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真昼の決闘


「今日こそ勝つからな!」
「出来るもんなら」

「今日も始まったかー」
昼休みの教室の後ろでは毎日“決闘”が行われる。決闘と言っても勿論物騒な意味ではない。
事の始まりは共に剣道部に所属するクラス一のチビ、小西がクラス一のノッポ、大東に試合で負けたことからだった。
負けず嫌いな小西はそれから毎日昼休みになると掃除用具入れから箒を取り出し、大東に試合を臨んでいるのである。
それを誰かが「決闘だ」と言いだし、今では“二年八組の決闘”は有名になってしまった。

「頑張れよー小西」
それを俺と一緒に教室の隅で眺める南原も剣道部員で、度々小西にアドバイスをしているらしい。
「小西もよく諦めないよな」
「そこはまあ…色々あるんじゃない?プライドとか、三年になったらこんな事もしてらんないだろうし」
「三年になるまでに、ねぇ」
タイムリミットはすぐにやって来る。それは俺も同じ。
「こっちの決着はいつ付けようかな…」
「え?何?何か言った?」
「いやー?別に何も」
同じ片想いの悩みを持つ者同士、大東を心の中で応援しつつ「あ、今日北海ん家行っていい?」なんて無邪気に聞いてくる南原の眩しい笑顔を見詰める。

それぞれの決闘の決着がつくのは、まだもう少し先の話。