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ttp://www.excite.co.jp/News/bit/00091129788010.html「抱擁売ります」

「笑うよね。このニュース。抱擁を競売?そんな、たった一度で癒されるんだったら、僕は義兄さんとこんなになってないのに。」

義弟と初めて会った時、俺は17で義弟はまだ15だった。週に一度、訪ねて来てた父親が、お前の義弟だと言って公園で会わせてくれた。
忙しい父親と奔放な義弟の母親のために、幼いころから、孤独に慣らされていた義弟。
「乳母を母親だと勘違いしてたんだ。」
義弟が、ぽつりと話す思い出は、いつも痛い。
義弟が、家政婦とふたりだけで取り残されてた誰も居ない広い家には、無機質で不毛な時間が流れていた。

俺と半分だけ血の繋がった愛情に飢えてた少年。学校の事、友達の事、その日あった些細な話を、聞いてくれる肉親は俺が初めてだったらしい。
本当はただ抱き締めてあげるだけで良かったのかもしれない。
でも、肉親としての愛情を育むには、俺たちの出会いは遅すぎ、抱擁を性と区別するには、俺たちは幼な過ぎ、体も激しい変化の過程にあった。

「今のは、後悔してるって意味なのかな?」
「ううん。あんな偽善家の自己宣にありがたがって乗る、馬鹿な世間がおかしいだけ。」
義弟は笑って、首を振った。