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堅物×飄々

「いつまでいる気だ」

視線もよこさずに冷たい声で俺に言い放った
少し暗い部屋の中でアイツの顔が青白い光を受けている

「そうだなー、お前の仕事が俺にかまってくれるまで、かな」
わざとアイツの声とは正反対の間延びした声で答えてやる

「それならお前はずっとここにいることになるな。いい迷惑だ」
相変わらずその視線はディスプレイへと向いたままだ

「そーんなつれない事言うなって。早くそれ終わらせて飲みにでもいこうぜ」
いつものように軽い口調で誘ってみた

「お前なら電話一本で相手してくれる奴が見つかるだろう」
「ばーか、今日はお前と飲みたい気分なんだって」
わざとアイツの台詞を否定しない
そしてわざといい加減な理由で固める

しばらくしてキーボードとマウスの音が止み、代わりに紙を捲る音が響いてきた

「なーなー」
口を尖らせて話しかける

「おーい」
少し大きな声で呼んでみる

聞こえてくる返事は紙を捲る音だけ

「わかったよ、邪魔して悪かったな。今日はタカヤあたりでも誘ってみるわ」
そう言いながら立ち上がり、携帯を開く
少し暗い部屋の中で俺の顔が青白い光を受ける

「じゃあまたなー、次会うときは機嫌なおしとけよ」
光を放つ携帯を持つ手を軽く挙げて部屋を出た

今更アイツに本気になんかなっちゃいけない
アイツの視線がディスプレイの上をなぞっていないと気づいていても
紙を捲る速度が笑えるくらいに早いと気づいていても
素っ気ない態度をとるアイツの気持ちを汲んでやる事しか出来ないんだ