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うそを吐き通して幸せになる


体にアザを作る日々に嫌気を指した。それに雨が降っても寒さに凍えない生活が欲しいからお金持ちの青年に自分の身を売った。
「お前が自分を買い戻すまで、俺の言うことは絶対だからな」
わざと厳しい表情をして告げる紅顔の美青年に、頭がボーッとする。話の内容が脳に留まらず、外に流れていった。
「わかった」
正直あまり聞いてなかったけど、そう返事をしておいた。

「どうだ? これ、いいだろ。俺が描いたんだ」
笑顔で絵画を見せてくる。絵なんてちっとも知らないけど、美しいと思う。
それなのに……
「別に。なんとも思わない」
「あ、ちょ、待てよー」
そう嘘をついて青年に背中を向けた。
青年に呼ばれたらいつでも会いに行かないといけないのが面倒くさい。
自分を買い戻す金は所持してる……けど。
「おい、お金溜まったか?」
「いや……まだ足りない」
もうちょっとだけここにいたいから、嘘をつく。
体にアザができていたのは机に足をぶつけたからだ。帰る家もある。身を売る必要なんてなかったし、買い戻す金もある。
「お、お、お、俺、お前のことが好きなんだ! 主人とかそういうの関係なく、その……返事、してほしい」
もじもじと顔を赤らめていう青年に頬が緩む。
「主人の言うことだからな。買い戻す金が集まるまで、恋人でいてやるよ」
そう言って青年を抱きしめて強引にキスをした。