はじめてのおつかい

「『ベルナード通りのメリーナさんにこの手紙を届けてください』…って
これはどう見てもラブなレターです本当にありがとうございました」
「中身を見たら依頼は失敗扱いだぞ」
「いやだって表に堂々とハートのシール張っといて実は中身は『決闘を申し
込み致しますで候』とかいう線はないだろう」
「まあその方が冒険者の酒場に張られるのには適した依頼だと思うがな」
「というか荒くれものが集まる酒場に依頼できる根性があるならラブレター
渡す位楽勝だと思うんだよな。…つーかこの依頼主、あの親父にこの依頼を
渡したんだよな」
「個人的にはウェアウルフをこんぼうで撲殺しに行けと言われた方がまだ気が
楽な気がする」
「やべ、俺ちょっとこの依頼主尊敬しちゃいそう…応援したくなってきた…」
「…やる気が出てきたか?」
「おうよ!千リールの道も一歩からっつーし、それに俺らが冒険者になってから
初めての依頼が勇気ある青年の恋路を応援するってのは幸先がいいじゃねーか!」
「多分そのことわざは間違っている。…幸先がいい、とは?」
「ま、それはこっちの話だな!それじゃーちゃっちゃか行ってちゃっちゃか次の
依頼を貰いに行こーぜ!まだまだ先は長いんだからな!」
「…そうだな。これから、二人で旅をしていくんだからな」
「そういうこと。まあ俺に任せとけって!」
「…何をだ?」
「それもこっちの話だな!」


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最終更新:2009年03月29日 18:11