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躾と盲従


「ふむ、猛獣にはやはり躾が必要か」
何でもないことのように、俺の顎にするりと手を添えながら男は嗤った。

ジャラリと鳴る鎖、噎せ返る程のクスリと血と雄の入り混じった臭い。
親友も両親も、故郷でさえ―全てこの男に奪われた。
もう何もない。
俺には、何も。


「これはまた、随分と綺麗な狗をお飼いで」
「あぁ、いいだろう?この間村を一つ潰した時にね…少し厳しく躾け過ぎたか、私の言う事しか聞かなくなってしまったが」

「だが、美しいものじゃないか。女子供が人形を愛でるのも分かる」


男の手に握られた鎖、その先に繋がれた哀れな狗には盲目的に主人に付き従う術しか残っていなかった。