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ツンデレラ

昔々とあるところにツンデレラと呼ばれるツンデレボーイがおりました。
「ツンデレラ! 今日はお城のパーティーだから髪を結って頂戴!」
「ちょっとツンデレラ!? 何よこのお風呂! 糸くずが浮いてるじゃない! 入れなおして!」
「ツンデレラ、ドレスを出してきて頂戴」
義姉と義母はパシりたい放題。
しかし――…。
「うるせぇな。それ位自分でやったら?」
ツンデレラは用意されたボロ屋根裏部屋へとのしのし行ってしまいました。
一階からは「キー生意気!」などの声が聞こえてきますが、かまいません。
ちゅうちゅうと鳴く唯一の友達、ネズミさんをムカつきに任せて力いっぱい足蹴にすると
ツンデレラはベッドにゴロリと寝転び大きなため息を吐きました。
今日はお城の舞踏会。
何でも妙齢の王子様が奥さんを探すために国中の女を集めるという事らしいのです。
楽しいことなどひとつもない。せめて一夜、ご馳走を食べて皆とバカ騒ぎがしたい。
そう思い義母と義姉にお願いをしましたが
「…男が行ってどうすんのよ」
もっともな理由で一蹴されてしまったのでした。

義母と義姉が出かけて行った後、ツンデレラは一人寂しく夕食を食べていました。
すると、どうでしょう。
キラキラとした光が窓から降りてきて、それがみすぼらしい老婆になってではありませんか!
「誰?」
ツンデレラは老婆をにらみつけました。
「私はいい魔女じゃ。ツンデレラ。私が馬車とか衣装とか招待状とか偽装してやるから、
 舞踏会へ行って存分に暴れておいで」
ひゃっほう。
ツンデレラは魔女に素敵なカボチャパンツとねずみとかぼちゃの馬車、そして招待状を貰い
意気揚々とお城へと向かいました。
魔女の忠告を、ひとつ胸に宿して。
――いいかいツンデレラ。0時になると魔法は解けるからね。それまでに帰っていらっしゃい。


お城は生ハムメロンとか生ハムメロンとか生ハムメロンとか、
すばらしく美味しそうな物で満ち溢れていました。
「すっげ! オラこんなうめえもん食うの初めてだ!」
カボチャパンツをはいたツンデレラががつがつと生ハムメロンをむさぼっていると、
横からすっと手が伸びてきました。
「そこの生ハムメロンのお方…一曲踊っていただけませんか」
なんと、王子様でした。蜂蜜色の髪がさらさらと流れ、白磁のごとき白いお顔。
ツンデレラはその美貌にこくりとうなずき手をのせます。
そう。王子様とツンデレラはホモだったのです。

華麗にステップを踏む二人を見て、お城中がざわめきます。
「見て! ホモよ!」
「やだあ、王子様ホモだったの?」
「でも悔しいけどお似合いne!」
ツンデレラはキュンキュンがとまりませんでした。恋なんて初めてしたのです。
やさしくリードされる腕にツンデレラは頬が赤くなることを、おさえられませんでした。
カチッ
時計の音が聞こえました。
ツンデレラが何気に目を見やると既に23:55。
早く帰らねば魔法が解けてしまいます。
「あの…お、俺、もう帰らなきゃ…!」
「あ、君! せめて名前を!」
王子様の手を振り解き、ツンデレラは馬車に向かって走りました。
ありがとう、楽しい一夜を。
あなたと踊っているときは、ただのツンデレではなく、高貴なツンデレでした。
ツンデレラの目からは涙があふれて止まりません。
そのときでした。


「番兵―――――っ!! そのツンデレを捕らえろ!」

「え!?」
王子様の号令でツンデレラの目の前に現れたのは、屈強な番兵が10人ほど。
失礼します、失礼しますと口々に言いながらツンデレラを縛り上げていきます。
「ちょ、ちょっと、あの、あと数分で魔法が!」
「王子様があなたのお名前をご所望です」
「いえるか! クソババアどもにバレたらまたウザったい事になんだよ!」
「ご所望です」
「言えないって…あ、ま、魔法が!」
キラキラとした光がツンデレラの周りをまとったかと思うと、
ツンデレラはパンツ一枚になってしまっていました。
「貴様! そんなみすぼらしい格好で!」
「さっきまでは立派だったんだから良いじゃねえか!」
ぎゃあぎゃあと番兵と言い合いをしていると、いつのまにか王子様が目の前へやってきていました。
「君…僕と、結婚してくれるかい? こんなときめきは初めてなんだ。
 何。僕はこの国の権力だ。スーパーハカーよりえらいんだよ。法律なんて代えられる」
ツンデレラの目からは涙が止まりませんでした。
ロープでぐるぐる巻きにされたツンデレラはこくりとうなずき、王子さまに身をゆだねました。
王子様はそんなツンデレを慈しむように強く抱きしめます。
「ああ、君。乱暴を許してくれ。君を、逃がしたくはなかった」


こうして、ツンデレラと王子様は仲良く毎夜毎夜暮らしましたとさ。
めでたしめでたし