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手と手が触れた

話しかけてもほぼ無視。あいつは昨日のケンカをまだ引きずってる。
悪いのは僕じゃないって、向こうも分かってるはずだ。だからこちらからは謝らない。
今日のパーティにはただでさえ知り合いが少ないってのに、あいつがあんなんじゃ、喋る人間がいない。
つくづく自分の人見知りっぷりに嫌気がさす。
さり気なく隣に座る。あいつは僕を一瞥して向かいの人間と喋ってる。あいつの社交性が羨ましい。
机の下に置かれた手の横に、さりげなく自分も手を置く。
触れたとき、やつの手が少し動いたところをみると、向こうも気にはなっているらしい。
でも、意地でも話しかけてこないんだな。笑っている横顔にムカついてくる。
誰かが僕の名を呼んだ。
苛ついていた僕はいいきっかけができたとばかりに、席を立とうとした。
でも、できなかった。
机の下であいつが僕の手を掴んで離さない。
あいかわらずこちらを見もせずに、やつは向かいの席の人間と喋ってる。
どうすべきか。

僕は自分の手の上に置かれたあいつの手を握り返した。