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追われる者×追う者

ああ、いっそ立ち止まれたなら。
このまま永遠に、俺はあいつの手の届かない位置に居続けるしかないのか。
時折振り返り、俺を追うあいつの姿を確かめているだけのこの状況。
捕らえられてしまおうか、とちらりと心を過ぎる想い。

…けれど。

俺が足を止めた時、
アイツの頭ん中を占めている、俺は消えるだろう。

アイツに追われる為だけに、
俺は走り続ける。


何故、追っているのか?
最初は確かに理由があったのに。
今でも、それは変わらない筈なのに。

けれど。

時折向けられる、アイツのあの瞳の奥の、カゲロウのように揺れる何かが気になる。

…無くなりそうで無くならない、アイツと俺の距離。

アイツを捉えるべく追っているのか、
その『何か』を知りたくて追っているのか。
今となっては曖昧で。

息苦しさにも似た、痛みがジリジリと胸を焼いて。

アイツの事以外、何も考えられなくなる。