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思い出のなかに生きる人と見守る人

会話の途中で目が不自然に揺れたのに気づいてしまった。
テーブル横の通路をトレーを持った集団が通りすぎる。
夕方のファーストフード店。学生らしき客が多く、店内は雑然としていた。
この席もそうだった。
確か、クラス委員長の山本の彼女が可愛いらしいという会話だった。
「で、可愛いって何系よ?」
何も気づかない振りをして話の続きを促す。
「ん、あー…、あっ○ーな?らしい」
「マジか!それは意外なとこきたな」
だよな、と笑う。さっきの一瞬なんてなかったことになった。
これでいいんだと安心する。
たまに見せる表情に本当は気づきたくなかったんだ。
いつも同じ他校の制服を目で追うことも、その似合わないピアスを触る癖も知ってる。
ワックスを変えた時に微妙に避けられていたのも分かってた。
だけど理由は知らない。知りたくもない。
なぁ、もっとくだらないことを言って笑おうぜ。
その方がお前には合ってると思うんだ。
ポテトをかじりながら山本尾行計画を立てるお前が、そんなお前が好きだよ。