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神様

横断歩道、突然目の前に現れた車体。なにが起きたのか判断する間もなく目の前が真っ白に染まり数秒の浮遊感。
あ、もしかしてこれやばい? 思った瞬間固い何かに叩きつけられ一瞬呼吸が止まった。
体中がびりびりと痺れ、あたまの中身が揺れる。
目の前にはコンクリート。赤い何かが広がって、あれ、俺死ぬ?
冗談じゃない神様。俺にはこれからやらなきゃならないことがあるんだ。
今日こそは今日こそは、思い続けて一年間。恋愛運は二重丸。おみくじは大吉。やっと踏ん切りがついたんだ。
あいつに言いたい事があるんだよ。
いっつもからかってばっかりだけど、俺はお前が好きなんだ。笑った顔も怒った顔も困った顔もぼーっとしてるときも、全部好きなんだ。
冗談じゃねえよ、これからあいつに伝えに行くところだったんだよ。待ち合わせの時間がもうすぐなのに、約束破るわけにはいかないんだよ。
初詣の時ぐらいしか祈った事なんかないけどお願いします。せめてあいつに一言だけ、気持ちを伝えさせてくださいおねがいしますかみさま








「ゆー、たぁ…っ! 起きた…!?」
つぎに目が覚めたのは、真っ白い部屋。枕元には顔を涙でぐちゃぐちゃにしたあいつ。
笑った顔も怒った顔も困った顔もぼーっとしてるときも全部好きだけど、泣いた顔は嫌いだな。
体中痛いし、いまいち何が起きたのかはわからない。
首も腕もギプスで動かないし、脚もどうやら吊るされてる。でも、どうやだまだ生きてる。
神様は俺のお願いを聞いてくれたんだ。
「ひろき…」

ありがとうございます神様。これからは善行に励んでひろきも絶対泣かしたりからかったりしません。
「好き だ」



涙いっぱい溜めてまん丸に見開いたびっくり顔が、数秒して笑顔になった。