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*** 390 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/24(佐賀県警察) 23:12:10.46 XE+pu4K40 じゃぁまぁぼちぼちと。 ==== 今日から2学期だ。 9月になったが今年はまだまだ暑い。 俺は学校が終わると一目散に部室へ逃げ込んだ。 「はー、ここは涼しくてやっぱいいわ」 部室というのは情報処理実習室のこと。 俺は電算部所属なので部活と称して冷房完備のこの部屋へいつでも入ることができる。 一息ついたところでおもむろにPCに向かい、Janeを立ち上げる。 「えーっと、今日のニュー速はーっと…」 俺はスレ一覧をぱらぱら流し読み。 「あんまり面白いのねーな。ちょっとニュースブログ見てみるか」 というわけでJaneは早々にほっぽりSleipnirに切り換える。 と、いったところで突然、実習室の戸が開いて男が1人入ってきた。 「お、水原ーいたいた」 男は俺の隣の席から椅子を引っ張ってきて、俺のすぐ横にポジショニングしてきた。 「なんだよ波多野ー」 「いーや暑くってさー、ここなら水原いるだろうと思ってな」 「なんだよ、クーラー目当てかよ」 「そうとも言うな。まぁいいじゃないか」 「俺の財布は傷まないから別に良いけどな」 *** 391 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/24(佐賀県警察) 23:19:39.54 XE+pu4K40 >>390 ==== 「で、水原君はあいかわらずにちゃんでございますか」 「あーにちゃんはさっき見た。今は別のとこ」 「そうか。なんか面白いもんあった?」 「うにゃ、別にねーな」 会話が途切れた。 まぁいつも俺と波多野はこんな感じだから、話が途切れたって別に気まずくもならないわけだが。 「ときに波多野、おまえテニス部は行かなくていいのか?」 「このくそ暑いときにコートなんぞに立っていられるかっての。熱中症になったらどうすんだよ」 「それもそーか。だがサボりすぎると首になるぞ」 「首にならない程度にはやってるさ。それに幽霊部員がわんさかいるからな、首切られるならそれの後だ」 なるほど一理ある。 波多野はサボり魔だが、テニスの腕前だけは一流だ。 夏休み前も生意気だからとテニス部の先輩に決闘試合をさせられていたが、逆にストレート勝ちしていたほどだ。 たぶん今のテニス部で適う人間はそう多くないだろう。 「なあなあ水原、エロいのない?エロいの」 「おまえまたそれかよー。好っきだなー」 「悪かったな。で、今日はないのか?」 「ああ、ちょっと待て、今串用意すっから。おまえはそっちの端末点けといてくれな」 「らじゃ」 さすがに学校の端末は逐一ログが取られているので直接エロいとこに行くとえらいことになる。 去年もそれで停学者が出たと姉貴に聞いていた。 *** 403 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/24(佐賀県警察) 23:39:23.62 XE+pu4K40 >>391 ==== 俺は自宅サーバに向けトンネルを掘ると、さらにプロクシを当てて通信路を確保した。 そして波多野の座っている端末に仕掛けを施して、晴れて開通するのだ。 「おまえこういう事だけは長けてるよな」 「そのおかげでエロ見れてんだから感謝すれ」 「へへえ、水原大明神様。おありがとうごぜえます」 言うが早いか波多野は画面を凝視し始めた。 2人無言のままそれぞれが画面を睨む時間が過ぎていった。 波多野が画面を睨みつつ言った。 「そういえば、5組の奴で女体化したのがいるってな」 「ほほう。だれだろ?」 「高原って奴。陸上部だった」 「知らん奴だな」 「8月あたまが誕生日だったらしい。で、夏休み中に変化して、今日登校してきて発覚したと」 「ふむ。まぁ女体化も珍しくはないしなー」 「それもそうだな。早い奴は4月から起こってるものな」 実際のところ4月から一人、二人と例の現象が起きてる。 この女体化という現象がいつからあるのかは知らないが、特に珍しい現象じゃない。 要は15のうちに童貞を捨てればいいだけのことだから、公営施設を利用すればいいだけなのだ、が… 事が事だけに大人が思ってるほど簡単には行かない。 15の少年にもいっちょ前に考えるところはあるのだ。 *** 406 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/24(佐賀県警察) 23:55:38.58 XE+pu4K40 >>403 ==== 「ところで水原、おまえの誕生日いつだっけ?」 「え、俺は10月7日だが」 波多野がこちらに向き直る。 「うへ、もうあと1ヶ月じゃんよ。おまえ、もう済ませたのか?」 「え、あー、まだだな」 「おーいおいおい、ダメじゃんよ。おまえ女になる気か?」 「いや、そう言うつもりはないけどな…。なんというか、な…」 俺は答えに窮してしまった。 はっきり言って、今波多野に指摘されるまで誕生日のことを忘れていたという方が正しい。 「そういう波多野はいつなんだよ?」 「俺?俺は12月だからな、まだまだ平気さ」 「そんなこと言ってるとあっという間に期限が来ちまうぞ」 「へへ、まー大丈夫だって」 「ま、波多野は女子のファン多いからなー。いざとなったらよりどりみどりだろうし」 「そんな良いもんでもねーぞ?」 「そんなもんかね」 その後ももくもくと画面を追っかけていたが、ふと気がつくと日が傾いてきていた。 時計を見ると5時半を回りそうだ。 「おっといかん。おい波多野、今日はここまでだぞ」 返事がない。 「おい波多野?どうした?」 隣のブースを見ると波多野がデスクに突っ伏して寝ていた。 俺は波多野を起こすと、端末の設定を元に戻して実習室を後にした。 *** 408 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 00:08:48.46 i7qbvliu0 >>406 ==== 翌日、臨時でHRがあった。 11月の文化祭にクラスで何をやるか決めるという。 夏休み前に決まってないのがそもそもアレだと思うのだが。 で、結局誰かが言い出した『メイド&ホスト喫茶』に決まった。 って、メイドはいいけどホスト喫茶って何なんだよと、俺は心の中でツッコミを入れていた。 そういえばホスト役には波多野が抜擢されていた。 クラス一の美形だから当然といえば当然か。 俺はというと、別に美形でもないしもちろんかわいい女の子でもないから裏方に回る。 といってもクラブの方もあるし、クラスの方はあんまり手伝えないかもな。 とか思ってたら、クラス委員の大森さんからご指名がかかった。 「えーと、水原君は喫茶室の設計をして欲しいのだけど」 「は?」 「水原君の家って大工さんでしょ?それに水原君もコンピューター詳しいし、できるかなって」 「おいおい、確かに俺はコンピュータに詳しいし家も大工だが、設計なんてできないよ?」 「簡単なので良いのよ。他にできる人もいないし、ね?お願い頼まれて」 「むむう…」 クラス中の視線が俺に集まってしまった。 こうなるとやらざるを得ないだろう… 「わかった、何とかやってみる」 「ありがとう水原君。さすがに話が分かるわねー」 「しかしどんなのになっても俺は知らないぞ」 ひょんな事から面倒な仕事を引き受けてしまった。 *** 409 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 00:15:17.68 i7qbvliu0 >>408 ==== ちなみにクラブの方は小会議室を借り切ってクラブ展示を毎年しているらしい。 大体やる内容は決まっているらしく、占いとロボット制御は定番だとか。 ただ、その年その年で他にも特別展示を用意する事になっている。 俺はまだ1年なので、その特別展示も先輩方の手伝いをするだけだが。 個人的にはどっかの国の人工衛星をハックするとか面白そうなんだけどって、これはよその高校の話か。 とにかくとっても忙しそうな2学期がこうして始まった。 「むー、困ったな」 俺は例によって実習室の端末の前にいた。 CADアプリつってもJW-CADみたいな本格的なのは使い切れないしな… まぁ簡単なのって言ってたからホームデザイナーでいいかな… 俺は適当にアレをナニしてホームデザイナーを手に入れる。 「さて考えますかね」 と、そこへ例の男が現れた。 「水原ー、やっぱここか」 「おう波多野、ちょうど良いところに」 「ん?なんだお前にしちゃ珍しく俺を頼りにするとは」 「いや、クラスの出し物の件な」 「ほうほう」 「喫茶店の内装考えてくれって頼まれたのはいいが、どんな感じがそれっぽいかと思ってな」 「なんだ、そういうことか」 *** 410 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 00:22:48.08 i7qbvliu0 >>409 ==== 「メイド喫茶とホスト喫茶って、ある意味反対じゃないか、どうやって共存させるんだよってな」 「別に共存させる必要はないんじゃないのか?」 「へ?」 「いや、だからよ。お前話聞いてなかっただろ?」 「む、そうかも」 「あれはだな、男子が『メイド喫茶』って言い出したんだな、そしたら女子が『不公平だ』って言い出したわけだ」 「ふむ」 「それじゃ『ホスト喫茶もやりますか』って事で決まったんだよ。だからそれぞれ別の物」 「なるほど」 「どう考えたってその2つを共存させるのはムリがあるだろ」 「ムリがあるから悩んでたんだ。別の物なら話は早いぜ」 「ま、そういう事だ。大森さんがwktkしてたぜ」 「げー。こんなんでwktkされても困るぞ」 波多野のおかげで道が見えた。 いざというときに頼りになる、やっぱりあいつはいい親友だ。 結局その日は学校では作業にならずに、家に帰って作業することにした。 方針は決まったしちゃっちゃとできるだろう。 その夜、俺は親父の部屋に呼ばれた。 「親父、入るよ」 俺は静かにふすまを開けた。 親父の部屋には親父と、その奥にじいちゃんもいた。 ただならぬふいんき(ry)を感じた俺は、無言のままふすまを閉めると、親父の前に正座した。 *** 411 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 00:29:32.37 i7qbvliu0 >>410 ==== 口火を切ったのは親父だった。 「歩、お前の誕生日、いつだ?」 俺はちょっと口ごもって返した。 「10…月の、7…日…」 親父はそれを聞いて天を仰ぐ。 じいちゃんは微動だにしない。 再び目を俺に向け、親父が続ける。 「…それで、どうするつもりだ?」 「…何を?」 俺は何を言われているのか分かっていたが、わざと聞き返す。 「言われなくても分かっているだろう?」 「…」 「お前は水原家の長男だ。長男には努めがある。わかるな?」 「…」 「何も考えていないというのなら、こっちの考えに従ってもらう」 そう言うと、親父が1枚の紙を差し出した。 「女体化防止手続きの執行書だ。もう必要な手続きは済んでるから、明日にでも施設へ行け」 じいちゃんが口を挟む。 「歩、このじいじの気持ちも分かってくれるな?歩なら大丈夫とじいじは信じてるからな」 しばし3者とも無言だったが、親父が最後の一言を言った。 「ここから先はお前次第だ、が、変なことをしたら覚悟しておけ」 *** 500 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 15:57:39.45 i7qbvliu0 夜に投稿したのを見返してたら抜けがあった。 >>411と>>426の間の一節を追加で投下。 正直すまんかった。 ==== 親父はそう言うと、紙を置いたまま部屋を出て行った。 じいちゃんもその後からゆっくりと出て行った。 一人残された俺は紙切れを持って自分の部屋へ戻った。 部屋に戻ると姉貴が寝っ転がって漫画を読んでいた。 入ってきた俺に気がつき顔を上げる。 「よっあゆむくん。絞られてたねぇー」 俺は紙切れを学習机の上に置きながら答える。 「姉貴には関係ないだろ」 「関係ないことないっしょ、姉弟なんだし」 姉貴の方に向き直る。 「俺がどうなろうと、姉貴のポジションは変わらんでしょ」 姉貴は起きあがって、あぐらをかいた。 「ちっちっち、甘いねあいかわらず。アンタが妹になったら次女だからいいけど、私は長女だからね」 「それが何さ?」 「男子がいないとなればあの父がどうすると思う?」 「さあな」 「婿養子もらって継がせるに決まってるでしょーが。すると婿取りさせられるのは十中八九、私だ」 「へ、そこまでするかな?」 「するするー。あの父、あんまり甘く見ない方が良いよ」 *** 426 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 01:53:27.52 i7qbvliu0 >>411書けたので投下。 ==== さすがは姉貴、伊達に俺より2年長く生きてる訳じゃなかった。 「そりゃ、あゆむが妹になったとしてもだよ、私も婿取りはいやだから逃げるか抗戦するかだけどね」 「婿取りだとか跡取りだとか、まだまだ先じゃないかと思うんだけども」 「そういう事言ってると、気がついたときには嵌められてるんだって。現に今回も嵌められ一歩手前じゃないか」 む、そう言われてみれば施設の手続き済みだし手回しは完了していた。 「で、あゆむとしてはどーなの?女になっちゃう?それとも男を維持したい?」 「…」 姉貴が妙に色気のある声で迫る。 「男のままでって言うんなら、お姉様が筆下ろししてあげてもよくてよ?」 「ちょっw。それはさすがに止めてくれ」 「へーん、ちょっとからかって見ただけだよーん」 「むう」 「まぁ、アンタも男なんだから、ここらで腹くくっちゃえば?跡取りに収まっちゃえば安泰だよ?」 「なんだかなー。それって15才の人間が考える事じゃないだろ」 「男に生まれた宿命だよねぇ」 「姉貴に同情されてもな…」 喋るだけ喋って姉貴は自分の部屋へ戻っていった。 俺は布団に寝転がって、ぼーっと考えていた。 しかし考えがまとまるはずもなく、いつの間にか眠っていた。 *** 427 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 01:58:14.86 i7qbvliu0 >>426 ==== 人の気配がする。 俺が目を開けると、目の前に姉貴がいた。 「なにやってるんだよ…」 姉貴は無言のまま俺の寝間着のズボンを引き下ろす。 「ちょっ、いきなり何するっ」 俺は声を出したつもりだったが、声にならない。 引き下ろされたそこには、おっきした俺自身の見事なテントがあった。 なっ… いつの間におっきしていたのか、俺自身まったく分からなかった。 姉貴は無言のまま、ついに俺のパンツまで引き下ろす。 「や…め…ろ…っ」 声にならない俺の叫び。 お構いなしに姉貴が行為を続けていく。 姉貴が俺の上にかぶさってきた。 たわわな胸が俺の目の前に下りてくる。 と、その時、俺自身の先がなにかに触れた感触がした。 「!!!」 続けて狭いところに入り込む感覚が来る。 もうダメだ。 俺は腰を震わせて達していた。 *** 428 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 02:01:40.18 i7qbvliu0 >>427書けてるのはここまでです。まぁ、前振りって事で。 続き、書けるかな… ==== はっと目を覚まし身体を起こす。 あたりには誰もいなかった。 「夢か…」 しかしリアルな夢だった。 と、股間がパンパンに張っているのに気がついた。 「やべ、出しちまった?って、あれ?」 確かに出た感覚はあった。が、パンツもなにもかもまったく濡れていなかった。 「不発だったのかな…?」 おっきしていた物が徐々にしぼんでいく。 とともに、俺はドッと疲れが出てそのまま再び眠ってしまった。
*** 390 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/24(佐賀県警察) 23:12:10.46 XE+pu4K40 じゃぁまぁぼちぼちと。 ==== 今日から2学期だ。 9月になったが今年はまだまだ暑い。 俺は学校が終わると一目散に部室へ逃げ込んだ。 「はー、ここは涼しくてやっぱいいわ」 部室というのは情報処理実習室のこと。 俺は電算部所属なので部活と称して冷房完備のこの部屋へいつでも入ることができる。 一息ついたところでおもむろにPCに向かい、Janeを立ち上げる。 「えーっと、今日のニュー速はーっと…」 俺はスレ一覧をぱらぱら流し読み。 「あんまり面白いのねーな。ちょっとニュースブログ見てみるか」 というわけでJaneは早々にほっぽりSleipnirに切り換える。 と、いったところで突然、実習室の戸が開いて男が1人入ってきた。 「お、水原ーいたいた」 男は俺の隣の席から椅子を引っ張ってきて、俺のすぐ横にポジショニングしてきた。 「なんだよ波多野ー」 「いーや暑くってさー、ここなら水原いるだろうと思ってな」 「なんだよ、クーラー目当てかよ」 「そうとも言うな。まぁいいじゃないか」 「俺の財布は傷まないから別に良いけどな」 *** 391 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/24(佐賀県警察) 23:19:39.54 XE+pu4K40 >>390 ==== 「で、水原君はあいかわらずにちゃんでございますか」 「あーにちゃんはさっき見た。今は別のとこ」 「そうか。なんか面白いもんあった?」 「うにゃ、別にねーな」 会話が途切れた。 まぁいつも俺と波多野はこんな感じだから、話が途切れたって別に気まずくもならないわけだが。 「ときに波多野、おまえテニス部は行かなくていいのか?」 「このくそ暑いときにコートなんぞに立っていられるかっての。熱中症になったらどうすんだよ」 「それもそーか。だがサボりすぎると首になるぞ」 「首にならない程度にはやってるさ。それに幽霊部員がわんさかいるからな、首切られるならそれの後だ」 なるほど一理ある。 波多野はサボり魔だが、テニスの腕前だけは一流だ。 夏休み前も生意気だからとテニス部の先輩に決闘試合をさせられていたが、逆にストレート勝ちしていたほどだ。 たぶん今のテニス部で適う人間はそう多くないだろう。 「なあなあ水原、エロいのない?エロいの」 「おまえまたそれかよー。好っきだなー」 「悪かったな。で、今日はないのか?」 「ああ、ちょっと待て、今串用意すっから。おまえはそっちの端末点けといてくれな」 「らじゃ」 さすがに学校の端末は逐一ログが取られているので直接エロいとこに行くとえらいことになる。 去年もそれで停学者が出たと姉貴に聞いていた。 *** 403 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/24(佐賀県警察) 23:39:23.62 XE+pu4K40 >>391 ==== 俺は自宅サーバに向けトンネルを掘ると、さらにプロクシを当てて通信路を確保した。 そして波多野の座っている端末に仕掛けを施して、晴れて開通するのだ。 「おまえこういう事だけは長けてるよな」 「そのおかげでエロ見れてんだから感謝すれ」 「へへえ、水原大明神様。おありがとうごぜえます」 言うが早いか波多野は画面を凝視し始めた。 2人無言のままそれぞれが画面を睨む時間が過ぎていった。 波多野が画面を睨みつつ言った。 「そういえば、5組の奴で女体化したのがいるってな」 「ほほう。だれだろ?」 「高原って奴。陸上部だった」 「知らん奴だな」 「8月あたまが誕生日だったらしい。で、夏休み中に変化して、今日登校してきて発覚したと」 「ふむ。まぁ女体化も珍しくはないしなー」 「それもそうだな。早い奴は4月から起こってるものな」 実際のところ4月から一人、二人と例の現象が起きてる。 この女体化という現象がいつからあるのかは知らないが、特に珍しい現象じゃない。 要は15のうちに童貞を捨てればいいだけのことだから、公営施設を利用すればいいだけなのだ、が… 事が事だけに大人が思ってるほど簡単には行かない。 15の少年にもいっちょ前に考えるところはあるのだ。 *** 406 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/24(佐賀県警察) 23:55:38.58 XE+pu4K40 >>403 ==== 「ところで水原、おまえの誕生日いつだっけ?」 「え、俺は10月7日だが」 波多野がこちらに向き直る。 「うへ、もうあと1ヶ月じゃんよ。おまえ、もう済ませたのか?」 「え、あー、まだだな」 「おーいおいおい、ダメじゃんよ。おまえ女になる気か?」 「いや、そう言うつもりはないけどな…。なんというか、な…」 俺は答えに窮してしまった。 はっきり言って、今波多野に指摘されるまで誕生日のことを忘れていたという方が正しい。 「そういう波多野はいつなんだよ?」 「俺?俺は12月だからな、まだまだ平気さ」 「そんなこと言ってるとあっという間に期限が来ちまうぞ」 「へへ、まー大丈夫だって」 「ま、波多野は女子のファン多いからなー。いざとなったらよりどりみどりだろうし」 「そんな良いもんでもねーぞ?」 「そんなもんかね」 その後ももくもくと画面を追っかけていたが、ふと気がつくと日が傾いてきていた。 時計を見ると5時半を回りそうだ。 「おっといかん。おい波多野、今日はここまでだぞ」 返事がない。 「おい波多野?どうした?」 隣のブースを見ると波多野がデスクに突っ伏して寝ていた。 俺は波多野を起こすと、端末の設定を元に戻して実習室を後にした。 *** 408 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 00:08:48.46 i7qbvliu0 >>406 ==== 翌日、臨時でHRがあった。 11月の文化祭にクラスで何をやるか決めるという。 夏休み前に決まってないのがそもそもアレだと思うのだが。 で、結局誰かが言い出した『メイド&ホスト喫茶』に決まった。 って、メイドはいいけどホスト喫茶って何なんだよと、俺は心の中でツッコミを入れていた。 そういえばホスト役には波多野が抜擢されていた。 クラス一の美形だから当然といえば当然か。 俺はというと、別に美形でもないしもちろんかわいい女の子でもないから裏方に回る。 といってもクラブの方もあるし、クラスの方はあんまり手伝えないかもな。 とか思ってたら、クラス委員の大森さんからご指名がかかった。 「えーと、水原君は喫茶室の設計をして欲しいのだけど」 「は?」 「水原君の家って大工さんでしょ?それに水原君もコンピューター詳しいし、できるかなって」 「おいおい、確かに俺はコンピュータに詳しいし家も大工だが、設計なんてできないよ?」 「簡単なので良いのよ。他にできる人もいないし、ね?お願い頼まれて」 「むむう…」 クラス中の視線が俺に集まってしまった。 こうなるとやらざるを得ないだろう… 「わかった、何とかやってみる」 「ありがとう水原君。さすがに話が分かるわねー」 「しかしどんなのになっても俺は知らないぞ」 ひょんな事から面倒な仕事を引き受けてしまった。 *** 409 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 00:15:17.68 i7qbvliu0 >>408 ==== ちなみにクラブの方は小会議室を借り切ってクラブ展示を毎年しているらしい。 大体やる内容は決まっているらしく、占いとロボット制御は定番だとか。 ただ、その年その年で他にも特別展示を用意する事になっている。 俺はまだ1年なので、その特別展示も先輩方の手伝いをするだけだが。 個人的にはどっかの国の人工衛星をハックするとか面白そうなんだけどって、これはよその高校の話か。 とにかくとっても忙しそうな2学期がこうして始まった。 「むー、困ったな」 俺は例によって実習室の端末の前にいた。 CADアプリつってもJW-CADみたいな本格的なのは使い切れないしな… まぁ簡単なのって言ってたからホームデザイナーでいいかな… 俺は適当にアレをナニしてホームデザイナーを手に入れる。 「さて考えますかね」 と、そこへ例の男が現れた。 「水原ー、やっぱここか」 「おう波多野、ちょうど良いところに」 「ん?なんだお前にしちゃ珍しく俺を頼りにするとは」 「いや、クラスの出し物の件な」 「ほうほう」 「喫茶店の内装考えてくれって頼まれたのはいいが、どんな感じがそれっぽいかと思ってな」 「なんだ、そういうことか」 *** 410 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 00:22:48.08 i7qbvliu0 >>409 ==== 「メイド喫茶とホスト喫茶って、ある意味反対じゃないか、どうやって共存させるんだよってな」 「別に共存させる必要はないんじゃないのか?」 「へ?」 「いや、だからよ。お前話聞いてなかっただろ?」 「む、そうかも」 「あれはだな、男子が『メイド喫茶』って言い出したんだな、そしたら女子が『不公平だ』って言い出したわけだ」 「ふむ」 「それじゃ『ホスト喫茶もやりますか』って事で決まったんだよ。だからそれぞれ別の物」 「なるほど」 「どう考えたってその2つを共存させるのはムリがあるだろ」 「ムリがあるから悩んでたんだ。別の物なら話は早いぜ」 「ま、そういう事だ。大森さんがwktkしてたぜ」 「げー。こんなんでwktkされても困るぞ」 波多野のおかげで道が見えた。 いざというときに頼りになる、やっぱりあいつはいい親友だ。 結局その日は学校では作業にならずに、家に帰って作業することにした。 方針は決まったしちゃっちゃとできるだろう。 その夜、俺は親父の部屋に呼ばれた。 「親父、入るよ」 俺は静かにふすまを開けた。 親父の部屋には親父と、その奥にじいちゃんもいた。 ただならぬふいんき(ry)を感じた俺は、無言のままふすまを閉めると、親父の前に正座した。 *** 411 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 00:29:32.37 i7qbvliu0 >>410 ==== 口火を切ったのは親父だった。 「歩、お前の誕生日、いつだ?」 俺はちょっと口ごもって返した。 「10…月の、7…日…」 親父はそれを聞いて天を仰ぐ。 じいちゃんは微動だにしない。 再び目を俺に向け、親父が続ける。 「…それで、どうするつもりだ?」 「…何を?」 俺は何を言われているのか分かっていたが、わざと聞き返す。 「言われなくても分かっているだろう?」 「…」 「お前は水原家の長男だ。長男には努めがある。わかるな?」 「…」 「何も考えていないというのなら、こっちの考えに従ってもらう」 そう言うと、親父が1枚の紙を差し出した。 「女体化防止手続きの執行書だ。もう必要な手続きは済んでるから、明日にでも施設へ行け」 じいちゃんが口を挟む。 「歩、このじいじの気持ちも分かってくれるな?歩なら大丈夫とじいじは信じてるからな」 しばし3者とも無言だったが、親父が最後の一言を言った。 「ここから先はお前次第だ、が、変なことをしたら覚悟しておけ」 *** 500 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 15:57:39.45 i7qbvliu0 夜に投稿したのを見返してたら抜けがあった。 >>411と>>426の間の一節を追加で投下。 正直すまんかった。 ==== 親父はそう言うと、紙を置いたまま部屋を出て行った。 じいちゃんもその後からゆっくりと出て行った。 一人残された俺は紙切れを持って自分の部屋へ戻った。 部屋に戻ると姉貴が寝っ転がって漫画を読んでいた。 入ってきた俺に気がつき顔を上げる。 「よっあゆむくん。絞られてたねぇー」 俺は紙切れを学習机の上に置きながら答える。 「姉貴には関係ないだろ」 「関係ないことないっしょ、姉弟なんだし」 姉貴の方に向き直る。 「俺がどうなろうと、姉貴のポジションは変わらんでしょ」 姉貴は起きあがって、あぐらをかいた。 「ちっちっち、甘いねあいかわらず。アンタが妹になったら次女だからいいけど、私は長女だからね」 「それが何さ?」 「男子がいないとなればあの父がどうすると思う?」 「さあな」 「婿養子もらって継がせるに決まってるでしょーが。すると婿取りさせられるのは十中八九、私だ」 「へ、そこまでするかな?」 「するするー。あの父、あんまり甘く見ない方が良いよ」 *** 426 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 01:53:27.52 i7qbvliu0 >>411書けたので投下。 ==== さすがは姉貴、伊達に俺より2年長く生きてる訳じゃなかった。 「そりゃ、あゆむが妹になったとしてもだよ、私も婿取りはいやだから逃げるか抗戦するかだけどね」 「婿取りだとか跡取りだとか、まだまだ先じゃないかと思うんだけども」 「そういう事言ってると、気がついたときには嵌められてるんだって。現に今回も嵌められ一歩手前じゃないか」 む、そう言われてみれば施設の手続き済みだし手回しは完了していた。 「で、あゆむとしてはどーなの?女になっちゃう?それとも男を維持したい?」 「…」 姉貴が妙に色気のある声で迫る。 「男のままでって言うんなら、お姉様が筆下ろししてあげてもよくてよ?」 「ちょっw。それはさすがに止めてくれ」 「へーん、ちょっとからかって見ただけだよーん」 「むう」 「まぁ、アンタも男なんだから、ここらで腹くくっちゃえば?跡取りに収まっちゃえば安泰だよ?」 「なんだかなー。それって15才の人間が考える事じゃないだろ」 「男に生まれた宿命だよねぇ」 「姉貴に同情されてもな…」 喋るだけ喋って姉貴は自分の部屋へ戻っていった。 俺は布団に寝転がって、ぼーっと考えていた。 しかし考えがまとまるはずもなく、いつの間にか眠っていた。 *** 427 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 01:58:14.86 i7qbvliu0 >>426 ==== 人の気配がする。 俺が目を開けると、目の前に姉貴がいた。 「なにやってるんだよ…」 姉貴は無言のまま俺の寝間着のズボンを引き下ろす。 「ちょっ、いきなり何するっ」 俺は声を出したつもりだったが、声にならない。 引き下ろされたそこには、おっきした俺自身の見事なテントがあった。 なっ… いつの間におっきしていたのか、俺自身まったく分からなかった。 姉貴は無言のまま、ついに俺のパンツまで引き下ろす。 「や…め…ろ…っ」 声にならない俺の叫び。 お構いなしに姉貴が行為を続けていく。 姉貴が俺の上にかぶさってきた。 たわわな胸が俺の目の前に下りてくる。 と、その時、俺自身の先がなにかに触れた感触がした。 「!!!」 続けて狭いところに入り込む感覚が来る。 もうダメだ。 俺は腰を震わせて達していた。 *** 428 名前:850 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 02:01:40.18 i7qbvliu0 >>427書けてるのはここまでです。まぁ、前振りって事で。 続き、書けるかな… ==== はっと目を覚まし身体を起こす。 あたりには誰もいなかった。 「夢か…」 しかしリアルな夢だった。 と、股間がパンパンに張っているのに気がついた。 「やべ、出しちまった?って、あれ?」 確かに出た感覚はあった。が、パンツもなにもかもまったく濡れていなかった。 「不発だったのかな…?」 おっきしていた物が徐々にしぼんでいく。 とともに、俺はドッと疲れが出てそのまま再び眠ってしまった。 *** 77 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/29(佐賀県庁) 09:33:54.98 kGFZOxgJ0 前前前スレ>>500の続き。書き貯まったので中野日記の隙間を縫って投下。 ==== 翌朝目が覚めると、俺は身体全体に妙なだるさを覚えた。 特に手がこわばって動きが悪い。 俺はゆっくりと手をグーパーしながら、手の感覚を確かめる。 どうやら徐々に良くなってきたようだ。 腕に力が入ることを確認しながら、ようやっと上体を起こした。 「ふー…」 なぜか身体を起こすのにもやたらと力がいる。 「なんか、疲れてんのかな?」 体中の筋肉が眠ってる感じと言ったらいいだろうか、膝ひとつ曲げようにもどうにもうまく力が入らない。 しかたがないので上体だけ起こしたまま、布団の上で時間が過ぎるのを待つことにした。 まだ9月とはいえ、朝の空気は少しひんやりしている。 昨夜はかけ布団もないまま寝てしまったので、そのせいで身体が冷えてしまったのかも知れない。 そんなことを考えていると、いつしか日の光が部屋に入ってきた。 脚の方から光の領域に入る。 領域に入ったところから力が戻ってくる。 下半身が光を浴びたところで、ようやく俺は布団から出ることができた。 目覚まし時計を見ると、まだ6時前だ。 学校へ行くしたくをするには早すぎるし、もう一度寝るには遅すぎる。 俺はまだちょっとおぼつかない足取りで、居間へと向かった。 *** 80 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/29(佐賀県庁) 09:46:32.98 kGFZOxgJ0 洗濯物干しつつ続き。妹さんの姿形って出てないよね?といいつつwktk投下。 (´・ω・`)な中野微妙にカワイソス ==== 台所には、母さんとばあちゃんがいた。 「あら、おはようあゆちゃん。今日は早いねえ」 真っ先に気がついたのはばあちゃんだ。 「ばあちゃんおはよう」 「あれ。えらく顔が青いね。風邪でもひいた?」 「いや、なんともないけど?」 「それなら良いんだけども。季節の変わり目だからね、気をつけてねえ」 「ああ、おはよう歩。熱出てないか計ってみなさい」 母さんが台所から顔を出して言った。 俺は母さんに言われるまま、体温計を脇に挟み、TVを点けた。 TVは朝ワイドをやっている。 どうやら芸能ニュースらしい。 興味のないジャンルだったのでぼーっと見ていた。 『ぴぴっぴぴっぴぴっぴぴっ』 突然脇の下から電子音が響く。 体温計を取り出して覗き込むと、36.6℃だった。 「何度だった?」 母さんが台所から聞いてきた。 「36.6℃で平熱ー」 *** 82 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/29(佐賀県庁) 10:00:48.36 kGFZOxgJ0 「着替えて顔洗ってきなさい」 体温計を片付けていると、母が言ってきた。 俺は洗面所に行って鏡を見る。 ああ、確かに顔が青い。 蒼白ではないが、何か疲れた感じの顔だった。 昨夜の妙な夢のせいだろうと直感したが、今朝の手足の強ばりといい、どういう関連があるのか、それともないのか。 今の俺にはよく分からないことだった。 鏡をじっと覗き込んだまま考えていると、人影が映った。 親父だった。 親父は俺には全く気兼ねをせずに、無言のまま歯を磨き、ひげを剃り、顔を洗うとまた出て行った。 急に昨夜の件が思い出されてきた。 施設、行かなくちゃならないのかな… めんどくさ…。 一人残された俺はゆるゆると歯を磨き、顔を洗って再び鏡を覗き込む。 ひげは…まだ薄い方だ。 生えているのは分かるけど、産毛に毛が生えたようなもので、剃るほどのものでもない。 …まぁなるようにしかならないか… 俺は制服に着替えるべく、洗面所をあとにした。 *** 85 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/29(佐賀県庁) 10:16:03.78 kGFZOxgJ0 今急に浮かんだフレーズ。 男女7人夏物語。…ええもういい年ですが自分orz ==== 自室に戻って制服に着替えると、鞄を持って食堂に行った。 「おはよう歩」 「…おはよう」 姉貴がみそ汁をすすっていた。 父の席には空になった食器がまだあった。 どうやら仕事に出たらしい。 おかげで気まずい気持ちにはならずに済みそうだったが、施設のことが心に引っかかる。 「いただきます」 まだ気持ちはモヤモヤしたままだったが、とりあえず朝ご飯を食べねば。 無言のままもくもくと食べた。 姉貴がちらちらと俺の方を見ながら食べている。 俺は努めて平静を装いつつ食べていたが、姉は何かを感じたようだった。 「歩ー、昨日お父さんに絞られたこと、まだ悩んでるんじゃない?」 「ぶっ」 危うくみそ汁を吹くところだった。 さすが姉貴、勘も冴えてるがタイミングも絶妙だ。 「絞られたって…ああ、施設のこと?」 母さんは知っているらしくすぐ切り返してきた。 「…」 俺は箸を止めて黙りこくってしまった。 *** 88 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/29(佐賀県庁) 10:28:58.83 kGFZOxgJ0 新たな保守人イターヽ(▽`)ノ とりあえず今回はここまで。星垣さん話よりこっちの方が先に終わりそうな予感。 ==== 「それで、歩はどうしたいわけ?」 母さんが抑えた声で聞く。 俺は考えがどうしてもまとまらず、答えることができない。 ばあちゃんは聞いているとも聞いていないともつかない風にゆっくりとご飯を食べている。 姉貴は漬物をこりこりと噛んでいるが、聞き耳は立てているようだ。 母さんが続けて口を開いた。 「女の子になりたい訳じゃ、ないよね?」 俺は首を縦に振る。 「男の子のままで、いたいわけよね?」 またも首を縦に振る。 「じゃあがんばって済ませなきゃだめよね」 俺は首を縦にも横にも振れないまま、うつむいて座っていた。 「女にはなりたくないけど、施設はイヤ…と。アンタ彼女もいないんだから仕方ないじゃない」 きつく言い放ったのは姉貴だ。 「昨日も言ったけどさぁ、男ならやることやらなきゃ。ね?」 細かく震え始めた俺の心が、あっという間に耐えきれなくなって朝の食卓で決壊した。 「…姉貴には俺の気持ちなんてわからねえよ。女にゃわからねえんだよ、これは!」 俺はそれだけ言い放つと箸を放り出し、そのまま鞄を掴んで家を飛び出した。 *** 137 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/29(佐賀県庁) 16:39:31.55 kGFZOxgJ0 保守ばっかもなんだし、続きを投下。 ==== 家を飛び出した俺は自転車にまたがり道路へ飛び出す。 怒りにまかせた勢いのまま学校へと向かった。 相当怒っていたらしく、教室に入っても、誰も声を掛けてこようとしなかった。 そんな中で声を掛けてきた唯一の人は、やはりあいつだった。 波多野は最初遠巻きに俺のことを見ていたが、1時限目が終わった休み時間には、既に俺の前の席に陣取っていた。 しばし無言で対峙する2人。 といっても俺は半ばふてくされた態度で机に伏さっていたのだけれど。 「水原、水原?大丈夫かおまえ」 「…」 「何に怒ってるかは知らないが、言いたいことがあったら俺に言ってみ?」 「…」 「…」 俺は顔を上げ、あいつの顔を見る。 波多野のシャープな顎、きりっとした口元、通った鼻筋、そしてやや焦げ茶がかった瞳が順に見えた。 瞳の光は鋭く、人を射抜くようだが、どこか暖かみのある光だ。 この目でやられたら女はイチコロだよなぁ…などと一瞬感じたが、俺はその光に堪えきれず、また伏せってしまった。 「…俺にも話せないのか?」 あいつがそんなことを言うので、俺は伏せったまま、しかし慌てて否定する。 「…いや、そんなことは、ない…」 「…」 「…心配してくれてありがとうな。ここじゃ人がいるし、また昼休みに話す」 俺がボソボソと言うと、あいつはわかったとも言わずに席を離れた。 *** 141 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/29(佐賀県庁) 17:40:45.95 kGFZOxgJ0 投下直後に外出してしまった。 ==== 昼休みになった。 俺はポケットの小銭を確認すると、波多野を一瞥したあと廊下に出た。 それを見て波多野も俺に続いて弁当片手に出てきた。 あいつは黙って俺についてくる。 俺は一旦売店に立ち寄ってパンとコーヒー牛乳を買うと、その足で第2校舎の屋上に向かった。 重い扉を押して屋上に出る。 9月始めのまだまだぎらっとした太陽が照りつけた。 階段室の影になる場所に俺が陣取ると、あいつも隣にやってきた。 「さて、約束通り話してもらおうか?」 「そうだな…」 俺は昨日の夜のことをつまびらかに話す。 「昨夜、親父に呼ばれて、施設に行ってこいって言われたんだ…。 あ、施設ってのは、女体化防止のあれな。でまぁ手回しの良いことに手続きは既に済んでて、あとは現場に行くだけなんだ」 あいつは黙って聞いている。 「行くだけなんだ…けどな。どうもこう、なんていうかさ、今ひとつ気乗りがしなくてな…」 「それだけじゃあんなに怒らないだろ?」 「怒ってたのは、姉貴のせいだ。人の気も知らないで、自分のことばっかり心配してやがる」 「なんでお姉さんがおまえのそれと関係があるんだよ?」 「俺が女になっちゃうと困るから男になれだとさ。いや、女にはなりたくないけどさ、そういう言い方はないと思わないか?」 波多野はまだ怪訝な表情をしている。 「もうちょっと説明がいるか?」 あいつはこくこくと首を縦に振った。 *** 142 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/29(佐賀県庁) 17:45:55.88 kGFZOxgJ0 途中で同じIDが保守してるのは自動保守が効いてるからだったり。 ==== 「姉貴が言うのはさ、俺が女になると家から男子がいなくなるってことだ。 男子がいないって事は跡継ぎがいなくなるってことで、それはうちの場合一族の死活に関わるらしい。 で、そうなるとうちの親父が黙っちゃいないだろうと」 あいつがじっと聞いているので俺は続けて喋った。 「姉貴は長女になるからな、跡継ぎがないとなれば無理やりにでも長女の姉貴に婿をあてがわれるだろうってのが姉貴の言い分。 で、姉貴はそんなのまっぴらごめんだから俺にどうにかして男を続けなよと、そう言う話だよ」 俺が喋り終わってもあいつは無言のまま前を向いていたが、ぽつりと漏らす。 「…なんというか…俺には踏み込みようのない話になってるな…」 あいつはがっくり頭を垂れてつぶやいた。 「まあ、怒ってる理由は分かったが…」 あいつは気を取り直し、俺に顔を向けて続ける。 「結局の所、あれだろ?お前が施設に行きたくないだけなんじゃないのか?」 あいつの言葉が俺の心に深く刺さった。 波多野はそう言うと弁当を開けて食べ始めた。 俺はただ無言のままあいつの隣に座っていた。 行きたくないだけ…か。 そうかも知れないな…なんだかんだと言い訳をつけて、俺は逃げてるのかも知れない。 逃げたって望む明日はないのに… 俺はようやく袋を開け、パンにかぶりついた。 パンにかかったチョコレートが、妙に苦かった。 *** 144 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/29(佐賀県庁) 18:10:07.23 kGFZOxgJ0 弁当を食べ終えたあいつが俺に語りかける。 「なあ水原よ」 「ん?なんだ波多野」 「今考えてたんだが、俺も一緒に施設に付き合ってやるよ」 「へ?」 「変な声出すなよ。恥を忍んでお前には言うけど、実は俺もまだなんだ」 意外だった。 波多野ほどもてる奴でも、どうにもならないモノなのだ。 俺があっけにとられていると、あいつは続けて言った。 「俺は手続きがまだだから2、3日後になるけど、手続きが済んだら一緒に行こうぜ」 「あ、ああ…」 俺はそう答えるのがやっとだった。 「それじゃ手続きが済んだらまた伝えるから」 あいつがそう言うと、ちょうど昼休み終了のチャイムが鳴った。 「いけねっ、水原、次生物だったよな?」 「ああそうだが。って、今日は生物室かっ!急がんと間に合わん」 俺たちはあわてて階段を駆け下りた。 ダッシュで教室に戻りつつも、俺は内心で波多野に感謝していた。 あれだけもやついていた心も、生物の授業が始まる頃にはすっかり晴れていた。 *** 146 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/29(佐賀県庁) 18:27:20.31 kGFZOxgJ0 実はここまでなんだ。この次のセクションは今書いてたりするw ==== 2日後の夕方、俺と波多野は施設の前にいた。 それのため専用の施設の前で、高校生の男子2人が並んで立っていれば、誰だってああそうかと分かる。 だから俺は結構恥ずかしかったが、しかし次の1歩が踏み出せなかった。 隣にいる波多野が声を掛けてきた。 「いよいよだな」 「お、おう。波多野も準備はいいか」 「俺はとっくに腹を決めてる」 「そうか、じゃ、いくぞ」 2人同時に踏み出す。 中の受付で2人相次いで受付を済ませる。 受付はいかにも事務的で、雰囲気は役場とそう変わらない。 俺たちは番号の書かれた整理券を持たされ、奥の扉から中に入るように言われる。 俺たち2人は相次いで奥の扉をくぐる。 そこは病院の待合室のような、背もたれのない椅子が並んだ殺風景な部屋だった。 漫画雑誌が多少置かれているが、TVもなく退屈な部屋だ。 もっとも俺は緊張していたから雑誌すら見る気にはなれなかったが。 『5番の方ー8番の部屋へどうぞ』 突然放送が鳴る。 「お、おれだ。じゃな水原。行ってくる」 「おう、それじゃまたあとで」 波多野はさらに奥の廊下へ消えていった。 *** 143 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 02:02:20.13 kiI0f2mL0 前は前スレの>>146。いよいよ歩君童貞喪失…しちゃったら話にならないわけでw ==== 『6番の方。3番の部屋へどうぞ』 いよいよ俺の番だ。 俺は波多野が消えていった同じ廊下へ進んだ。 廊下の左側には似たような扉がずらりと並んでいる。 手前から1番、2番と数えながら進んだ俺は、『3』と書かれた扉の前で止まった。 扉ををノックする。 返事はなかったが、俺は古めかしいドアノブをひねって、少し重いドアを引く。 中から暖かい空気が流れ出し、石けんの柔らかい香りが鼻をくすぐる。 「部屋が冷えちゃうので閉めてくださいね」 奥から女性の声が聞こえて、俺はあわてて後ろ手に扉を閉めた。 手前にカーテンがあるので女性の姿は見えないが、声の感じからしてそんなに歳でもなさそうだ。 色々ある噂じゃとんでもない年増が出てくるとか、ピザがいるとか言われているが… 俺は扉を閉めたままどうしていいか分からずにその場に立っていると、再び奥から声がした。 「それじゃ靴は今いるところで脱いでくださいね。靴入れは右側にあります」 俺は言われたとおり靴を脱いで靴入れに入れる。 「脱いだらカーテンのこちらに入ってきてください」 おずおずとカーテンをくぐると、そこには一人の女性が丸椅子に座って待っていた。 もっと年増(失礼)を予想していたのだが、俺の予想は見事に外されてしまった。 そこらのOLさんくらいの歳だろうか、ちょっとぽっちゃりした体つきに薄ピンクのひらひらした下着を上だけ着ている。 下着の下に透けて見える豊かな胸は柔らかそうな曲線を描き、どんな感触なのか想像も付かない。 そんなことを考えながらぼさっと突っ立っていると、お姉さんは苛ついた感じも見せずに再び喋り始めた。 「それじゃ、最初はお名前の確認から…えーと、みずはらあゆむ、さんで良いですね?」 「あ、はい、水原歩です」 *** 144 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 02:07:30.60 kiI0f2mL0 「15歳11ヶ月…10月7日生まれですね?」 「はい、そうです」 俺は質問に答えるうちに、徐々にこの場所の雰囲気に慣れてきた。 「…ちょっと緊張してる?」 「…は、はいっ」 急に別の質問を振られた俺は、返事の声が裏返ってしまった。 「ふふっ…そんなに緊張しなくても大丈夫。この場は私に任せてちょうだいね」 俺は緊張感と恥ずかしさで、首を縦に振るのがやっとだった。 「それじゃあ、早速始めましょう。服を脱いでTシャツ1枚になってね。服は左にある脱衣かごに入れて下さい」 お姉さんはそう言うと、俺の脇を通り抜けて入口脇の小部屋に入った。 シャワーの音がする、どうやらシャワールームのようだ。 俺は言われたとおりにベルトを外してズボンを脱ぐ。 そして靴下も脱ぎ、ついにブリーフのゴムに手を掛ける。 ブリーフはたいした抵抗もなく両脚の間を下りていく。 まだ緊張しているせいか俺の身体は冷静だった。 「脱げましたかー?」 お姉さんの声がした。 俺が短く答えると、お姉さんは俺を呼ぶ。 「それじゃ身体を洗いますから、こっちのシャワールームに入ってください」 お姉さんがシャワールームのドアの隙間から少し顔を出して手招きしている。 俺は吸い寄せられるようにそこに入っていった。 *** 146 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 02:16:10.35 kiI0f2mL0 お姉さんは俺を風呂椅子に座らせると、慣れた手つきで下半身を洗っていく。 特に俺自身の部分は念入りに洗われた。 普通この状況なら俺自身がもうおっきしてきても良さそうな物だが、今日はなぜか反応がない。 お姉さんはあくまでソフトにいたわるように洗っているのだけれども… 泡だらけになった下半身をきれいにシャワーで洗い流すと、真っ白なバスタオルで丁寧に拭き取る。 「まだ、緊張してる?」 「してると言えば、してます」 「…そう。まぁ気を楽にね」 シャワーから出た俺とお姉さんは、そのまま部屋の奥にしつらえられたベッドに腰掛けた。 「まずは、ソレを起こさないとね…」 お姉さんが目線を落とした先には俺自身がある。 もう充分舞台は揃っているはずなのに、俺の自身は未だ反応していない。 俺はここに来て不安感を感じてきた。 お姉さんの顔が俺の目の前に来た。 「ちょっと荒っぽいかも…ゴメンね」 お姉さんはそう言うと、俺自身を手でゆっくりとしごき始めた。 長い爪がウラスジをこすり上げる。 絶妙な力加減が気持ちいい。 がしかし、これだけされても俺の自身はぴくりともしなかった。 さすがにこれは異常だと俺もようやく感じてきた。 お姉さんも異常だと察知したのか、今まで俺自身をしごいていた指を、さらに後ろの方まで伸ばしてきた。 *** 147 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 02:22:33.27 kiI0f2mL0 10分、いや20分はいじられていただろうか、俺はだんだんと上半身をベッドに倒し込んでいたので、しまいには腕で身体を支える体勢になっていた。 さすがに腕が痺れてきた俺は声を上げる。 「ちょ、ちょっと腕がマジ限界…」 「あ、ごめんなさい。それじゃもうベッドに寝ちゃってください」 さすがにお姉さんでもこれは手強いようだった。 ベッドに仰向けに寝た俺の自身に、お姉さんはためらいなく咥え付く。 そして指はウラスジから玉の後ろへと回る。 ダブル刺激で攻められているが、一向に反応しない俺自身。 こうも見事に反応無しだと、さすがに俺の方がだんだんと冷めてくる。 お姉さんは今度は俺の上に馬乗りになって、俺自身をお姉さんの壷でこすり始める。 温かく柔らかい感触が俺自身の上を、ぐちゅっとした音とともに滑る。 だがやはりまったく反応しない。 ついにお姉さんが動きを止めてしまった。 どうやら諦めたらしく、俺の上から離れると壁の電話でどこかに連絡している。 俺はベッドの上に横たわったまま、首だけを向けてその様子を見ていた。 様子を見ている間、言いようのない不安感が沸々と湧き上がってきた。 *** 148 名前:水原歩の話 ◆PqUOSvmR0w 投稿日:佐賀暦2006年,2006/10/31(佐賀県警察) 02:28:58.41 kiI0f2mL0 電話が終わるとお姉さんはベッドの端に腰掛けて言った。 頬がまだほんのり赤い。 「…え、と。こういうケースはですね、初めてなの。で、事務の方に連絡してたわけなんだけど…」 「…」 「とりあえず、今日はここまでにします。それで、ここからが肝心だからよく聞いてね。あとで事務の方から説明があるとは思うけど、私からもお話ししておきます」 俺は身体を起こして、ベッドの上に正座する。 「一番重要なことです。女体化防止には、ペニスがヴァギナに挿入される必要が絶対にあります。しかも避妊具無しで。 だけど今日はそこまで行けなかったので、残念ながらあなたの女体化防止策は完了していないの。わかるかしら?」 「はい…」 「キツイかも知れないけど、これが現実だからね。ゴメンね、力になれなくて」 お姉さんの目に光る物が見えた。 「…いえ、お姉さんは悪くないです、俺の身体の方が悪いんだから、泣かないでください」 「…ありがとう、優しいねキミは」 お姉さんは涙声で続ける。 それからお姉さんは、再挑戦の機会があること、そのための手続きは必要ないこと、しかし残りの期間が短いと予想されるので早めに再挑戦して欲しいと言ったことを俺に話してくれた。 俺は来たときのように服を着る。 その横でお姉さんは部屋の片付けをしていた。 全てが終わって俺が部屋を出ようとすると、お姉さんは床に正座して深々と礼をして見送ってくれた。 扉を閉めると、俺の目には涙が溢れてきた。 できなかった悔しさと、お姉さんに対して申し訳ない気持ちで、俺の心は張り裂けそうだった。

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