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親の言いなり攻めとそんな攻めに対して何も言わない受け

クールビューティーが怒っている姿というのは、
個人的にはとてもそそられる。
ただソレが自分のパートナーだとちょっと話は違ってくるけど。

「そ…それでね。オトウサンが正月には家に帰ってこいって
いうから…。コレ、チケット…」

包丁をまな板の上にドスッと刺すような音がした。
対面カウンターキッチンじゃなくて良かった。
今どんな顔をしているのか、想像するだけで恐ろしい。

「い、嫌ならすぐに帰ってこようよ! 顔だけ見せれば満足するって!」

無言で鍋に火をかける後姿。
マンガでよく見る炎のオーラが俺にも見えるようだ。

「勘当覚悟でカミングアウトしたのはわかるけど、理解してくれたんだしさ」

テーブルの上に料理が並べられた。一人分だけ。いいけど。

「孫の顔を見る機会は来ないんだから、せめて息子の顔は
見たいとか言われちゃうとさァ。俺も弱いんだよ」

この会話を始めて、初めてこっちを見てくれた。
でも般若みたいな顔なので、あまり見ないで欲しかった。

「もう何年も帰ってないじゃない? そろそろ良くない?」

ガツガツと食事を口の中にいれ、サッサと食器を流しに持っていき、
スタスタと寝室に入っていった。鍵を閉める音がした。
俺は今日はリビングのソファーか。寒いんだけど。

プルルルと電話が鳴った。ナンバーを見る。今日の喧嘩の原因だ。

『どうだったかな?』
「無理です。俺じゃどうにもなりません」
『頼むよ。君だけが頼りなんだよ』

泣きつかれても困るんですけど。
自分の親でもないのにいいなりになってる俺は
実はかなりえらいんじゃないかと自分で自分を慰めた。