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幼なじみで妹の彼氏である攻めが好きな受けと恋愛<友情な攻め


「なんで最近一緒に帰ってくれねえの?」
幼馴染にして俺の妹の彼氏である佐々木が、唐突に不満顔で俺の教室に現れた。
切ない。寂しいんだけど。などととぶつぶつ愚痴る佐々木は、今日も地味に鬱陶しい。
妹よ、こんなのの何処がいいんだ。兄ちゃんはお前が分からない。
「昨日だって一緒に帰ろうと思って、俺ずっと待ってたのに。先帰っちゃうし」
拗ねたように唇を尖らせる佐々木は、不本意ながら造作が整っている。ムカつくことに、かっこいい。
ついでに言うなら、優しいし、友情に厚いし。なかなかイイ奴だ。ちっと馬鹿だけど。
正直に打ち明けよう、妹よ。お前見る目あるぜ。コイツすげー優良物件。お前は偉いよ。よく見抜いた。
「うぜえよ。つーか、いいからアイツと一緒に帰ってやれよ。」
「妹ちゃんと?なんで?」
なんでも何も、お前ら付き合ってんだろ。馬鹿か。そんな馬鹿なとこも好きだけどな。馬鹿か。
馬鹿は俺だ。コイツのことずっと好きで好きで、妹の彼氏になりやがったコイツのことまだ諦めきれてない。
どう見ても重度の馬鹿なのは俺の方だった。
そして軽度の馬鹿である佐々木は、そんな俺に構わずじゃれ付いて、なんでなんでと口を尖らせた。
「なんでじゃねーよ。付き合ってんだろ。大事にしてやれよ。俺の可愛い妹泣かしたらお前、殴るぞ?」
「泣かさないよ。妹ちゃんカワイーし。ユウキの妹だし。大事にするし。」
「だったら…、俺のこと構う暇があったら妹のほーに向けてやれ。つーか、名前で呼んでやれ。」
「は?なんで。妹ちゃんと付き合ったらユウキ構っちゃいけないの。遊べないの?…あと、妹ちゃんは妹ちゃんでしょ。」
「……そりゃそうだろ。恋人優先してやれよ。」
やべ。言っててちょっと泣きそうになった。コイツ妹の彼氏なんだよな。
いいなアイツ。佐々木の彼女なんだもんな。佐々木と付き合ってんだよな。羨ましいぞ妹。妬ましいぞ。

だからまだ、もーちょっとだけこの優越感を味あわせてくれ。
佐々木に名前を呼ばれない、俺の可愛い妹よ。
どうせきっと佐々木はすぐに、お前の可愛さにメロメロになってクタクタになって、俺のことなんか見向きもしなくなるんだ。

――嗚呼。幸せになれよ妹。俺がコイツ手放してやるんだから、力の限り幸せになれよ妹。ならんかったら兄ちゃん泣くぞ。