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愛美と和美 愛犬はたける ◆vB1u/d29UI」(2006/10/22 (日) 11:32:46) の最新版変更点

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*** 111 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/04(水) 20:33:08.88 B8AnLFJWO 病気なのかは判っていないが、15~17くらいまでに女性経験がない男は高確率で女体になる。 俺の両親が若い頃には珍しいことだったらしく、元々男だった奴はイジメにあったりもしたらしい。 今の世の中では普通の出来事として受け入れられているのでそんなことは起こらない。 それどころか、男とか女とか関係なしに羨望の的になる。 理由は簡単。 女体化した男は個人差はあるものの、蛹が蝶へ羽化するように美しくなるからだ。 そして明日は俺の17回目の誕生日。 女の子に縁が無かったわけではないが未だ童貞だ。 童顔、細身で低身長(150無い)、幼女の様に可愛らしい声。 クラスの奴らや部活の先輩に言わせれば 『美少年だけど恋人じゃなくて弟にしたい』 だそうだ。 そんなわけで俺を『男』として見てくれる女の子はいなかった。 この事に関して悲観してはいないし、女の子として生きていくのも悪くないとさえ思っている。 …まぁ、とりあえずは明日も朝練がある。 寝ることにしよう。 *** 118 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/04(水) 21:15:55.07 B8AnLFJWO 目が覚める。 時計を見るとAM5:30。 いつも通りの時間。 朝練に遅れると部長がうるさいので、制服に着替える為にベッドから這い出る。 女になっているのか確認するため、クローゼットを開けて備付の姿見を見ると、いつもの位置に顔が無かった。 「身長………高くなったのか?」 声を出してみると幼女の様な可愛しさはなく、艶のある大人の女性の声だった。 全身を見る。 パッと見て、身長は170くらいか。 男の頃の面影はあるが、色白で柔和で気品のある優しそうな顔。 艶やかで絹糸ような黒髪は腰程もある。 胸はかなりの大きさで両手で押さえてもはみ出るほどだ。 腰は細くくびれている。 お尻は少し小さめで揉めば心地よい弾力が還ってくる。 脚はモデルのように長く美しい。 「まさか俺がこんな美人になるなんてな」 はぁ、っと溜め息を吐いてみるがその姿も色っぽい。 「服とか母さんに相談するしかないな」 そう呟き、一階の両親の部屋に向かう事にした。 *** 132 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/04(水) 21:49:18.16 B8AnLFJWO 自室の戸を開けると同時に隣の部屋の戸も開いた。 ふとそちらに目をやると、先程鏡に映った俺と寸分違わぬ顔。 身長も体型も全く同じ。 違う点と言えば、彼女の髪の長さは肩程までだというところだけ。 『???』 お互いに首を傾げる。タイミングはばっちり一致している。 そして理解した。 「和美(かずみ)か?」 俺は双子の弟の名前を呼んでいた。 「…ってことは君は愛美(よしみ)なんだね?」 声まで一緒らしい。 一卵性双生児とはいえ、女体化した後までスペックが同じなのには正直驚いた。 「こんな美人になるなんてな」 これは俺。 「だね」 こっちは和美。 「なぁ…和美?」 「ねぇ…愛美?」 俺達はお互いの格好を見ると 『おっぱい丸出しは流石にやばいよな?』 声をハモらせた。 「母さんに相談しようと思うんだけど和美はどうする?」 「僕もそのつもりだったし一緒に行くよ。」 てなわけで、二人で一階へと続く階段を降りることにした。 *** 146 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/04(水) 22:32:48.30 B8AnLFJWO 階段を降りて両親の部屋に向かう途中、台所に母さんの姿を見つけたのでそっちに向かうことにした。 『お早う、お母さん』 声を揃えて挨拶する俺達。 「はいはい、おはよー………って二人とも凄く美人になったねぇ。流石はアタシの子達だよ!」 母さんも女体化した人なので、特別驚くこともなく歓迎してくれた。 「ところであんたたち、服はどうするんだい?身長も高くなったし男の子の頃のは着れないだろ?」 母さんは俺達が相談しようとしていたことを先に切り出してくれる。 「そのことを相談したかったんだよ母さん。俺も和美もこんなに変わっちゃったしさ」 「そうだねぇ」 と、少し考えて 「そうだ。あんた達、お父さん呼んでくるから待ってな!」 そう言って母さんはお父さんを起こしに行った。 時々 「痛いよ母さん!」 とか 「母ちゃん勘弁!」 とかいった声が聞こえたが気にしないことにした。 「ねぇ、愛美?」 和美が話しかけてくる。 「なに?」 「何でお父さんなんだろ?」 そんな事を聞かれても俺は 「さぁ?」 と答えるしかなかった。 *** 427 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 投稿日:2006/10/05(木) 23:25:18.22 HMN1GET5O 二分後、父さんを肩に担いだ母さんが戻ってきた。 「母さん、父さんと服が何の関係があるの?」 俺達が気になっていたことを聞いてみる。 「父さんは昔ね、趣味で服とか作ってたの。母さんに着せるために」 父さんにそんなスキルがあるなんて知らなかった。 ところで、母さんが顔を赤らめているのは何故だろうか?まぁいい。 「どんな服?」 「メイド服とかナース服とか。あんた達の高校の制服も作れた筈だから作ってもらいなさい」 母さんは肩に担いでいた父さんを床に立たせた。 「娘達!この父さんに任せなさい。一着作るのに三十分かからないしな」 父さんはそう言うなり、ダッシュで部屋に帰っていった。 息子達が女の子になったのは気にしていないらしい。 「愛美、下着はどうしよう?」 和美が尋ねてくる。 「トランクスで良いんじゃない?サイズは何とか大丈夫だし。」 母さんは呆れた顔で 「和美はブラの事を言ってるのよ。母さんのじゃ小さいからサラシでも巻いときなさい」 そう言って手に持っていた布を俺達に渡すと台所に戻っていった。 「とりあえず部屋に戻るか…」 「僕もそうしよう」 俺達はサラシを巻くために各々の部屋に戻っていった。 *** 432 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 投稿日:2006/10/05(木) 23:42:17.94 HMN1GET5O 部屋の戸を開けると携帯から着信音が鳴り響いていた。 …グノーのアヴェマリア。 メール着信音に設定してる曲だ。 携帯を開き画面を見ると、部長からだった。 そこには 「お腹痛いから学校行かない。朝練は副部長の指示に従え。放課後は先生が来ないから休み。和美にも言っといてね。じゃっ」 と書かれている。 病気と無縁の部長が腹痛ってことはサボリの確率が高い。 部長の家族全員が食中毒になっても一人だけ平気だったらしい。 前に彼女が病欠だと聞いてお見舞いに行った時なんか途中にあるコンビニで、アイス三本と肉まん五個を平らげているのを目撃したし。 とりあえず俺は 「サボりも程々にしないと留年しますよ」 と返信しておいた。 サラシを巻くのは割と簡単であったが、胸が圧迫されるので少し苦しい。 まぁ、動くのに支障はないので我慢した。 部屋を出ると、丁度和美も出てきたところだったので部長からのメールの内容を話しておいた。 「部長先輩大丈夫かな?」 なんて心配する弟。 人を疑わない性格なので、将来がちょっと心配だ。 なんて思ってると、またメールを受信した。 …部長からだ。 「サボりとか言うな!サボリだけど」 と書いてあり、俺の予想が当たっていることが示された。 「誰から?」 と聞かれたので 「部長から」 とだけ言い、和美を連れて階段を降りる。 *** 440 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 投稿日:2006/10/05(木) 23:55:49.97 HMN1GET5O リビングへ行くと『やり遂げた男』といった雰囲気の父さんがテーブルに突っ伏していた。 「大丈夫?父さん」 心配した和美が声をかける。 「あぁ、大丈夫だ。久しぶりに裁縫とかやったんで疲れただけだよ。制服はソファーの上にあるから」 そう言うと立ち上がり、和美の胸元に手を伸ばす。 「大きくなったなぁ、父さんは嬉しいぞ!」 泣きながら、嬉しそうに、いやらしく胸を揉んだ。 「うむ!素晴らしい揉み心地だ!」和美は声も出せず驚いている。 「何してんだよ父さん…」 「いやぁ、ついな。ハッハッハ!」 俺は怒る気すら起きなかった。 「ビックリしたぁ…。ところで父さん?」 和美は天使のような笑顔で言った。 「次、やったら………怒りますよ?」 「はい、すみませんでした」 危険を察した父さんは、一瞬で土下座すると謝っていた。 普段、温厚な和美はキレると怖い。手がつけられないほどに…。 「和美、とにかく着替えちまおうぜ」 「そうだね」 *** 453 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 投稿日:2006/10/06(金) 00:08:55.49 arssztlsO 「ピッタリだな和美」 「うん。」 走り去る前に凄い凝視してたしな。 視姦と言っても過言ではなかった。 「父さん、ありがとう」 「おぅ!後で写真撮らせろよ!」父さんってば時々おかしいよな。 AM6:30 朝御飯を食べて玄関に向かう途中、母さんに声をかけられた。 「あんた達、今日は部活無いんだろ?だったら帰りに着るもの買ってきな!」 そう言うと俺と和美に十万円ずつ握らせた。 「こんなにもらっていいの?」 不安気に和美が尋ねる。 「女の子はお金がかかるんだよ!遠慮しないで貰っちゃいなよ」 『ありがとう、母さん』 俺達は声を揃えて感謝の言葉を伝えた。 新しい日常に期待と不安を感じながら 「行くか!」 「うん!」 扉を開いた。 *** 702 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 投稿日:2006/10/06(金) 22:11:30.50 arssztlsO 俺達の通う高校は家から徒歩で二十分くらいの所にある。 ここを選んだ理由は単に家から近かったから。 しかし、県下でもトップクラスの進学高。簡単に入学出来る筈もない。 まぁ、俺達は成績が良かったので学力的な不安もなく、普通に入学することが出来た。 「ねぇ、愛美?」 和美はふと立ち止まると周囲を見渡し 「なんか僕達、凄く見られてないかな?」 と言った。 「あぁ、そうだな…」 それはそうだろう。 ぶっちゃけ、女体化した俺達は美人の部類だ。 そんな女の子が二人もいるのだ。男なら振り返らずにはいられないだろう。 「そんなことより朝練に遅刻したら副部長が恐い」 「そうだね。行こっか」 俺達は再び歩き始める。 幸いにも学校周辺はまだ人気が少なく、先程のような視線は感じられなかった。 AM7:00 いつもと同じ時間に部室に着く。 軽くノックをして少しの間。 「はい」 凛とした声と共に戸が開かれるとそこにいたのは我が部の副部長『菅原 静流』さん。 鋭い目つきと淡々とした言動から彼女が冷たい人間だと思われているが、それは違う。 感情を顔に出すのが苦手なだけでホントは優しい人だ。 運動神経抜群で成績優秀。様々な才能を持ち、加えて眼鏡がよく似合うカッコイイ美人。 俺が尊敬してる人だ。 そんなことを考えていると 「貴方達は誰かしら?」 怪訝そうな顔で彼女は問うのだった。 *** 705 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 投稿日:2006/10/06(金) 22:30:34.71 arssztlsO 『お早うございます副部長』 母さんの時と同様、俺達は声を揃えて挨拶する。 朝の挨拶は最低限の礼儀だ。 「はい、お早う……………じゃなくて、貴方達は誰なのかしら?もしかして入部希望者?」 「いいえ、僕達は去年からずっとここの部員ですよ」 和美がニコニコしながら答える。 副部長は俺達を交互に見ながら 「でも、うちの部員に貴方達みたいな双子の美人姉妹なんていないけど?」 「副部長、今なんて言いましたか?」 俺がヒントを出すと眉間にシワを寄せながら 「美人姉妹?」 「その前です。」 更にシワを寄せる。 「双子?…うちの部の?」 そう問う彼女に和美が頷く。 「…大谷兄弟?女の子になってしまったのね」 副部長は少し寂しげに 「…貴重な男子部員が減ってしまったわ」 そう言ったと思ったら 「こんなことなら二人の童貞…貰っておくんだった…」 頬を赤く染めて、副部長の口から出たとは思えない爆弾発言をしていた。 *** 724 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 投稿日:2006/10/09(月) 23:51:51.53 0zGGw3sXO 「二人ともとりあえず部室に入りなさい。すずちゃんもすぐに来るでしょうから」 副部長に言われるままに部室に入る。 部室内にはグランドピアノとキーボードが置いてある。 俺達の部は『音楽部』だ。 部員は五人しかいない小規模な部。 音楽に関する事なら何でもやる部だったのだが、楽器が出来るのは副部長と一年生の『百瀬 すず』ちゃんだけで、部長と俺達兄弟はもっぱら歌うだけである。 「愛美、和美。女の子になってからの歌声を聞かせて頂戴。これからな活動の参考にするから」 『はい。わかりました』 副部長がグランドピアノの椅子に座り視線を俺達に向ける。 俺達は姿勢を正し、合図が来るのを待つ。 「それじゃあ弾くわね」 その声と共に伴奏が始まり俺達も歌い出す。 一年の時から毎日欠かさず練習してきた。普通の人より上手く歌う自信はある。 …そして、自分の口から発せられている旋律は男の頃より格段に綺麗だった。高音に無理は無く、今まで歌いにくかった音が嘘の様にはっきりと出せる。 女体化する前にも高音は出せたが、綺麗なものではなかった。 ―楽しい。 こんなに気持良く歌えたのは初めて。 ふと、和美を見る。俺と同じことを考えていたのか、楽しそうな表情。もっと歌いたいと思った。 しかし、そこで演奏は終了。 ちょっと残念な気持ちでいると ―パチパチパチパチッ!― ちょっと激しい拍手の音がする。 その音の主は、開かれた部室の戸の向こうにいた。 *** 725 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 投稿日:2006/10/09(月) 23:56:25.10 0zGGw3sXO そこにいたのはすずちゃんだった。 「う~ん………びゅ~てぃほ~な歌声ですねぇ。朝日が反射して煌めく清流のような…」 うんうんと頷く。 「そうね。あんなに透き通った綺麗な歌声………プロの歌手でもそういないわ」 副部長も大袈裟に誉めるのでちょっと照れる。 「それじゃ………朝の挨拶をば。おはよ~ごさいまぁ~す!先輩方ぁ~っ♪」 高く可愛らしい元気な声が部室中に響き渡る。 すずちゃんは仔犬のような子だ。 豊かな感情を全身で表現する。 つい、構ってしまう愛らしさ。 肌はぷにぷに、後ろで結んでいる髪の毛はフワフワで尻尾みたいだ。 「お早う、すずちゃん」 副部長が挨拶を返す。 「しずちゃん先輩おはよー♪よっちゃん先輩にかずちゃん先輩もおはよー♪」 『お早う、すずちゃん』 俺達も挨拶を返す。 副部長は胸の前で腕組みすると 「ねぇ、すずちゃん。何で大谷さん達だって気付いたの?」 と尋ねる。 …確かに。 「そんなの簡単です!」 すずちゃんは(小さな)胸を張ると 「匂いです!ひとりひとりみんな匂いが違うですよ!すずは一度知り合った人の匂いは間違えませんから。姿形が変わっても判ってしまうのデスよぅ♪すずの嗅覚の前では指紋認証も声紋認証も赤ちゃんみたいなもんですよ~っ!」 …ホントにこの子、犬なんじゃ? *** 106 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/12(木) 14:52:39.32 74+bY9MoO 朝練もほどほどに、俺達はお喋りに花を咲かせていた。 「えぇ~っ!!その制服、先輩達のお父様が縫ったってまぢデスかぁ~っ!」 すずちゃんの驚き様に 「うん、俺達もビックリした。しかも二組の制服作るのに一時間くらいしかかからなかったし…」 と答えた。 「いっ、いちじかん!?短時間でこんなに正確に仕上げる技術を持ってるなんて凄いデスよぉ~っ!」 すずちゃんは両手をワキワキさせながら俺ににじり寄ると 「しかもムチムチでプリプリのやらしい体にピッタリフィット!よっちゃん先輩!このおっぱいは反則デスっ!」 胸を揉みながら叫ぶ。 「すずちゃん、………ゃんっ!………あんまり揉まないでよ~………んっ!」 俺が抗議するも胸を揉むのに夢中で聞こえていない。 その様子を見ていた副部長に 「副部長~、………ひんっ!………何とかしてくれませんかぁ………あんっ!」 その言葉に反応して彼女は立ち上がる。 「すずちゃん…」 助けてくれるのかと期待するが 「じゃあ、私は和美君のを揉むわ」 その期待には応えてはくれなかった。 それから二十分ほどの間、音楽部の部室からは悩ましい声が漏れていたという…。 *** 109 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/12(木) 15:02:34.74 74+bY9MoO 「いやぁ~、満足×2♪」 「柔らかくてふかふかだったわ」 二人とも悪びれた様子は全く無かった。 『もうお嫁に行けない………』 俺と和美は床に座り込む。 「いいじゃないデスかぁ~っ!おっぱいなんて減るもんじゃないデスよぉ~!」 すずちゃんが笑顔で言う。 「ところでよっちゃん&かずちゃん先輩?今、下着とかどうしてます?まさか男の子のなんて付けてませんよねぇ?…ってトランクスなんてはいてるぅ!!」 スカート捲ってるし…。 「二人とも!帰りに買い物いきますよ!」 すでに決定事項らしい。 「すずが女の子のなんたるかを伝授して差し上げます♪あっ、しずちゃん先輩も来ます?」 副部長は少し考えると申し訳なさそうに 「ごめんなさい。今日は生徒会と各部、委員会との会議があるから行けないの」 「ショボーン………。なら仕方ないデスよね。と、なると………乙女ちゃんが休んだのってまさか!」 副部長は呆れ顔で 「えぇ、乙女って会議とか嫌いだから………」 『はぁ………』 俺達四人は溜め息をついた。 部長である『笹川 乙女』先輩の会議嫌いがどうにかならないだろうか? …なるわけ無いな。 ―キーンコーンカーンコーン― 「じゃあ、よっちゃん&かずちゃん先輩!放課後、職員室まで来てくださいね~!」 そう言うとすずちゃんは部室を走り去っていった。 …何で職員室? 「早く教室に行かないとHRに遅れるわよ」 副部長に促されて俺達も部室を後にした。 *** 385 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/13(金) 15:18:49.64 ckTS6w2jO 教室では女の子になったことを歓迎された。 クラスの女子達はすずちゃん同様、俺達のおっぱいを 「男だったくせに何でこんなに大きいのよ?」 「ふかふか~♪」 とか言いながら揉んだ。 男共も揉みたそうにしていたが無視。 担任(26歳♂独身)がその光景を目にしてハァハァしていたのが嫌だった。 …そして放課後。 俺達は職員室の前ですずちゃんを待っていた。 「遅いね」 和美が俺に聞く。 「掃除当番なんじゃない?」 「そっか」 それから五分後 「せんぱ~い!遅くなってすいませぇ~ん!」 すずちゃんがダッシュで近付いてくる。そこで職員室の戸が開き彼女の首根っこを捕まえる。生活指導の先生(42歳♂独身)だった。 「コラ!百瀬ぇ~っ!廊下は走るんじゃない!」 「せんせ~、お~ろ~せ~!お~ろ~し~て~!このロリコ~ンッ!」 その言葉がカチンときたのかすずちゃんの頭をアイアンクローで絞め挙げる。 「百瀬ぇ、言うことあるか?」 「痛い~、い~た~い~!せんせ~ごめんなさぁ~い!」 呆気なく降参。生活指導はすずちゃんをポイッと投げ捨てると 「廊下は走るんじゃないぞっ!それと俺は断じてロリコンじゃない!ペドだっっっ!」 そう言うとグッと親指を立て、清々しい笑顔で戻っていった。 「それじゃあ、先輩!教頭せんせ~のとこに行きましょお~♪」 「何で?」 和美が聞き返すと 「何でって………女体化証明書を貰いに行くんデスよ♪」 「何それ?」 今度は俺が聞き返した。 *** 387 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/13(金) 15:23:58.88 ckTS6w2jO 「簡単に言えば発行当日のみ有効のお得な割引券デス。服とか半額で買えますよ?だけど発行には条件があるんデス!」 「条件って?」 和美が聞き返す。 「条件厳しくて使う人が少ないからあんまり知られて無いんデス」 一息吐いて 「成績優秀者であることと素行に問題が無いことの二つデス。先輩達はテストで常に十位以内ですから成績は問題無いデス。素行についても問題がありません♪デスから、生徒手帳もって教頭せんせ~の所に行ってきてください!」 ―十分後― 『貰ってきたよ』 職員室の前で待っているすずちゃんに声をかける。 「それじゃあ、行きましょお!」 玄関で靴を履き替え校門を出ると「よっちゃん先輩!ちょっと屈んでもらえますか?」 「何で?」 すずちゃんはイタズラっぽく微笑むと 「いいからいいから♪」 そう言って俺の背後に回り込む。 「んしょっ………ふんふんふ~ん♪」 どうやら髪をいじっているようだ。髪を引っ張ったり縛ったり、中々納得がいかないらしい。 暫くして 「出来たぁ♪これで可愛さあっぷデスよ!鏡で見てください♪」 手渡された鏡を覗く。 俺の頭に結ばれた二つの尻尾。 いわゆるツインテールだ。 「愛美ばっかり良いなぁ……」 その様子を和美が唇に指を当てて羨ましそうに見ていた。 「じゃあ、かずちゃん先輩もお揃いのやったげるね♪」 そう言うとすずちゃんは今度は和美の方に取り掛かった。 「やたー♪」 和美は両手を挙げて喜んでいた。 *** 482 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/13(金) 22:09:29.60 ckTS6w2jO 「ねぇねぇ愛美と同じ!僕可愛いかなぁ?」 「あぁ、可愛いよ。てか、顔も俺と同じじゃん」 和美は激しく喜んでいた。 こいつは昔から何でも俺と同じにしたがってたからな。 「髪型も可愛くなったし、もっと女の子っぽくなるには一人称とか話し方を変えなくちゃデス!」 一人称ねぇ…。まぁ、確かに女の子が『俺』じゃあ違和感バリバリだな。 「じゃあ、すずちゃん。俺は『私』でいいかな?」 「いいと思いますよ♪かずちゃん先輩は『ボク』が良いんじゃないかなぁ?」 和美は首を傾げると 「僕は僕のこと『僕』って言ってるよ?」 「違いますぅ!『ボク』デスよ♪ニュアンスの違いです!」 そんなもんかね? 「分かった!ボクか♪」 「ボクっ娘は男の萌え心をしっかりキャッチしますから♪」 それ、何か嫌だ。 「それですずちゃん?私達を何処に連れていってくれるのかしら?」 ワザとお嬢様っぽく聞いてみる。 「ランジェリーショップデスね♪二人とも自分の3サイズ知らないでしょ?」 こういう時、ホントの女の子は頼りになると思う。 『うん』 「じゃあ決まりデスね!パパッと行きましょう♪」 *** 486 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 投稿日:2006/10/13(金) 22:41:21.04 ckTS6w2jO そしてパパッとランジェリーショップに着いた。 「いらっしゃいませ~♪」 知性的で優しそうな店員さんがお決まりの挨拶をする。 すると私の後ろにいたすずちゃんが 「いらっしゃいましたよママン♪」 「あら、すず?どうしたの今日は?」 ママンってことはすずちゃんのお母さんなんだろうか?凄く若いな…。 「んとね~、先輩達が女の子になっちゃったから服とか買いに来たのデス。まずは下着から買おうと思ってママンのお店に来たのデスよ♪」 「そうなの。双子さん?凄く可愛いわね。初めまして私はすずの母の美鈴(みれい)です」 今日一日で誉められるのには慣れたつもりだったけどやっぱ少し照れる。 「私は大谷 愛美です」 「ボクは妹の和美です♪」 私達も美鈴さんに挨拶を返す。 「挨拶はもういいデスよぅ!ママン?二人のサイズ測っちゃってね♪」 美鈴さんはすずちゃんの頭を撫でる。 「すずは大谷さん達の胸が大きいのが気になってるんでしょう?」 「エヘヘ~♪」 美鈴さんは微笑むと 「そうね。それじゃあ二人ともこっちに来てくれるかしら?」 そう言われて私達は美鈴さんの後に続く。 *** 644 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/14(土) 14:49:34.94 HnxrPu+kO 「それじゃあ、バストのサイズからね。二人とも並んで」 そう言うとメジャーを取り出し私の背後から巻き付けた。 乳首に触れてくすぐったいけど測り方なんて知らないからお任せするしかない。 「まずは愛美さんからね。えっと………トップが93センチ………アンダー70センチだからカップはF70っと」 次は和美の番だ。 「和美さんは………あら、愛美さんと同じだわ。二人とも形も良いし羨ましいわ♪」 そう言って微笑んだ美鈴さんの顔はすずちゃんと同じで、親子なんだなと思った。 続いてウエスト、ヒップを測ったのだが二人とも56、84と全く同じ。 すずちゃんはFと聞いてずっと羨ましそうな顔をしていた。 下着は美鈴さんに比較的安くて品質の良いものを数点選んでもらい購入し、お店を後にした。 …それにしても女の子の下着って高いな。 母さんに貰ったお金と女体化証明書が無ければ、今月のお小遣いはスッカラカンになっていただろう。 感謝。 *** 645 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/14(土) 14:54:30.56 HnxrPu+kO すずちゃんに連れられて行った洋服屋さんでジーンズとYシャツをを購入しようとして 「スカートとかも買いましょお!せっかく可愛いいんですから可愛いカッコしないと勿体無いデスよ!」 「そうだよ愛美!せっかくだから可愛いの買おうよ♪」 と言われ、スカートも買うことになった。 …でもな和美、昨日まで男だった私にはフリルだらけのスカートとかを履く勇気は無いよ。 和美はなんで平気なんだろ? その後、靴やら化粧品やら色々と購入して時間が経ち、空は茜色に染まっていた。 「もうこんな時間デスか…。先輩達、今日は女の子の買い物をしてみてどうでしたか?」 すずちゃんが聞いてくる。 「女の子って必要な物が多いんだなぁ……。それにお金がかかるんだね。でも、買い物がこんなに楽しかったのは久しぶりかな?」 和美の方を向くと 「うん!楽しかった。すずちゃんのお陰だよ♪」 *** 646 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/14(土) 15:00:15.36 HnxrPu+kO 「エヘヘ♪良かったデス。」 すずちゃんは少し真剣な顔で 「それともひとつ、よっちゃん先輩は女の子としてやっていけそうですか?」 そう聞いてくる。心配してくれているのだろうか? 「大丈夫だよ。確かに慣れないことも多いから男の頃とは勝手が違う。でも、みんなが受け入れてくれたからさ。俺達が女の子になったことを」 すずちゃんは『うんうん』と頷く。俺の答えに納得したみたいだ。 今度は和美の方を向いて 『かずちゃん先輩は?』 「ボクも愛美と同じかな。だから男の子であろうと女の子であろうと楽しくやってけると思うよ」 すずちゃんは俺達の間に入ると手を握り 「じゃあ、女の子おめでとう記念に何か食べて帰りましょお!」 『すずちゃんの奢り?』 俺達は声を揃えて聞く。 「割り勘デスよ!」 *** 56 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/16(月) 00:38:12.91 A9R+W5wlO 三人で話し合った結果、おしるこが美味しいと評判の甘味屋さんで食べていくことにした。 「私はおしるこにするけど和美とすずちゃんはどうする?」 「ボクもおしるこ♪」 和美は即答。まぁ、私と同じものにするとは思っていたが。 「う~ん………すず、今日はあんみつにします!おしるこも美味しいデスけどこっちも捨てがたいので♪」 暫く喋っていると注文したものが運ばれてくる。 おしるこからはホカホカと湯気が立ち昇り、食欲をそそる。 『いただきま~す♪』 … …… 「やっぱりここのおしるこは美味しいよね愛美?」 「えぇ、そうね。久しぶりに来たけれど美味しいと思うわ」 甘いことは甘いのだが、すっきりとしていて上品な味わいだ。 「それにしても、よっちゃん先輩?話し方が変わっただけなのに随分女の子になりましたねぇ。すず、ビックリです!」 それまであんみつに夢中だったすずちゃんが口を開いてそう言う。 *** 57 名前:愛犬はたける ◆vB1u/d29UI 本日のレス 投稿日:2006/10/16(月) 00:46:49.51 A9R+W5wlO 「確かにすずちゃんの言う通りだね。ボクなんかより全然女の子だもん愛美」 和美は男であっても女であっても変わらずいられるだろうからそのままで良いと思う。 でも俺はどうだろう? 意識して女の子に成らなければ男であった自分に少なからず未練を持ってしまうような気がする。 「男には戻れないんだもの。どうせだからきっちりと女の子に成って人生楽しもうと思ってね…」 すずちゃんはニコっと笑うと言った。 「前向きでいいと思いますよ♪これからは女の子同士デスから今まで以上に仲良くしましょおね♪」 『うん、そうだね』 そんな話をしていると店の扉が開いた。 ふと、目を向けるとよく知った顔 「ねぇ、すずちゃん。あの人…」 俺が指を指す。 180センチはある高くスラっとした背丈。その割に小さな胸。 短く切り揃えられた髪、気の強そうな感じの太い眉。爛々と輝く瞳と、発達した犬歯はヤンチャな少年を思わせる。 「ん?………あぁ~っ!!乙女ちゃんだ!」 名前とは対極にある姿形をした少女。 本日学校をサボった我が部の部長であった。

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