※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

探偵

「おまえだったのか」
「もう解っているんだろう」
「なぜだ、なぜ。俺の知る君はそんなんじゃないだろう」
「これが俺だよ、お前が知らなかっただけさ。俺はずっとあの人を愛していた。
あの人は、妻を娶っても、子供が産まれても、俺を捨ててはくれなかった。だからやったんだ。
あの人はもう俺だけのものさ、あの女にも、子供にすら渡しやしない」
くっ、と笑いを噛み殺した彼は、俺が知る彼ではなかった。
「お前がいたからさ」
目が、昏く光った気がした。
「お前なら、暴くと思った。知っていたか、俺はお前を愛した時もあったんだ」
ああ知っていたさ、逃げたのは俺だ、ずっと見ないふりをして遠ざけた。
あんな心地良い関係を崩せるはずがなかった、君への愛情は君が望むものではなかった、
だから、君が俺の相棒を降りるといった時も止めなかった。
あの頃何も言わなかった君は今、こんな風に報いるのか。報いて、堕ちていくのか。
俺が君の心を蝕んだのか、赤く染まったベッドの上の物言わぬ男が、彼を追い詰めたのか。
この、じりじりと身を焼いていく嫉妬はどこへ向けられたものなのか。
犯人を捉えた途端に、迷宮への扉は開かれた。