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目隠しの刑

「だーれだ!」
行きかう人の多い駅前のベンチでも待ち合わせ。
後ろからお決まりの行動をすれば、癖になるぐらいイイ反応を返してくれる君。
「男同士でこんなんしてもキモイだけだろうが!!」
そんな風に怒りながらも君の右頬が引きつっているのが、俺としてはたまらない。

俺は知っている。君が人ごみの中で無意識に坊主頭の男を目で追いかけているのを。
けれど俺は君の過去についてはあまり知らない。
なにかトラウマがあるみたいで、本当によくしゃべるものだと感心する君の口が
過去のことになるととたんに止まる。
元野球部だったって事は聞いた。その時に何かあったのかな?元彼かな?
別に話したくないなら無理に聞こうとは思わない。
今は俺と付き合ってくれてる。それで十分だ。
でも……。

ああ、まただ。道を歩きながら、俺の話に笑ってくれているけどその目は誰かを追っている。
少し俺だけ立ち止まって見る。
ほら。俺に気づかないで先に進む君。
俺以外を探すような目なんて、目隠しの刑だ。

「だーれだ!」
「っうわぁ!!」
ねぇ、君が探しているのは……だーれ?