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出版社営業×書店バイト

結局のところ、ほぼ日参するあいつに根負けして初回10だけ平積み、てことになった。
マイナー出版社の無名作家のエッセイなんて普通売れると思わないだろ。
蓋を開けてみればそのまさかだったわけだけど。

「こんにちは」

相変わらず汗びっしょりでやってくる。
変わったところと言えば最近心なしか嬉しそうな気がする。

「数字、見てもらえますか?」
「60入りの57売れ。残が3。ああ、少し展開広げるから30ほど追加してくれってさ」
「ありがとうございます!」

嬉しそうに笑って深々と頭を下げる。
俺じゃねーよ。社員がそういったんだっての。どう見ても5つは年下の俺に敬語使うなって。
ああイライラする。

「じゃあ、展開広げていただくお礼に飲みにでも行きませんか?」

なに言いだすんだと思ったけどタダ酒タダ飯の誘惑にかなうはずもなく。
バイトが終わった後こいつと飲みに行く羽目になった。
遠慮なんかするもんか。どうせ経費で落ちるんだし、と普段自腹では飲まない
高い酒ばかりガンガン飲んでやった。

しこたま飲んでしこたま酔ったらしい。
目覚めたら見覚えのない天井が見えた。

「あー……?」

顔を動かすと心配げに覗き込むあいつと目が合った。

「ここ……?アンタんち…?」
「はい…お送りしようと思ったんですけど住所とか知りませんし。」

すみません、と頭を下げた。だから何でいちいちそこで謝るんだよ。
思考は霞がかかったようにぼんやりとしているけどベッドで眠ったせいか
意外と身体はすっきりしている。

「シャワー貸して。気持ち悪ぃし。」

ありがとうもごめんなさいも言わず傲慢に言い放つとあいつはあわてて立ち上がり、
風呂の用意を始めた。
俺はというとやはりありがとうもごめんなさいも言わず無言でシャワールームに向かう。

一通り身体を洗って、タオルを巻きつけた格好で出て行くとあわてたようにパジャマを
持ってこられた。

「着替え置いておいたのに。そんな格好で風邪でも引いたら……」

顔が真っ赤になってる。クーラーまでついてるってのにまだ暑いとか言うのか?
差し出されたパジャマを受け取らず「いらねー」とだけ言ってベッドに戻った。

「それよかアンタもシャワー浴びれば?つーか汗臭いし」

慌てたようにシャワールームに向かった。滑稽な奴だ。
仕事だけじゃなく普段から友達にもぺこぺこしてんじゃないか?そんなことを考える。
酔って余りまわらない頭にもうちょっとからかって遊んでやろうか、なんて考えが浮かんだ。

巻きつけたタオルを中途半端に身体にかけてベッドに寝転がる。
しばらくするときっちりとパジャマを着たあいつが出てきた。
裸同然の俺を見て目を丸くしている。

「……何か着ないと風邪引きますよ…。」

目を逸らしてうつむいて弱々しい声で言う。ここから見てもよくわかるぐらい真っ赤になっている。
男の裸ぐらいで真っ赤になるな。それともまだ暑いのか?

「別にいらねー。それよか寝るんだろ?来いよ。」
「私は床で寝ます、それより……。」

先ほど差し出してきたパジャマをしつこく押し付けてくる。
押し付けながらも必死に顔を逸らしてこちらを見ないようにしている。

腕を引っ張ってやったらバランスを崩してあっさりと俺の上に覆いかぶさってきた。

「あ……!す、すみません!」

慌てて起き上がろうとするあいつの腕を掴んだまま、空いた方の手で股間を撫で上げてやる。
予想はしてたけど、しっかり勃ってる。

「すっげぇガチガチじゃん。俺見て欲情した?」
「すみません……。」
「ヤラせてやろうか?」