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君だけは笑っていて

死にネタ注意!

「自分が生まれたとき、周囲の皆は笑っていて自分は泣いていた。
 だから自分が死ぬときは、周囲の皆が泣いて自分は笑っていたい」

そんな言葉があるけれど、俺は…俺の望みは違う。
せめて、最期の時は、最愛の人の笑顔を見届けて逝きたい。
愛してるよって告げて、二人とも笑顔で最期の時を過ごしたい。
だって、君は笑顔が素敵な人だから。

でも現実はそうはうまくいかなくて。

白い壁と天井をバックに、君はいつも泣いている。
俺の顔を見るたびに顔をくしゃくしゃに歪めて、涙を流している。
ああ、せっかくの美男子が台無しだ。
…なんて…その涙の原因は俺なんだけど。
でもやっぱりもう一度笑顔が見たいな。

「わ…ら…って…?」

渾身の力を振り絞って、最期の言葉、最期の願いを君に伝える。
その言葉は君の耳に届いたけれど、願いまでは君に届かなかった。
だって、君はますます顔を歪めて首を何回も横に振ったんだから。
残念だな…最後に見た君の表情が泣き顔なんて…。
ダメな恋人でごめんな…。

往生際が悪い俺は、もう一度だけ君に願う。
向こうの世界に行くまでは君のそばに居るから、
葬儀が終わってからでも……俺のこと忘れてからでもいい。
君だけはずっと、ずっと、笑っていてください。