機械の体
「正気か!? 身体を機械にするなんて……! クローン技術だってあるだろ!」
「生身のままじゃ、奴らを殺せない!!」
幸せだった2人に突然襲い掛かった悲劇。
テロに巻き込まれ、目の前で恋人を殺され、自分も瀕死まで追い込まれた彼はすっかり復讐鬼となっていた。
この前まで、虫を殺すことも嫌がるような奴だったのに。
そしてあいつも、死んでいい理由なんか何一つなかった。
本当に、いい奴だったのに。
「だけど、あんたがサイボーグ技術士でよかったよ。他の奴だったら、理由知ったら絶対やってくれないし」
「……だろうな」
復讐のためか、こいつのためか。
どっちにしても不毛なこと。
ただわかるのは、他の奴にだけは任せられないってことだけだ。
最終更新:2013年08月09日 03:29