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引退


「あんた、ほんと分かんねえ」
そう言って、相澤は俺の中に性器をねじ込んできた。立ったままの挿入に、慌てて壁に手をつく。声を我慢すると後ろから舌打ちが聞こえて、乱暴に腰を打ち付けられた。
「ふ…ぅっ」
「もっと、声、だせよ」
いろんな感情をおし殺した声。会えばいつも睨んできて、俺を先輩と認識せず「あんた」と呼ぶ相澤。その相澤から無理矢理されるのは今回が初めてでではなかった。
「…あんた、負けて悔しくねえのかよ」
今日敗戦して、俺たち3年生の引退が決まった。ただ俺は、スタメンになれなかった、ただのベンチウォーマーだ。他のやつらみたいに悔し涙を流すことはなかった。
試合後、相澤が不機嫌そうに俺を見ていたけど、まさかその日のうちに相澤の家に連れ込まれるとは。
「くそっ」
「あ…」
性器を抜かれたと思ったら反転され、背中を壁に押し付けられた。
「泣けよ。あんた、他のやつより自主練もしてただろ。もっと悔しがれよ」
見られていたのか。次期キャプテンになるであろう相澤に。それは、なんというか、恥ずかしい。
「…そういうのは、知ってても言わないもんだ」
「あんたがちゃんと、泣かないのが悪い」
片足を持ち上げられて再度挿入される。向き合って抱かれるのは初めてだった。相澤の燃えるような瞳が俺を捕らえて離さない。
「あんたがちゃんと泣くまで抱くから」


結論から言うと、俺は泣かなかった。だから、相澤の機嫌は最高潮に悪かった。
「あんた、頑固なんだな。ようやく分かってきた気がする」
やけ食いなのか、成長期ゆえの食欲なのか、相澤はつぎつぎに食べ物をつめ込んでいる。すごいなと思いながらぼんやり見ていると睨まれた。
「ちゃんと食えよ」
「もう引退だし、いいじゃないか」
「もともと少食のくせに。ちゃんと食えって」
「…なんていうか…相澤は優しいんだな。まるでお母さんだ」
相澤は手を止め、ぽかんとした顔でこちらを見てきた。
「どうした?」
「あんたの危機感の無さに驚いてる。頑固なだけかと思ったけど…あ…ほ?」
真面目な顔で聞くので、さすがの俺もムッとして相澤の鼻を摘まんでやった。

悔しかったのは本当だ。でも俺以上に悔しがるやつがいたから、泣くになけなかっただけだ。ま、言わないけど。