※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

バレンタインデー


バレンタインデーだった。
もちろん、俺もチョコをもらった。
マンガみたく、「紙袋いっぱい」ではないが、有志一同みたいなものをいくつか。
親兄弟からまとめてひとつ。
時折、本命チョコがいくつか。
断りの口上は毎年変わらず、だけど今年から本音が混じる。

「悪いけど、付き合ってる人、いるから」

ほんのり浮かべた涙に、少しの罪悪感が沸きつつ、それでもあの人に義理立てしたくて振り切った。
なのにあの人は、渡されるチョコ全部、告白ごと受け入れた。
よりにもよって、俺の目の前で、2つ返事で。
だから、今日の酒のつまみにする予定だった魚肉ソーセージとチーカマ、鮭とばにジャーキー入った袋を
あの人に分投げた上で、ぶん殴って帰ってきた。
着信もメールも無視してやった、ざまーみろ!

と、ふて寝した所で俺の記憶は途切れている。
今目の前には、目のしたに隈を作り、眉間にがっつりシワを刻んだあの人が俺を抱えて寝ていた。

裸で。
俺も裸で。

さりげなく指にはまっていたものと腰の痛みに悶えつつ、俺は落ちていた服からあるものを探り出す。

「1日遅れて渡したら、『嫌いだ』って意味だったっけ」

目の前の人が目を覚ましたら、少しの意趣返しと共に本命を渡すことにした。