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探偵(職業探偵でなくても可)と、助手(職業助手でなくても可)
殺人事件現場にて

「若様、若様」
「こら猫介、『館花先生』と呼べと言ったろう」
「若様は僕に先生と呼ばれるほど立派なお方でしたでしょうか」
「……間をとって『若先生』で許してやる」
「では若先生、今日のこれはどういったお遊びなのですか」
「当屋を知っているな」
「勿論ですとも。 若先生ととおぉっても仲のよろしい当屋一馬さまでしょう」
「お前はあいつのことが嫌いだったな……。 まあその当屋がな、
先日推理小説を書いて賞を貰ったのだそうだ。 本を送ってよこしたが
あいつの本なぞ読む気になれなかったからな、とりあえず書店に売っていた
推理小説を一通り読んでみた」
「面白かったのですか」
「猫介は読むなよ。推理小説と言うのは大抵人が死ぬからな、子供が読む物じゃあない」
「そんなことを言ったら新聞も読めませんよ若先生」
「む、確かに。では今度面白かったのを貸してやろう」
「ありがとうございます。で、今日のこれはどういったお遊びなのですか」
「ここまで言っても分からんのか。探偵ごっこだ」
「僕にはよく分かりませんが、探偵と言うのは白い燕尾服を着ているのですか」
「服装は色々だ。しかしどうせなら一目で探偵だと分かる、目立つ格好がいいだろう」
「忌憚のない意見を申し上げさせていただきますと、今の若様は手品師か芸人にしか
見えません」
「私が記憶している限り、お前の言葉に忌憚があったことはないぞ猫介。あと若先生と呼べ。
それでお前は探偵助手だ」
「こんな上等な服を誂えていただいたのはありがたく思いますし、若先生の格好と比べて
ずっとまともなのも嬉しいのですが、探偵助手というものは半ズボンを穿いているのですか」
「子供ならな。本当は私とお揃いにしようと思ったのだが、親父に殴られたからやめた。
せめて対になるように黒を選んだのだ」
「それは旦那様にお礼を言いに行きませんと」
「お前は私のなのだから、親父に礼など言わなくていい」
「…………」
「…………」
「この死体役の方は名俳優ですね」
「……いや、それは本物だ」
「リアリティを追求なさるのは結構ですが、それは犯罪です」
「新鮮な死体を製造したわけではないぞ」
「運んでくるのも駄目です」
「違う違う。死体を手配したのは私ではない」
「では警察を呼びませんと」
「そうだな。探偵というのも案外つまらないものだ」
「犯人を探すとおっしゃるかと思いましたが」
「もう分かった。とっとと警察に突き出そう」
「……若様の頭脳は館花家の宝ですね」
「持ち腐れだがな。もっと面白い遊びを考えねば」
「お暇なら今度は僕の遊びに付き合ってください、若様」
「珍しいことを言うじゃないか」
「ええ。夜に、ベッドで」
「…………」
「ね、先生。いいでしょう?」