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勇者×ラスボス

「そうだな…この魔王城まで来て、私の退屈を紛らわせてくれたお前に
 私は何か礼がしたい。ふむ、世界の半分くらいくれてやるぞ。
 お前が治すればなかなか面白い世の中になりそうだ」
「……いや、待て待て待て。すると何か?お前の話をまとめるとこうか?
 元々世界の創造主だったのが、塔のてっぺんで何千年も過ごすのに飽きて、
 しばらく吟遊詩人として世界中を放浪しまくった挙句それにも飽きて、
 今度は魔物を作って自分が魔王になってみましたと?そういうことか?」
「まあ、有り体に言えばそうだな。
 ところで勇者よ、お前は葡萄酒は赤と白どちらが好きだ?歓迎の宴の準備が」
「要するに俺は……いや、人間は、お前の暇つぶしに付きあわされただけ?」
「そう言うな。実際、共通の敵を目の前にして人間たちの結束も固まっただろう。
 ところで勇者よ、甘味は嫌いか?ちょうど今魔界の珍しい蜜を使った焼き菓子が」
「………なあ。俺、しばらくここにいていいか?」
「ところで、今日はもう遅いし、宴の後は泊まっていくか?
 何しろ久々の客じ…………ん?今なんと言った?」
「俺、一応お前を殺すためにここまで来たんだけど。でもなんか悪い奴じゃないかなって。
 でも少し話したぐらいじゃよくわかんねぇし、しばらく近くにいて見極めようかと」
「…何を言っているんだお前は。私は仮にも魔王だぞ。
 今もこうしてお前をもてなす振りをしながら、料理に毒を盛っているかも知れん」
「だからそれを見極めるんだよ」
「……ふふふ、やっぱり面白い奴だ。ならば好きにするといい。
 人間に私が理解できるというのなら、いつまででも居てもらって構わんぞ」
「確かに、ヒマにかまけて魔王になるっていう神経は一生わかんねぇだろうな。
 でも、この短い時間でもひとつだけ分かった事があるぜ」
「ほう……それは何だ?」
「多分お前は、何千年もの間、ずっとさみしかったんだろうなってこと」