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もう会えないと思っていた


岐路に立つ看板の前にて。ある男たちの会話。
「何年ぶりかな」
「何年ぶりだろうね。君は変わらないな」
「そっちこそ」
「面白くない冗談だ。もうよぼよぼの爺さんだよ」
「外見じゃない。中身が変わらないんだ。僕を守ってくれようとしたあの時からずっと、君は変わらない」
「あれから何年経ったかな」
「何年だろう。君を待ってる間、10数えてやめちゃったんだ。ここは風景が変わらない場所だからね」
「そうか。俺もよくわからないな。何しろ必死だったからな」
「エヌ…」
「お前が理不尽な理由で命を奪われて」
「エヌ」
「多くの仲間やたった一人の愛する人、愛する星を失って、正気を保つのなんか無理だったよ」
「もういいんだ」
「だから俺は俺と同じ思いがする奴が出ないようにすべてを壊したんだ。草の根ひとつ残らなかったはずさ」
「エヌ、泣かないで」
「お前にはもう会えないと思ってた」
「僕が君を待たないはずがないのに」
「そうか」
男たちはそっと目を合わせると手をつないだ。そして地獄への長い道を歩き始めた。