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魔王に育てられた勇者

彼は世界の運命を変える力そのもの。
彼の背中に印が浮かび上がる時、彼は闇を滅ぼす強大な存在となる。
だが、闇の生け贄になれば最後、逆に闇の力を増大させてしまう。
生まれた日に両親は闇の王に殺され、赤ん坊の彼は簡単に奪い取られてしまう。
王は印が浮かび上がる時まで、よけいな考えをうえつけられぬよう、
彼を隠して大切に育てた。
人々は、彼は両親と共に殺されたものと諦めていた。

彼は何も知らぬまま、いつしか精悍な顔だちのの青年になる。
そして人の姿に化けた王だけが彼の全てだった。
「僕はとうとうあなたの背を越えました。でもあなたは昔と全く変わりませんね」
「私は歳をとらない生き物だからね」
「僕は違うんですか? あなたと僕は違うんですか?」
「お前は最近、何でも不思議がるな。これだから人間は」
王は困ったように彼の頭を撫でる。本当に大きくなったものだ。
もう間もなく、もう間もなくだ。印が浮かび上がる日も近い。
その時心臓をえぐり取れば、王は莫大な力を得ることができるのだ……。

「おいで」
と呼べば、何の疑いもなく、子供のころのように、彼は王に抱きついてくる。
無邪気な顔が王の気持ちを揺らがせる。

彼を殺すことはとても簡単だった。
それは王をとてつもなく苦しめた。