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教会の息子と寺の息子が付き合ってる

「ちはー、三河屋でーす」
「またあなたですか!まったく毎日毎日!なにが三河屋なもんですか!」
「おう、お前も毎日こんなとこでお仕事ご苦労さん。
ところでお布施くれよ、腹へってんだよ」
「あげませんよ!毎日言ってるでしょう!
私の父なる神はイエスキリストだけなんです、
異教徒の台所事情なんて知りません」
「なんだよー、今日も駄目か。
じゃあワインとパン頂戴、あとできたらナッツとかも」
「昼間っから何言ってるんですか!まったくあなたは!
本当にしょうがない!あなたみたいな人が跡取りになれるようじゃあ、
日本の仏教に未来はありませんね」
「なんだよ、怒ってんなよ。お前、そんなに寺嫌いかよ?」
「嫌いですよ!」
「そっか。残念だな」
「え、な、何がです」
「できたらさ、今日あたりうち案内してえなーと思ってたんだ。
兄ちゃんにも紹介したかったしさ、でもまあ、嫌いなんじゃしょうがねえよな」
「え」
「そんじゃ、腹へったし帰るわ」
「ま、待ちなさい!いいです、行きます!」
「え?まじで?でも嫌ならそんな」

「別にお寺が嫌いなわけじゃないんですよ!
ただ、あなたがあんまりナマグサだから!」
「生草?」
「それに!お寺って裏にお墓があったりするじゃないですか!
それがちょっと苦手なだけで決して嫌悪しているというわけでは」
「え、何お前、怖いの、墓とか」
「……あっ」
「神父のくせに、墓怖いのかよ、うっわー」
「怖いわけじゃありませんよ!怖いなんて誰も言ってないでしょう!」
「へー。ふーん」
「怖いんじゃなくて苦手だって、ちょっと!聞いてますか!」
「おう。じゃあさ、今日夕飯食いにこいよ。家族に紹介すっから」
「……ええ、わかりました」
「その後まったり散歩でも行こうぜ」
「ええ、わかりま……散歩って、肝試しじゃないでしょうね?」
「違う違う、寺ん中案内するだけだって。
まあ寺の中にはそりゃあ?墓もあるけど?」
「もう!何なんですかあなたは!塩撒きますよ!」
「塩って!お前神父だろ!塩でお清めすんなよ、聖水とかにしろよ」
「うるさいですね!もうあなたはさっさとお隣にでも行って下さい、
私にも仕事があるんですから」
「は?隣?何で隣?」
「お布施集めてる最中なんでしょう」

「は?隣?何で隣?」
「お布施集めてる最中なんでしょう」
「お布施って。お前、俺が本当に毎日お布施もらいに
このあたり練り歩いてると思ってんのかよ」
「違うんですか」
「こんな毎日毎日やるわけねえだろ、非常識な。怒られるっつーの」
「な!私に対しては非常識でいいって言うんですか!」
「違うって、お前馬鹿だな」
「馬鹿とはどう言う意味ですか、本当に失敬な人ですね、あなたは!」
「分かんねえならまあ、いいんだけどさ。じゃあ、俺帰るわ。夜な!」
「あっ……もう、来るのも急なら、帰るのも急なんですから。
……なんですか。いつもはもっと居座ってるくせに……。
ああそうか、夜の準備を……まったく、こんな時間から張り切る事なんて、
何にもないじゃないですか。本当にあの人は、もう。
…………ああ、今日の夜、何着て行きましょう?」