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ポケットティッシュ

「何、ポケットティッシュなんて買ってんだよ。駅前でいくらでも配ってる
じゃないか」
「駅前で配ってるのは質が悪いんだよ。保湿ティッシュじゃなきゃダメなんだよ」
「貯金したいって言ってたのユタカじゃん。協力してくれなきゃ、金なんか溜まんないぞ」
「それはそうだけど、生活必需品ってのはあるんだよ」
「生活必需品はティッシュであって、保湿ティッシュじゃない」
「お前、今、全国2000万人の花粉症患者を敵に回したぞ!自分が花粉症じゃないから
って、人を思いやる気持ちを忘れやがって!」
「大体、なんで急に貯金なんだよ」
「...そりゃ、誰にも頼れないゲイカップルの老後に必要なのは金だから...」
「へ?」
「何?お前、俺と老後を過ごすこと、考えてなかったの?」
「...考えてなかった...」
「......何だよ、真剣だったのは俺だけか?」
「違う!違うんだ....オレは、いつまでも今日と同じような明日が来るもんだと思ってて...
老後って、そんな遠いこと、考えたこともなかった」
「俺は、しわくちゃのじいちゃんになってもケイスケと一緒にいたい。だから、必要な努力は
しておきたいんだ」
「...しょうがないな。協力してやるよっ。だから、今後ポケットティッシュ購入禁止な。買うなら
ポケットマネーでどうぞ」
「だから、生活必需品は削れないんだよ!」

翌年の春
「ケイスケ、これ何?」
「保湿ティッシュです」
「保湿ティッシュは贅沢品じゃなかったっけ?」
「生活必需品だと思います。オレが間違ってました。ごめんなさい」
「自分が花粉症になって、やっと俺の気持ちがわかったわけね」
「はい。すみません。ごめんなさい」
「わかればいいんだよ。病院行ったか?」
「うん。薬もらった。...なあ、ユタカ」
「ん?」
「しわくちゃのじいちゃんになっても、花粉症って治らないのかな?」
「治らないだろうな」
「一生分の保湿ティッシュ代も貯めなきゃな」
「ガンガン働いて貯めような」
「うん」