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一本勝負(待ったなし)

こんなもんで決めようなんて言わなきゃよかった

利き腕に全身全霊の力を込めながら俺は早くも後悔していた。
一週間前、俺は同性の親友に告白した。
拒絶されてもう二度と口すら聞いてもらえないかもしれない
なんて覚悟のもと、当たって砕けろぐらいのつもりで告白したけれど
驚いたことに結果はOK
なんとそいつも俺のことが好きだったというのだ。
もう信じられないぐらい嬉しくて、あの時の俺は間違いなく世界一幸せだった。

問題がでてきたのはその後
キスもしたし、なんというかそろそろ次のステップを踏みたいなというところで
意見の相違が出た
俺もそいつも相手を抱きたかったのだ。

しばらく膠着状態が続いていたが、それもいよいよ限界になってきた。
俺の腕はもう限界だ。ブルブル震えて殆ど根性で支えている。
根性の源とするところはただ一点
女役はやりたくない!!
お互いの意思を知った時はそれなりに真剣に悩んだ。
客観的に見て女っぽい容姿のやつがその役をやるべきという話になったものの
俺たちは身長も体格も同じぐらいだったし、容姿も女っぽいということはなかった。
経験値も同じぐらいっていうか、お互いよく近所のマックで彼女できねーってダベってたから
今更ハッタリもできねぇし
その時の気分で決めるってことでよくね?とりあえず今回はお前が女役やれよって言ったら
お前それそのままのポジションをズルズル続ける気だろ?とか指摘されたし
…バレたか、鋭い奴め
そんな経緯があって今、俺たちはポジションを決める勝負をしている。
勝負方法は簡単、腕相撲一本勝負だ。
冷静になってみると我ながら馬鹿なことしてんな、と思うけどここは冷静になっちゃ負けだ。

だが先ほど言った通り、俺はピンチだった
もう無理
マジで血管ブチ切れそう
俺の限界が伝わっているのか、目の前のあいつが一瞬だけ余裕の表情を浮かべた。
「待ったはなしだぜ」
声は出さなくても唇がそう言っている。
…畜生、コイツの唇こうしてみると柔らかそうだなあ
そう言えばキスもまだ一回しかしてないんだっけ
あの時はガチガチに緊張してたから、柔らかいとか考える余裕もなかったけど
今は無性に唇に口付けたい

気付いた時、俺は腕をふりほどくと驚くあいつを押し倒して
唇に齧り付くようなキスをしていた。
あいつがしきりに抗議の声をあげているが、わりぃ止まりそうもない
こっから先はホントの待ったなしの一本勝負にするからさ
そう思いながら、俺はあいつの服のボタンに手を掛けたのだった。