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腐れ縁

 お前が俺のこと大嫌いなのはよく知ってたさ。初対面から遠慮なく嫌がってくれたよな。
 よくも言えたもんだぜ。俺がいないとダメなくせに。大体俺だってお前なんかに付き合うのは嫌だったよ。
 ガサツでぶっきらぼうで、せっかく俺がついてやってるってのにろくに勉強もしやしねえ。
 逆にバスケばっかりやりやがって。俺と一緒じゃ危ないって何度も注意されたくせにやめやしない。
 おかげでお前怪我しただろ。自業自得だぞ。あの時は顔に傷が残るんじゃないかとヒヤヒヤしたもんだ。
 そんな自分勝手でおまぬけなお前を、文句ひとつ言わずにここまで支えてきた俺に感謝のひとつもしたらどうだ。
 映画も観たし、メシ食いに行くのも何回もつきあってやったし、合宿、カラオケ、花火、スキーにクリスマス。
 体育祭で優勝した時なんかお前泣いてたな。バレてないつもりでも俺は知ってるぞ。
 風呂はさすがになかったが、一緒に寝たりもしたじゃないか。
 こんだけ長く過ごしたんだ。最近ではお前もちょっとは俺のこと認めたかと思ってたよ。
 あー馬鹿だった。信じた俺が馬鹿だった。自分に都合が悪くなったら遠慮なく縁切りだんもな。
 全くお前はどうしようもないやつだよ。最低だ最低。どうせ俺は邪魔だよ。
 いくら好きなやつに言われたからって、こうも簡単に俺を捨てるとは思わなかった。

「え、吉田? うそ吉田? え、マジで吉田!?」
「そんな騒ぐなよバカ」
「えーマジかよお前ふざけんな! 眼鏡やめただけでこんな変わるとかほんとねーよ」
「うるせえな。お前がコンタクトにしろって言ったんだろ」 

 しかしな、ずっと一緒だったからな。俺の方は嫌いなお前にも情が沸いちゃってるんだよ。
 だから最後に言わせてくれ。
 腐れ縁のよしみで、別れても応援しててやるぜ。喧嘩すんなよ。誰かにとられんなよ。幸せにやれ。
 俺と違ってコンタクトは泣くと取れるからな。