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奴隷青年×坊ちゃん(歳の差)か 坊ちゃん×奴隷少年(同年代)

「ねぇ、父様。どうしてあの子は一緒にご飯を食べないの?
 僕、こんなに食べられないもの。あの子に半分あげてもいいでしょう?」
僕の言葉に、父様はひどく苦い顔をして白髪交じりの眉をしかめる。
その表情は、信じられない物を見たとでも言いたげに、奇妙に歪んでいる。

「ねぇ、父様。どうしてあの子は馬小屋で寝ているの?
 僕のベッド、一人で寝るには大きすぎるんだ。二人で寝てもいいでしょう?」
僕の言葉に、父様は頭から湯気を立てて怒り狂う。
いつもは優しいその顔が醜悪な鬼人のように強張り、振り上げた手が頬をぶつ。

「ねぇ、父様。どうしてあの子はあんなに傷だらけなの?
 お庭にたくさん薬草の花が咲いたんだよ。汁を塗ってあげてもいいでしょう?」
僕の言葉に、父様は悲しそうに黒目がちな目を伏せる。
父様の手には馬術用の鞭が握られていて、よくしなるそれが僕の背に打ち据えられる。

「ねぇ、父様。どうしてあの子は、夜時々父様の部屋に行くの?
 あの子は汚いんじゃなかったの?なのにどうしてあの子を抱えていたの?」
僕の言葉に、父様はにこりと微笑む。久方ぶりに見た父様の笑顔がうれしくて、僕は素直に後を追う。
暗い部屋の中、整えられた寝台には既にあの子が座っていて――。


僕は真実を知る。
父様が見せ付ける真実を知る。
父様が押し付ける真実を知る。

あの子を蹂躪した父様の手が、今度は僕に向かう。
逃げられぬことを悟った刹那――父様の頭に花瓶が振り下ろされた。

「あなたは俺とは違います。だからあなたは、逃げて。早く」
「違うって誰が決めたの? それなら君は、このままでいいの?」
「あなたに危害が及ばないなら。俺の身体でご主人様が満足なさるなら。それで構いません」

僕は初めて人を殴る。
痛む頬を押さえたあの子を無理やり引っ張って、
痛む手を押さえた僕が無理やり引っ張って、
僕らは初めて家を出る――。