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被後見人×後見人

「後見人さんもさ、面白くないだろ?こんなガキの世話なんて」
そういう被後見人は、十代の少年にしては背が高く、肩幅もあって、
大人びた顔立ちに浮かぶ表情だけが、まだ子供のそれだった。
「後見人は面白い面白くないでやるものじゃない」
後見人は涼しい顔でそう答える。
まだ若い彼は両親を亡くした被後見人の遠い遠い血のつながってないような親戚で、
そのくせ親戚の誰よりも温かい手を被後見人に差し伸べた人なのだった。
「それに君といると飽きないから、得したと思ってるよ」
にっこりと笑って後見人は言う。
「何それ」
眉を寄せて文句をつけながら、被後見人の頬はうっすらと赤い。
ああ、敵わない。そんなふうに思う。
どれだけひねくれて、わざと傷つけようとしても、
後見人はいつも柔らかく受け止めてしまう。
彼を試すような真似はよくないと分かっていて、
少しだけ後ろめたいその甘さを味わいたいために、
被後見人は同じことを繰り返す。
だからガキなんだよ、と自分で自分を罵りながら。
黙っていると冷たく冴えた顔立ちをした彼の手がとても温かいことを、
何度でも確かめたいのだ。
安堵と、どこか落ち着かない感情をもたらすその感情を、何度も味わいたい。
その感情の名前を知らない被後見人は、確かにまだガキなのだった。