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本当は両思いなんだけどお互いに片思いだと思っている
(鈍いから両思いだということに気づいていない)

「なぁ、そういえばお前って好きな奴いんの?」
鈍い鈍いあいつが、酒のグラスを片手にそんな事を聞いてきた。
「あ~、……まぁ一応…。気になってる、っていうか、なんかまァそういうのは」
嘘だ、本当は目の前の相手が好きで好きで溜まらない。
そう言った俺に、あいつは驚いたような顔をして。
「マジでー…?!へぇ…知らなかったな。そっかそっか、…ちなみにどんな奴?」
一瞬驚いた眼をしたアイツが、今度は興味深そうに身を乗り出してきた。
この反応で俺は確信した。こいつ、俺ン事何とも思ってねーわ。
…あー畜生。
「まぁ…詳細は秘密だけど。すっげぇ鈍い奴でなー、どうやってアプローチしたもんか責めあぐねてんだよ」
「うっそ。狙った獲物は逃がさない、女殺しのお前が責めあぐねるって、…そうとう筋金入りだね、そりゃ」
それはお前がヤキモチ妬いてくれねーかなぁ、っていう演技だったんだけどな。
「まぁね~…犬のウンコ踏んでも気づかねーようなタイプだからな」
「おいお前コラ。こないだ俺が踏んでたの気づかずにお前んち上がった事まだ根に持ってんのか?」
「ぶはははっは!悪りィ悪りィ」

……そこで気づけよ…お前……

「でもさ、お前の方だってなんだかんだ言って結構鈍いんだから、相手の様子ちゃんと伺ってみた方がいんじゃねー?」


そんな助言を当の本人から貰っちまった俺は、―――取り合えず三日くらい凹んでもいいよな?

よしこの流れなら聞ける。
俺は高鳴りすぎる心臓を押さえ込んで、酒の力を借りてとうとう尋ねてみた。
「なぁ、お前って好きな奴いんの?」
応えはYES―――。
あぁ……、くそ…やっぱりかよ。時々ぼーっとしてるし、なんか物思いに浸った盛大な溜息とかついてるしさ。
でも絶対諦めねぇ。付き合ってる奴が居る訳じゃないみたいだし、オレ超前向きだし!
取り合えずその相手の情報を搾り出そうと質問する。
「―――犬のウンコ踏んでも気づかねーようなタイプだからな」
「おいお前コラ。こないだ俺が踏んでたの気づかずにお前んち上がった事まだ根に持ってんのか?」
「ぶはははっは!悪りィ悪りィ」

本気で爆笑かよ……もしかして?!と期待しちまったオレの青春返せよ…

「でもさ、お前の方だってなんだかんだ言って結構鈍いんだから、相手の様子ちゃんと伺ってみた方がいんじゃねー?」
「――ぁ?うるせーよ、超するどいっての。…まぁ…ほんっと何考えてるか分からんタイプでなぁ…そこもいーんだけどね」
その相手の事を思ったのか、苦笑しながらヘヘっと照れたように笑って見せる。
うわ、これ相当マジっぽい。


そんな友人であり好きな人のニヤけた顔見ちまったオレは、―――取り合えず三日くらい凹んでもいいよな?