褐色の肌
生まれつきでした
焼いたわけじゃありません、だから子供の頃は本当に野蚕の布のようでした
…こちらから売りに出さなくても売れたものです
まぁ、今では少し上背が高くなりすぎてしまいましたかね
でも、あれから十年ほどたった今でも、この肌は私の持つ貴重な財産です
このように産んだ親を恨むことはありませんでした。元から居ませんでしたから
逆に心中しないで置いてくれた分、今の主に出会えましたからね。今では感謝していますよ
今の主はこの肌を、『本から出てきた英雄のようだ』と、誉めて下さるのですから
少なからずこの肌のおかげで、今の主に仕えることができたのですから
最終更新:2013年08月09日 01:31