそこらの女と同じ。 ガタッと男子生徒達は一斉に立ち上がり、「トイレ!」といって一斉に出て行った。 HRが間近、女子生徒が話しているがたまたま耳に入ったが… 男子トイレから異様な臭いが漂ってきたとか。男子がず~っとそこにたむろしていたとか。 一体どんな状況だよ…… さて、今日も一日頑張るか。 *** 224 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 本日のレス 投稿日:2006/10/02(月) 21:55:16.86 8Femk2wA0 >>222  [6]  昼休み。 俺はぐったりしていた。 授業のせいじゃないんだ。先生も関係ないんだ。 ただ男子生徒。クラスメートに限らず他クラスからもやってくる奴ら。 休み時間毎に俺に言い寄ってくるのはやめて欲しい。疲れる…ってか、男と付き合うつもりはない。 まぁあっちもそういう目的じゃなくて身体目当てなんだろうけどな。 わからなくはない。が、俺は男とヤるなんてまっぴらごめんだね。 そんな俺を見てニヤニヤしてくる太一がむかつく。 「はぁ…」 俺は何度目になるかもわからない溜息を吐く。 机に置いていた二個目の焼きそばパンを手に取り、口に運ぶ。 で、その太一のやつは今頃は戦場にいるだろう。俺は早めに購買部に行っていたからな。 何とかなったんだけど。 「あの、西園寺さんはおられますか?」 と、廊下から女子生徒の声。俺をご指名ですか……。 俺は顔を上げ、彼女のほうを見た。 あれ…この子確か昨日の…。 *** 225 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 本日のレス 投稿日:2006/10/02(月) 21:56:55.69 8Femk2wA0 >>224 「西園寺は俺だけど、何か用?」 「え? あの、もう一人西園寺さんっていませんか?男のほうの」 「いや、だから俺なんだけどな…」 「ふぇ?」 ちょっと混乱してるようだなぁ。 俺が軽く事情を説明してやると、女子生徒は納得してくれた。 ……うん、理解してくれたのはうれしい。……けどその、納得の仕方が……いや、いいや。 にしても、俺に一体なんのようなんだ? 「時間を頂けますか?」 「うん? まぁいいけど」 俺は女子生徒に連れられて、体育館裏にきた。 …人気がないなぁ。大事な話か?? 「あの…」 「うん」 「高杉さんとはどういった関係なのでしょうか」 …この子、他の女子と比べて丁寧な喋り方をするな。 関係ね…、友達以上恋人未満? 俺は親友だと思っているけどな。 「幼馴染。腐れ縁。親友。」 と、単語を並べてみる。 あいつとは小学校の頃からのつきあいだ。 なかなか良い奴だな~、これがあいつの第一印象。 それから中学も同じで、高校も同じになって今度はクラスまで一緒になって。 その時は笑っちまったけどな。 まぁ一緒にいて楽しい奴ではあるし、退屈しないから別にいいんだけどね。 *** 227 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 本日のレス 投稿日:2006/10/02(月) 21:58:50.63 8Femk2wA0 >>225 「恋人ではないんですね」 「!?……おいおい、そりゃねぇよ。昨日まで男だったし異性としては見れないな。恋人なんて…、て何でこんなことを?」 「初めはこんなこと聞くつもりはなかったんですけど、女性になったと聞いて気になってしまって」 「はは、大丈夫だって。で…本題は?」 「高杉さんのことについて聞きたいことg」 「それは断る」 彼女の言葉を俺は遮った。 「え?」 「あいつに友達からって言われたんだろ? なら、友達らしくあいつから色々聞けよ」 「で、でも…」 「昼飯まだなんだろ、三人で食わねぇか?」 「いいんですか?」 「いいんだよ~、さ…行こう」 「はい」 と、俺は歩き出そうとしてまた足を止める。 「名前なんていうの?」 「沢村 流衣-サワムラ ルイ-です」 「おk、じゃあこれからよろしくね。沢村さん!」 *** 228 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 本日のレス 投稿日:2006/10/02(月) 22:01:10.52 8Femk2wA0 >>227 [7] 「お、どこ行ってたんだ。あれ、流衣ちゃん?」 「一緒に食おうって誘ったんだ、いいよな?」 「もちろん」 俺と太一の席をくっつけ、俺の席に沢村さんを座らせる。 俺は適当に椅子をもってきてそれに腰掛けた。 「お前またカレーパンか?」 「…? いつもカレーパンなんですか?」 「おう、カレーは俺の大好物だ。中辛が良い」 「へぇ~」 うむ、良い感じだな。と、俺も焼きそばパン食いかけだったんだ。 半分残ったパンを頬張ってから、俺は牛乳でそれを流し込む。 「豪快な食べっぷりですね」 くすくすと俺のほうをみて笑う沢村さん。 確かに…と言って、太一もそんな俺をみてニヤニヤしている。 元男なんだからしょうがないだろう。って…これから女として生きていかなきゃならないんだよな。 「でもお二人ともパンばかりじゃダメですよ。明日は私が弁当作って持ってきます」 「マジで!? いぃやっほおおおぉぉう!!」 「落ち着けゆず、でもいいの?」 「はい、だからお二人が好きなものとか教えていただければ…」 お、なかなかいい方向に持っていったなぁこの子。 女の子が作った弁当を食えるとは。あ、でも今俺もう女じゃん。 男の頃だったら嬉しさも倍なんだけどな~。あとちょっと誕生日が遅かったらよかったのに。 *** 229 名前:112 ◆nSAPBcqQQw 本日のレス 投稿日:2006/10/02(月) 22:03:56.11 8Femk2wA0 >>228 「ゆず?」 「ん、あぁごめん。何?」 「ですから、西園寺さんが好きな食べ物は何ですか?」 「俺か? 俺はね~――」 この昼休みで一気に仲良くなった沢村 流衣さん。 なかなかいい子みたいだし、しばらくしたらこの二人付き合うのかもな。 腹黒女ってのは実はわかりやすかったりするけど、この子はそういう女でもないみたいだ。 ま、安心だろ。…でも早くしないと太一の奴も女体化してしまうぞ。 ――昼飯が終わったあとも、昼休みが終わるまで楽しく会話した。 「それでは」 「うん、良かったら放課後もきなよ。三人で帰ろうぜ~」 「はい!」 太一がそういうと、彼女は嬉しそうに返事をして教室を出て行った。好感度アップしたかな? それより、わざわざ三人でって…。二人で帰ったほうがいいんじゃないのか? 「ところで、お前いつの間に流衣ちゃんと仲良くなったんだ?」 「お前が戦場へ赴いているときにちょっとな」 ふぅん、とそれ以上は何も言ってこなかった。 放課後か。そういえば、服とか下着何とかしないといけないから、適当にどっか寄ってみようかな。 「あ、あのっ!!」 俺たちが振り向くと、そこに見知らぬ男子生徒が一人。 背丈は高すぎず低すぎず、まぁ平均的な身長だ。 顔は美形。カッコイイというよりは可愛い部類に入るのかもしれない。 「だが断る」 「まだ何も言ってないよ!?」 俺は男子生徒を一蹴した。

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