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初めての逆転

「そろそろ俺が上に乗ってもいいと思う」

俺の体に跨ってパジャマのボタンをちぎりそうな勢いの奴が提案してきた。
そろそろってなんだ。そろそろって。

「俺もね、ずっと我慢してたんだ。体が小さいってだけで組み敷かれて」

組み敷くなんて人聞きの悪い。あれは立派な合意があっての行為だろ。
お前だって納得して、女役になってたわけだし。
第一、俺がお前に襲われるなんて喜劇以外の何者でもない。

「理解はしたが、納得はしてない。俺だって男だし、ムラムラしたらつっこみたい」

ツッコミは俺で、ボケはお前な気がする。…はい、すいません。冗談です。ごめんなさい。
とりあえず、話し合いがしたいので降りてもらえませんか?

「寝込み襲わないとヤれないから嫌だ」

やめて、襲わないで。そんな物騒なこと考えないで。
あのさ、まず言いたいことがあるんだ。だからズボン下ろさないで。パンツまで一緒に下ろさないで。

「大丈夫。俺はお前より巧い」

失礼なことを言う奴だ。俺は今まで何人もの奴らを啼かせてきた男だぞ。
あっ、誤解だ。やめろ、咥えるな。ケツの穴をいじるな。変なもの持ち出すな。冷たい。勘弁。
お前もベルトを緩めない。話を聞け。あのな、話せば長くなるんだ。だから一度手を止めて聞け。
五分だけでも良い。いや、三分、一分でも良い。


「俺は亮介であって洋介ではない」

今日だけ部屋を変えてくれという双子の兄からの申し出を受けただけだ。

固まった。でも寸前でよかった。
夜なんだからあんまり足音を立てるな。親父とお袋は下で寝てるんだから。
なんで、ってそんなの知らないって。きっと兄貴は気づいてたんでしょ。この計画。

いきなりそんな真っ赤になられても、困るのこっちだから。
俺、被害者だよ?

あ、兄貴を襲いたければ襲えば良いけど、シーツ類の洗濯は宜しく。俺のだから。
ってかそんな力強くドアを閉めたら壊れるって。
あっちのドア、壊さないでよ。

……

さあ、風呂に行って全てを忘れよう。体の熱は気のせいだ。