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日本昔話風

題「ひまわり」

昔、昔のおはなしです。どこかに小さな村があり、そこには幼いふたりの兄弟が暮らしておりました。
素直で働き者の兄と、腕白盛りの弟はたいそう仲が良く、早くに両親を亡くしながらも支えあって懸命に生きていたものですから、村の人々も何かと世話を焼き可愛がる、そんな兄弟でありました。
さて、この村の外れには、村の神様をお祀りするための小さな祠があり、祭事を取り仕切る大人以外は近寄ることすら許されないとされておりました。
寄れば最後、神様のお怒りを買ってしまうと。大人たちはそう言って子供たちを諫めており、子供たちもしっかり言いつけを守っておりましたが、件の弟ばかりは、自分の子供らしい好奇心に勝てなかったらしいのです。
弟は兄や大人の目を盗んで祠に立ち入り、そして、
いつまでも帰らないことを心配した村の衆が見つけ出したときにはもう、物言わぬ冷たい体になってしまっておりました。
兄の悲しみは、想像するに難くないでしょう。なぜ祠に近寄った、ああ自分がしっかり見ていれば、こんなことにはならなかったものを…と泣き叫び、弟の体を抱き締めて放しませんでした。

ひとは死んだら、空にゆくらしい。
そうだとしたら、と兄は思いました。弟は、いつも笑っていた弟は、きっと空高く昇って、お天道さんになったんだろう。
兄は弟の体を抱き締めたまま、空に向かって叫びました。
「ああ神さん、どんな罰だって受けるから、おらを弟に会わせてくれ…!」
その瞬間たちまちに、兄の姿は黄色に輝く大輪の花になり、まっすぐにお天道さんを見据えたまま、ただそこに咲き続けたそうであります。

そして、今も。