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城に潜入して捕まる、お間抜けな忍者さん危機一髪

「……!…何やつ」
「拙者は偸組(ぬすみぐみ)の忍。お主が命、貰い受けにきた!」

月夜に紛れ、寝床へと侵入した、顔を隠した忍者が懐から出したもの。
それは、キラリと月夜に照らされる、一本の――――赤い薔薇。

「………」
「………」
「……私は、薔薇で刺し殺されるのかな……?」
「……馬鹿な!確かにここにクナイを入れておいたハズなのだが!こっちか?いや待てこっちだったか!ッ……これは先日遊んだ羽子板…!くっ……なんたる不覚……拙者達の片腕とも言える武器を忘れるなど……!拙者は……」
ガクリ、と畳の上に崩れ落ちた忍者を見下ろす男の瞳。その口元がクッ……と緩やかな笑みに変わり。
「此れまで色々と刺客は来たが―――ここまで見事な刺客は初めてだな……」
「殺せ……。うっかり自害用の薬も奥歯に詰めてくるのも忘れた愚か者だ……拙者はお主の命を狙う者。ここで逃がすとまた再びお主を殺しに来る。……さっさと殺すが、いい」

男が両手で忍者の頭を掴み、忍者は死を覚悟して目を閉ざし――――
「捕まえた。」
「そう、拙者は捕まっ……な、何故殺さぬ!?情けのつもりか!?お主、一国を背負う者がこんな愚か者にかける情けなど、全くもって無駄でしかな……」
「お前―――可愛いな。殺すには惜しい。理由はそれで十分だろう?」
「………ま、待て!?何故お主は拙者の覆面を剥がすのだ!止せ……!拙者はその気は全く無い!寧ろ無い!皆無とも言う!」

この後、騒ぎに気づいた大臣や側近達が駆けつけたおかげで、忍者は無事に逃げ失せたというが。
その後数十回に渡る襲撃も、見事に失敗に終わったという伝説が残ったとかいないとか。