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何も伝えられないまま

「愛していると言ったら、お前は笑うか?」
「あはは、何の冗談だよ。陽気で頭がイカれちゃった?」
「全てを捨てて、お前と逃げてもいいと考えていた」
「止めといて正解だね。今までの上等な人生を、俺みたいなので棒に振っちゃ駄目だよ」
「最初に会ったときは、お前ほど腹立たしい奴は居ないと思ったのに」
「俺も初めは、そこら辺にいるお堅い軍人だと思ってたよ」
「不思議なものだな」
「そうだねー」
「あの手紙を読んだ」
「お、読んでくれたんだ?破り捨てられるかと思ったんだけど」
「結局、俺がお前を追い詰めたんだな」
「違うって。あのさあ、ちゃんと読んだ?あんたの所為じゃないって書いたよね、俺」
「お前を傷つけてしまった。俺はお前に対して厳しく接するばかりで」
「ンなことないよ。あんたと出会って、俺は随分と救われたんだぜ?」
「そのくせ、本当に伝えたい言葉は何一つ言えなかった」
「うん、それでよかったんだよ」
「……なんとか言ったらどうなんだ」
「あー、やっぱ聞こえてないか」
「目を開けろ。もう一度笑ってくれ」
「俺はここで笑ってるよ。あんたの右斜め上。あんたを見下ろせてるのがちょっと新鮮だ」


「本当は俺も伝えたかったよ。あんたのことが大好きだって」