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ドS×S

「先輩!帰り駅前の新しいラーメン屋寄ってきましょうよ!」

講師室に後輩の声が響くと坂井はあからさまに怪訝そうな顔をした。
「お前とラーメン食って俺に何の得があんだよ?」
「可愛い後輩と一緒に食事できるなんてお得じゃないですか!」
「使えねー馬鹿な後輩と飯食ったって何の得にもなんねーよ」
吐き捨てるように言うその表情には生徒達に向ける笑顔の柔かさなど微塵も感じられない。

大学受験の時に担当してくれた、クールな大人の雰囲気を漂わせそれでいて優しい笑顔で教えてくれる講師。
晴れて大学生になった今、この学習塾で講師のアルバイトを始めたのもそんな彼に憧れてである。
それが理想と現実とはこうも違うものなのだろうか。
大人っぽくて優しい「坂井先生」は、「お前と飯食うなんて死んでも嫌だね」なんて刺すような瞳を向けてくる。

「冷たいですよ先輩!生徒にはあんなに優しいのに」
「俺は基本的に誰にでも優しーんだよ。お前がいちいちムカつくだけだ。」

先輩、気付いてます?
先輩はあの時憧れてた大人でかっこいい先輩とは全然違いますが
子供みたいで口の悪い先輩を見ているうちに、あの時とは違う感情が僕の中に生まれたこと。

「それってつまり…僕は先輩にとって特別って事ですか?」
「馬鹿かお前は!なんでそういう解釈になるんだよ!」

先輩、僕は気付いてますよ。
先輩がそんな風に冷たい態度を取るのは僕だけで
僕がこうやってさりげなくからかう度に不自然に早口になること。

「違うんですか?お前が好きだ!世界で一番愛してる!って聞こえましたけど」
「っざけんなアホ後輩!」

あともうひとつ。
真っ赤になって困り果てる先輩はとても可愛くてもっともっと意地悪したくなること。


「ほら早く行きましょうラーメン屋!」
「はぁ!?俺行くなんて一言も…」
「世界で一番愛する後輩からのお願いですよ、先輩」