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教育実習生と二人の攻め、担当指導教諭、成績優秀だが素行のあまり良くない学生

教育実習なんて、高校の頃は、教師の卵をいじめて、教師ってつらいもんなんだよ、
って生徒が教えるイベント、とか思っていたんだけれど。その教師の卵を自分が
やるなんて、全く考えていなかった。
それもこれも、就職難の時代が悪い。三流大の文学部なんていう、つぶしのきかない
大学に入学した俺に、残されている道なんて、国語の教師ぐらいしかなかった。
「先生、分からないことがあるんだけれど、放課後教室で教えてもらっていい?」
なんて、クラスでも1・2を争うぐらい素行のあまり良くない生徒に言われた瞬間、
気づいていたんだよ。
だって、俺も高校時代にやったもん。
放課後に、教室で待ち構えて、生徒を殴れない教師を、教室の隅に追い詰めて、
泣くまで罵詈雑言投げつけたり、クラスで頭いいヤツ何人かに協力してもらって、
泣くまで難しい質問しまくったり。
とりあえず、泣くまでいじめて、次の日学校来れるかどうか、ゲーム感覚でやってた。
それがまさか、自分にふりかかってくるとはなー。思ってもみなかったな。
でも、しょうがない。自分のやったことが返ってきただけだし。
俺は、意を決して、教室のドアを開けた。
…やっぱり。教室の中には、5人の男子。うちのクラスの、悪いヤツから数えて5人だ。
俺が来ると、ニヤニヤ笑って、囲まれた。いつも思うけど、最近の子供はでかいから、
囲まれるとまわりが見えなくて、怖い。
「何だ? 質問って。先生が答えれることなら頑張って教えるけど…」
自然と、語尾が小さくなる。怖いなー。あの時の教育実習の先生も、こんな気分だったん
だろうなー。ごめんなー、先生。
囲まれた正面から、ヤツが出てきた。一番でかい。
「先生、実はさ…。俺、先生のこと気に入ったみたいなんだけどさ」
「へ?」
「男同士のエッチって、どうやったらできるか、教えてくれね?」
顔が、ずずずと近寄ってきた。
待て待て待て待て。その展開は、俺の頭にはなかったぞ。
囲まれた時点で、もう泣くまで罵詈雑言か、悪くても殴られるぐらいかと思ったけど。
何だ、その新しいバリエーションは。これが、世代の違いってヤツか。
「…先生、黙ってるってことは、OKでいいってこと?」
「いや…ちょっ…えーっ!? いやその…」
俺は、あまりのことに、言葉をなくした。その間に、俺の右腕、左腕、腰、といったふうに、
まわりのヤツらが俺の動きを封じていく。そして、襟をつかまれ、ワイシャツの第一ボタンが
はじけとんだ瞬間、これが冗談でないことを知った。
「えーっ!? いや、ちょっと待て! お前ら! 話せば分かる!」
「話さなくても、エッチの仕方なんて、俺ら分かってるよ!」
いやそういうことじゃなくて。
あたふたする俺を尻目に、手際よく、ネクタイが抜き取られ、ワイシャツがスラックスから
たくしあげられる。え、これってマジなのか? そんなの、俺の高校時代には発想として
無かったぞ!? マジ!? いや、ちょ、下着にまで手をかけるのはやめて! いやーーっ!

「コラ! 新米の教師を困らせるのは、そこまでにしなさい」
あまりの出来事に、涙がにじんできたあたりで、呆れたような声が降ってきた。
囲まれている俺には、姿は見えなかったが、声で誰かは分かった。
「先生! た、助けてー!」
生徒は、俺の声と、先生のため息に、ゆっくりと手を離していく。
「…邪魔すんなよ、先生」
「バカタレ。校内で無法行為がまかり通るわけないだろ」
パン、と、何かで生徒が叩かれる音が聞こえたと思ったら、生徒が俺を解放してくれた。
やっと先生の姿が見える。あー、先生、カッコイイ…。
先生は、俺を自分の後ろにかくまうと、生徒を一人一人パン、パン、と頭をはたき、
「帰りなさい」と言った。生徒は、しぶしぶと従う。一人だけ、アイツだけが残った。
「…校内はダメだったけど、校外はどうなるか、分かんねぇからな」
アイツは、俺をひたりと見据えてそう言った。俺は、心の底からふるえあがって、アイツが
ゆっくりと教室を去るまで、俺は先生にしがみつきっぱなしだった。

その後、俺があまりにもおびえるから、先生が車で家まで送ってくれた。
「あの時、僕を泣くまでいじめた生徒とは思えないぐらい、情けないですね」
と先生が言って、はじめて、俺は気づいた。指導教諭の先生が、あの時の教育実習生だったて。
「君をこらしめるには、教育で厳しくするよりも、コッチの方がいいかもしれないですね」
先生は、驚くほどにやさしくそう言うと、いつのまにか助手席の俺におおいかぶさって、
ゆっくりと俺に口付けた。
本日2度目のカルチャーショック。
車を降りた後も、俺はかたまったままだった。
「明日も、一応心配なんで、迎えに来てあげますからね。遅刻しないように」
先生が、そう言った気がするが、俺は玄関に入ることも、返事をすることもできず、かたまったままだった。
教育実習終了まで、あと2日。
その間に、何が起こるんだろう。どうなるんだろう。