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壊したっていいじゃん!

「そのあとのこと考えるとだめなんだ」
肩を落として、テーブルを挟んで向かい合った明弘が言う。声は沈んでいて、聞いてるのが辛い。
「なんで。そんなこと言ったって告白しなきゃなんにも始まらないじゃないか」
「始まるどころか終わるかもしれないだろ。好きじゃないって断られて、そいつと気まずくなるのやだよ」
「はあ、俺にはよくわかんねえそういうの」
「友達関係が壊れるの、怖いんだ」
「壊したっていいじゃん! 当たって砕けろって昔から言うだろ? そのくらいの気持ちでいかなきゃ恋なんて叶わないっていうことじゃないの、明弘くん」
重苦しい雰囲気に耐え切れず、俺は茶化すように明るく言い返した。
「や、だから叶う叶わないじゃなくてさ、春人」
「だーっ、はっきりしねえな! だめでも、気まずくなってもやり直せばいいだろ!」
「やり直せるかなあ」
「いけるいける。俺がそういう立場だったら、頑張って友達に戻ろうって、努力するね。断るほうだってさ、友達じゃなくなるのは怖いし」
「ほんとに?」
「マジで」
「じゃあ、わかった。俺、言うよ」
「よし、そのいきだ!」
急に神妙な面持ちになった明弘に俺はほんとして、グッと親指を突き出した。
「春人、俺、俺……春人が好きなんだ」
「ああ、そうなんだ……はっ?」
「春人が好き、大好き。だから嫌いにならないで」
明弘がテーブルに乗り出し、さらに俺に掴みかかって言った。
「あ、あ、えっと、うん」
物凄い真剣な声と表情に押されて、俺は思わず頷いていた。
でも、俺が明弘を嫌いになることなんてありえないけど。