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dive into the chaos 無才C判定 ◆8JqZBHfJBk」(2006/10/22 (日) 11:10:13) の最新版変更点

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*** 268 名前:無才C判定 ◆8JqZBHfJBk 投稿日:2006/10/08(日) 19:32:45.44 nW/t85rvO [dive into the chaos] この小説は人生に疲れ果てた無才がお送りします。 *** 269 名前:無才C判定 ◆8JqZBHfJBk 投稿日:2006/10/08(日) 19:37:49.70 nW/t85rvO 蜃気楼は水蒸気の見せる幻影だ。 そして……、ホリエモンは小泉の見せた幻影だった。 村上、堀江。彼らは夢だった。 こいつらなら、やってくれる。 格差社会(=アンシャン・レジューム)をぶっ壊してくれる。誰もが信じた。 そして自分もまた、夢を見ていた。 自分だって、やれば出来る……、と。 ブックオフで買い占めたドラゴン桜。 そこに夢を見た者達はどれほど傷つき、打ちのめされたのだろう。 巻末で笑う某ライブドア社長が痛々しい。 そんな彼も今じゃ獄中(バスティーユ)よ…そう思うと不思議と笑いが込み上げた。 *** 270 名前:無才C判定 ◆8JqZBHfJBk 投稿日:2006/10/08(日) 19:42:27.86 nW/t85rvO それらをブックオフに売却しにいったとき、カウンターに出した身分証明書である予備校の生徒証を見た店員は、明らかに自分を見て笑った。 「影響受けすぎっスよwwwwサーセンwww」 ……そんな淀みない思念を自分は感じた。 「死にたい」 男だった時代に買った、印刷の擦り切れた●田沙也のグラビアを眺めて俺は部屋から窓の外を見下ろし呟く。 『趣味はsex』。とんでもないオサセ、というのはこいつのことだ。 こいつのように、気楽に生きたい。 しがらみに縛られた自分の全てを解き放ちたい……そう、あのAAのドクオのように。 *** 272 名前:無才C判定 ◆8JqZBHfJBk 投稿日:2006/10/08(日) 19:54:06.14 nW/t85rvO 丸出しでも、いいじゃないか。先人も言った。 グラスの底に顔が合っても、いいじゃないか…、と。 長嘆息しながら、右手に持ったグラビアを見やる。 純朴な瞳と明るい笑顔。そこに映っている全てが嘘。虚構だ。 芸能界(顔が人間のすべてなんじゃあゲハハハハ=社長の上でバカアイドルがギシギシアンアン=スターの階段昇る君はもうアバズレさ≒この世)が作り出した商品だ。 分かっているのに自分は彼女を捨てられない。 倖田來未じゃだめなんだ。お前じゃ俺を癒せないんだ。 *** 273 名前:無才C判定 ◆8JqZBHfJBk 投稿日:2006/10/08(日) 19:59:40.42 nW/t85rvO 「死にたい」 東 秋子(あずまあきこ)は再び呟いた。 どう見てもお笑いにしか見えません。本当にありがとうございました。 そんなDVDをエ●ベック●から出した裸足で靴を履く男(石●●一)の気持ちがわかった気がする。 彼は、あの世界でしか生きていけないのだ。 股にぶら下がるもて余した棒が、きっと彼をリビドーへと駆り立てるのだろう。 ……頑張れ。 秋子は窓の下を通る通行人めがけて鼻くそを飛ばしながら、この同じ夜空を見上げているであろう彼に、エールを送った。 ぐぅ、と腹がなる。 「腹、減ったな……」 そういやぁ、朝からずっと勉強していて、何も食ってない。 *** 277 名前:無才C判定 ◆8JqZBHfJBk 投稿日:2006/10/08(日) 20:14:53.88 nW/t85rvO 微分積分の罠(wanna & gonna)は、秋子の知性レベルには巧妙過ぎた。 「コンビニ………行くか」 秋子は夜の闇へ向かって呟いた。 *** 278 名前:無才C判定 ◆8JqZBHfJBk 投稿日:2006/10/08(日) 20:16:13.38 nW/t85rvO 東北から東京へ。予備校入学をきっかけに春に上京してから、もう半年が立った。 4点。 それは、去年のセンター試験で自分が取った数学の点数だ。数1A2B、トータル。 ちなみに英語は2点。国語は198点。 第一志望だった明治大は足切りだった。 *** 279 名前:無才C判定 ◆8JqZBHfJBk 投稿日:2006/10/08(日) 20:19:41.36 nW/t85rvO 童貞の15、6才の男子が女になる、そんな怪現象がマスコミを賑わせて久しくなった頃だった………、高1の俺が、女になったのは。 スポーツ万能。 容姿端麗。 右から左へ感覚器が入手した情報がディープインパクトの如くにファンファーレを纏って駆け抜ける、柔軟な(ライク・ア・BSE)な頭脳。 それが俺のアイデンティティを構成する堂々たるマックス・ファクターだった。 スタイリングがよくキマる己の髪も愛していた。 ちなみに愛用シャンプーは、メリット。リンス・イン。 地肌が青色1号に染め上げられる、あの爽やかさといったら無い。 *** 282 名前:無才C判定 ◆8JqZBHfJBk 投稿日:2006/10/08(日) 20:24:23.19 nW/t85rvO そのすばらしき日々も、女体化によって全部破滅した。 「秋次(君)って……童貞(ピンクミドリガメ)だったんだ(ね)………」 そう、自分は幾たびも女子と恋人同士になる機会はあった。 だがいつもキス止まりで、貞操を捨てる一歩手前でいつも「今度の彼、オックスフォード大生なの。別れましょ」……というのがテンプレだったのだ。 自分の砂上の楼閣(≒クソの価値も無いプライド)が、音を立てて瓦解した瞬間だった。 ベルリンの壁もこんな鮮やかに散りはしなかったろう。 薔薇は薔薇は、美しく散る……そう、それは真理。扉の向こうへ。 秋子、と改められた名前は、それ以後クラスメートに呼ばれることはなかった。 *** 283 名前:無才C判定 ◆8JqZBHfJBk 投稿日:2006/10/08(日) 20:28:44.47 nW/t85rvO そうして、現在に至る。 くそっ、っと秋子は路傍の石……それは外気に触れ化石と化した犬の糞に過ぎないのだが……を蹴り上げた。 なぜ自分があんな思いをしなければならなかったのだ、と唇を噛み締める。 ピタゴラス、アリストテレス。 どうか神様、彼らの頭の上に幼女を落として、彼らの左脳をクソミソにして下さい。 今年の七夕はそう願った。雨の降りしきる夜空を見て、したり顔で、……織姫(オボコ)と彦星(チェリー)の儚い逢瀬を憐れみながら。 ……数学が出来る奴なんて、みんな、阿部さんに処女を奪われてしまえばいいんだ。出口…そう、EXIT(≒所謂ア●ル)の。 秋子は星も見えないマッドダークネスな空に願をかけた。 *** 284 名前:無才C判定 ◆8JqZBHfJBk 投稿日:2006/10/08(日) 20:30:27.50 nW/t85rvO 「いらっしゃいませ」 夜になり車の通りも少なくなった車道を渡り、マンションのすぐ向かいコンビニへ足を踏み入れる。 殺虫灯がバチバチと鳴り響く自動ドアが迎え入れる、蛍光灯の光が満ちた店内。 ここだけが自分を癒してくれる。 (茶と、肉まん買ってこう) そう思ってドリンクホルダーへと足を向けたが、ふと、横の雑誌コーナーへ秋子は目をとめる。 週刊少年ジャソプ。 (もう何年も呼んでいないな…) 彼女は胸の奥で嘆息する。 勉強疲れでもんわりする頭に刺激が欲しかった。 秋子はペット茶とそれを手にとり、レジへと向かった。

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