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二十年後

「あなたとこうしてると、幸せってこういうことだって思うよ」
一つ年下の彼は、コーヒーカップを口元に運びながら笑顔を見せた。
厳しい寒さもようやく和らいで、暖かい日差しが極上の毛布のようにオレたちを包んでいる。
こうやって彼とゆっくりできるようになったのは、ごく最近のことだった。
くり返される謀略。強制的に連れ出される戦場。殺さなければ、殺されていた。
その間も彼とは、ずっと一緒にいた。
「この幸せが二十年後も続いてたらいいな」
なんてね、と冗談めかして彼が笑う。
「……バーカ。二十年なんて、甘いこと言ってんじゃねーよ」
顔が赤くなるのを見られたくなくて、そっぽを向いたオレを、しなやかな腕が抱きしめる。

それから、初めてのキスをした。