「恋は本屋さんで売っている」

最初のきっかけは本屋の店員がお客にぶつかるところから始めようか。
ぶつかった拍子に整理中の本ぶちまけて、それを拾ってもらうついでに
「○○っていう本ありますか?」なんてお客が言い出して。
お客が探してた本は専門書だから当然店には置いてないんだけど、
店員はそれが専門書だなんて知らないから棚の隅々を必死になって探すわけだ。
お客はお客で他の店で棚の在庫も見ないで「そこに無ければ無い」なんて
ぶっきらぼうに言われて仕方が無くてこの店に来たんだけど、
一所懸命に探してくれるその店員の姿にじーんときちゃう。
結局その本見つからないからその店で取り寄せてもらうことになって、
それが縁でお客は足しげく店に通うようになる。

最初はお客は自分が探してる本があるかどうか確認するためにその本屋に行くんだけど、
毎回その店員が探してくれて、でも結局見つからないから毎回取り寄せになって。
いつも探させるの悪いなぁ、取り寄せてもらうの悪いなぁなんて思うようになって、
来たついでに他の本を買うようにしてみたり、
その店員が書いたお薦めPOPがついてる本を買ってみたり。
店員は店員でいつも見つからなくて悪いなぁ、
取り寄せで待たせちゃうの悪いなぁなんて思うようになって、
これまでお客が取り寄せた本やついでに買った本の傾向をさりげなくチェックして、
ジャンルが似たような本を紹介してみたり、好みに合いそうな本を読んでPOP書いてみたり。

そのうち店員の気を引くためにはどうしたらいいかお客が本気で考え出しちゃって、
必ずしもそれが当てはまるわけじゃないのに
恋愛テク本とか恋愛相談本の、それも男女間恋愛のやつとか買い始める。
それ見た店員がお客に好きな子できたのかと勘違いして、
心で泣きながら顔に出さないで最近良く売れてて自分も読んだことがある
その手の恋愛テク本を薦めてみる。

最後は店員が薦めてくれたその恋愛テク本に書いてあったとおりの必勝法の1つ、
「自分がプレゼントしてでも好きな人に読ませたい本」をお客が買って、
それをそのまま店員にプレゼントしちゃう。それでお互いの気持ちにやっと気がつく、と。

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最終更新:2009年04月18日 20:57