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腰痛

エーオの趣味はお灸だ。
ジジムサイ趣味だと、何度友達に笑われたか知れないけど、趣味は趣味だ。
つつましやかで人の役に立つ、高尚で素晴らしい趣味だとエーオは思っている。

ビーオの趣味もお灸だ。
ただし、お灸をすえてもらうことだ。
ビーオは腰痛持ちだった。この腰痛は、部活で重い荷物を持たされてぎっくり腰になって以来クセになっているものだ。

エーオはビーオにお灸をすえるのが好きだ。
ビーオは何度やっても熱い痛いと文句を言う。そのくせ、少し時間が経つと必ず眠ってしまう。
その顔があまりにも安らかで、やっている方としてもやりがいがある。
けれども、痛気持ちいというビーオの言葉にはあまり納得できない。
たぶんビーオはマゾの変態なんだろうとエーオは思っている。

ビーオはエーオにお灸をすえてもらうのが好きだ。
エーオはお灸を背中に乗せる時、とても楽しそうな声を出す。
その声があまりにも楽しそうなものだから、やられている方としてもよほどいいお灸なんだろうと思える。
けれども、人が熱がる物を嬉々として乗せるエーオの気持ちが分からない。
たぶんエーオはサドの変態なんだろうとビーオは思っている。

今日もまたエーオはビーオにお灸をすえる。
ビーオもエーオにお灸をすえられに行く。
ビーオは最近、腰が痛くなるのが楽しみにもなってきた。
エーオは最近、ビーオの腰が痛くなるのが待ち遠しくなってきた。

だからビーオは、腰が痛くなると嬉しそうにエーオのところへ行く。
だからエーオは、ビーオが来ると楽しそうにお灸を用意する。
エーオは、他の人にお灸をすえようとは思わない。
ビーオは、他の人にお灸をすえられたいとは思わない。

それがどういうことなのか、二人ともまだ気づいていない。