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てるてる坊主と雨男

「お前さー、何で俺の言うこと聞けねーんだよ。お前の仕事だろ?」

窓枠に頬杖をつきながら、ここ数日止むことのない雨とボクを交互に見て恨めしそうに呟いた男は
派手に溜め息をついてからピシャリと立て付けの悪い窓を閉めた。
今日の天気は連日の雨に加えて風が酷く、ボクの体は右へ左へ揺さぶられて全身びしょ濡れ。
まったく。溜め息をつきたいのはこっちのほうだよ、と一人ごちる。

肝心な時に決まって雨が降ってしまって困っているらしい彼が、古い木造アパートの軒先に
ティッシュ5枚ほどを使ってボクを作ったのはちょうど3ヶ月前。
あの時は確か彼女との初デート。結果、大雨。しかもフラれてしまって散々だったらしい。

ボク一人じゃダメだと思ったのか、その1ヵ月後、彼が代表に選ばれた陸上の大会の前日には
ボクと同じような格好をした偽者を数え切れないほど作っていた。
結果、また大雨。
仲間にも「お前が雨男だからいけないんだ」と文句を言われたと他の奴らを片付けながら愚痴を吐いていた。

ボクだってね。叶えてあげたいんだよ、君の願いを。
だから、晴れの日にはボクがどこに居るのか思い出してみてよ。
晴れの日だけは、ボクを部屋の中へと入れてくれる君。
君の傍に居ることを許してくれるなら、ボクはいつだって頑張ってみせるから。